静かに自分の世界に浸れる美術館、個展巡りも好きなのだけれども、
同じくらい映画やお芝居などの舞台、
ライヴやスポーツ観戦も好きで時間が出来ると足を運ぶ。
この溢れんばかりの熱量は何なのだろう、と足を運ぶ度に思う。
前者はココロの内側から眠っていた何かが
静かに熱く、力強く感情を揺さぶってくる。
一方後者は外側からグイグイと、
こちらのペースなどお構いなしといった具合にココロを揺さぶってくる。
作り手の想いを乗せて解き放たれた作品たちに触れたり、
演者の息づかいに触れたり、
溢れ出ている熱気に自らも飲み込まれて身を委ねてみたり。
そのココロが痺れる様な多種多様な感覚を味わってしまうと、
また、その感覚を味わいたくて足が向くのだ。
そしてまた、この溢れんばかりの熱量は何なのだろう、と思う。
それなりの自分の答えは出るものの、
それが答えだと思ってしまった瞬間に
それは手の隙間からスルスルと零れ落ちるかのようにして姿をあやふやなものにしてしまう。
そんなに簡単なものではないと言われているような、
そんなに複雑なものではないとも言われているような。
気付けば心地よい思考の迷宮へと入り込んでしまっている。
その日は大好きなプロ野球観戦の前に入ったカフェで
ランチ代わりのホットサンドを頬張りながら、
先発ピッチャーをネットで確認しながら、
思考の迷宮をウロウロしながら、「ながらタイム」を過ごしていた。
いつもの如く注意力散漫な私の思考は
テーブル横に立てかけられているメニューにある「カフェ」の文字へと移った。
世の中にはカフェと呼ばれる場所と喫茶店と呼ばれる場所がある。
私は勝手にその違いを少々レトロな雰囲気が漂う場所を喫茶店、
「今どき」という表現が適切かどうかは分からないけれど、
今どき感のある場所はカフェ、という風にイメージしていた。
だけれども、根拠もない上にレトロな雰囲気漂うお店にも
カフェと名の付くところだってある。
これはどういうことなのだろうか?
迷宮を出たばかりだというのに、
あっさりと次の迷宮に片足を突っ込んでしまった。
身近な所に飲食店を営む友人がいることに気付き、
「カフェと喫茶店は何が違うの?」とラインで聞いてみた。
自分のしていることが、
先日、「ヴァンパイア」と「ドラキュラ」は同じ人?と尋ねてきた友人の子どもと重なってハッとした。
次の瞬間、「営業許可の違い」と返事が届いた。
その時のやり取りを簡単にまとめると、
食品営業許可を申請する時に、
飲食店営業許可を取っているお店が「カフェ」、
喫茶店営業許可を取っているお店が「喫茶店」ということのようだった。
喫茶店営業許可でお店が提供できるものは、
コーヒーや紅茶などの飲み物、お菓子や軽食など。
一方、飲食店営業許可を取っているカフェは
飲み物にアルコールを含めることができて、
調理したお料理を提供することもできるのだそう。
ただ、許可証どおりに、飲食店営業許可は「カフェ」、
喫茶店営業許可は「喫茶店」と名乗らなければならないという決まりはないようで
店名として「喫茶店」を名乗っても
「カフェ」と名乗ってもいいのだそう。
世の中にある「喫茶店」や「カフェ」と呼ばれるお店を見た時に
時折感じる、どっちだろうという感覚の原因はコレか!
と妙に納得して最後のひと口になっていたホットサンドをパクッと頬張った。
時計を見ると待ち合わせと開場の時刻が迫っていた。
時間内に迷宮を抜け出せた事に清々しさを感じながら、
ココロが痺れる様な感覚を期待して球場へ向かった。
その業界の人にしてみれば疑問に思うようなことではないし、
業界外の人であれば、
知らなくても生活に支障はないようなことなのだけれども、
人生一度きり。
それならば私は、色々な事を見て、知って、感じてエンジョイしたいのです。
皆さんも、今日も一日思いっきりエンジョイしてくださいませ。
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