数カ月ほど前、各年代にとっての「玩具」「遊び」という内容について
やり取りをしていたのだけれども、
数年前に株式会社タカラトミーが立ち上げたプロジェクトによる
ある調査結果の話題がでたのです。
それは、まだ小さい子どもたちがする「ごっこ遊び」が
子どもの成長にどのような影響を与えるのか、という調査です。
タカラトミーと大学による調査のため、
「女の子がするリカちゃん人形を使ったごっこ遊び」に限定して行われた調査なのだけれど、
メディアでも取り上げられていたので
記憶の片隅に残っている方もいるのではないでしょうか。
簡単に、その内容をおさらいしてみると、
リカちゃん遊び(ごっこ遊び)を経験した子は経験していない子に比べて
自分の将来を明るいものと捉える割合が高かったのだそう。
これは、リカちゃんなどのキャラクターを通して
自分の理想を演じながら遊ぶことで生活の中にある自分が思う「夢」を見つけ、
自分の将来像やなりたい自分像をイメージしやすくなっているのだとか。
また、リカちゃんで遊んだ経験(ごっこ遊びの経験)があるほど
理想の人がいる、理想の人物像があるという結果が出たのだそうです。
こちらは、現実空間とごっこ遊びの中の理想空間を行き来することで、
理想や憧れ、目標、未来などを感覚を通して育むことに繋がっているのだそう。
そして、
お人形「リカちゃんのママ」を持っている子は、そうでない子と比べて
自分の考えをはっきり相手に伝える傾向が高かったり、
自分の気持ちと違っていたとしても、
友達や他の人が求める人物像を演じる傾向が高かったのだそう。
これは、リカちゃんママでの役割遊びを通じて
子どもたちが「他者の視点」から自分を客観視できるようになり、
客観視した「自分」を対峙させたり、
協力することができるようになっているようなのです。
簡単に言うと、自分以外の誰かの立場に立つことで
自分のことも周りのことも良く見える力を遊びながら育んでいるのだそう。
さらに、リカちゃん人形を持ち、リカちゃん遊びをしている子の方が、
そうでない子に比べて周りの意見に合わせることができる傾向が強い
という結果も出たようです。
これは、ごっこ遊びを通して協調性を発揮し、
人との関わりを作り上げているところのようです。
他にも調査結果は色々とあったのですが、
調査結果を見ながら自分の子どもの頃を思い返してみたのです。
私も子どもの頃、リカちゃん人形を持っていたのですが、
私の場合は、リカちゃんに限らず、
ごっこ遊びやおままごと遊びはあまり好きではなかったように思います。
思い返すと自分以外の誰かを演じることに恥ずかしさがあったのです。
思いっきり役を演じ切る周りのお友達を眺めながら、
漠然と、すごいなと感じていました。
更に薄っすらと残る自分の記憶を辿ると、
私は、お友達に気づかれないようにこっそりと、
そのごっこ遊びの輪からフェイドアウトし、
リカちゃんのお洋服を脱がせてハサミでカットしお洋服をリメイクしたり、
ロングヘアもセミロングにカットするなどして遊んでいました。
こうして、調査結果に自分を照らし合わせてみると、
確かに私にはハッキリとした理想の人や理想の人物像は無いまま現在に至るので、
この調査結果は一理あるのかな、と思います。
一方、やり取りをしていたメンバーの中には、
面白いほど当てはまるという人もいれば全く当てはまらないという人もいました。
そして、最終的には無意識の中で遊びを通して子ども本人も
自分の性格を知っている最中なのだろう、という話に収まりました。
ごっこ遊びをした、しなかった、が
その人物やその人物の将来を正確に表すわけではないのだけれど、
皆さんはいかがでしょうか?
当てはまりますか?
ちょっと違っていましたか?
「知育玩具」という言葉や「子どもは遊びが仕事」といった言葉があるけれど、
ごっこ遊びの中で様々な役を演じるということは、
自分以外の誰かの立場に立って物事を考えたり、
見たり出来るようになる練習のひとつなのでしょうね。
おもちゃや遊びは正に知育で、子どものお仕事なのだな、と思うのでありました。
世の子どもたちに、今日も思いっきり自分らしく遊んでほしいものです。
もちろん、大人にだって「遊び」は大切なのですけれどね。