十五夜(中秋の名月)のお月見は楽しまれましたでしょうか。
「お月見は1回見ただけでは縁起が悪い」と言われている理由や、
「月うさぎ」などのお話をさせていただきましたが、
本日は十五夜(中秋の名月)から2日遅れの満月です。
日本では十五夜(中秋の名月)と言えば月見団子ですが、
中国では満月に見立てた丸い月餅(月餅)を家族や親しい人たちと一緒に食べるようです。
月餅(げっぺい)はご存知の方も多いかと思いますが中国の伝統的な甘いお菓子です。
名前に「餅」という文字ありますが、
中国では、この「餅」はお餅ではなく小麦粉料理やお菓子に使われるのだそう。
今回は私たちのお月見のルーツでもある中国のお月見を「月餅」目線で覗いてみます。
単に私が月餅好きだという、なんとも花より団子的目線ではありますが、
今宵夜空に浮かぶ満月に思いを馳せつつ、お付き合いくださいませ。
中国では中秋節と呼ぶようですが、
十五夜(中秋の名月)は旧正月と同じくらい大切にされている季節行事のひとつです。
ですから、この時期になるとデパートやスーパーお菓子屋さんの売り場には
様々な月餅(げっぺい)が並びます。
そして、自宅用に限らず贈りものとしても購入し、月餅を贈り合うのだそう。
月餅の起源には諸説あるようなのですが、
中国では円い形は団らんを表すとされ好まれる傾向があります。
ですから、十五夜(中秋の名月・中秋節)には家族全員で円卓を囲み
家族に対する思いや家族円満の祈りが込めた月餅(げっぺい)を食べるのだそうです。
丸い形をした月餅(げっぺい)は縁起物というわけです。
現在は中国でも日本でも様々な味の月餅(げっぺい)がありますが、
伝統的なものは、小麦粉にラードを使った生地で、
小豆やハスの実、ゴマ、ナッツなどから作られた餡と
塩漬けにしたアヒルの卵黄が包まれています。
月餅(げっぺい)そのものもお月様に見立てられていますが、
割った時に見える卵黄もお月様に見立てられています。
まさに、縁起物です。
最近では塩味のものや洋菓子風のもの、フルーツが使われているものや、
カロリーや甘さを抑えたヘルシーな月餅(げっぺい)もあり、
自分好みの月餅(げっぺい)を探す楽しみもあるようです。
月餅と言えば重厚な餡が特徴で、とても食べごたえのあるお菓子なので
1人で1個食べるのも大変だと思われる方もいらっしゃいますよね。
これは元々、1個の月餅(げっぺい)を切り分けで家族みんなで食べるため、
切り分けることを前提にして作られています。
召し上がる際には包丁でカットして召し上がってみてくださいませ。
そのままかぶりついたり手で割って食べるよりも、
不思議と口当りが優しくなりますよ。
月餅(げっぺい)の中華餡はコーヒーや紅茶との相性も良いので
少し濃い目に入れたお飲みものと一口大にカットした月餅(げっぺい)で
秋の夜の大人のティータイムを楽しまれてみてはいかがでしょう。
きっと、夏の疲れがじんわり解きほぐされていくのではないでしょうか。
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