飲み物を手にテラス席へと移動した。
まだ少しだけ吹く風を冷たいと感じた私はバッグの中からストールを取り出し、
首元にくるくるっと巻き付けた。
バッグの中を整えようとして目に入ったのはジャガイモだった。
カフェへ来る途中、通りかかった八百屋の店主に呼び止められ、
随分と前に交わした会話が役にたったからと言ってお礼にいただいた新ジャガだ。
お店の前を通ることはあったけれど、買い物をしたのはその時が初めてだったはず。
それなのに顔まで覚えているとは、さすが商売人。
お礼の新ジャガを躊躇すると「また顔見せてよ」と笑顔で手渡され、様々な意味でプロだと思った。
紅茶を飲みつつ、行き交う人々を眺めつつ思うは、
今宵、この新ジャガをどう美味しくいただくか、だった。
水分量が多く皮が薄い新ジャガは皮ごといただくのが1番だ。
鶏肉と一緒に甘辛く煮つけてもいいけれど、シンプルに素揚げ、
いや蒸しただけでも十分美味しいはず。
蒸した新ジャガに乗せるは、バターやアンチョビ、お塩に、明太子バター、
ハーブソルト、塩昆布、塩辛乗せなんかも捨てがたい。
さぞかしお酒もすすんでしまうことだろう、と想像するだけでテンションがあがった。
一年を通して食べられる食材が多いけれど、
旬のそれには敵わないことを私たちは本能で知っており、
そこに日本人の粋な感性が相まって、「新」や「初物」という冠に反応してしまうのかもしれない。
この時季の新ジャガも然り。
様々な栄養素が含まれているようなのだけれど、
特にビタミンCはレモン同等量と言っても過言ではないのだそう。
そして、意外にも知られていない点はジャガイモはアルカリ性の食品だということ。
私たちの身体は意識しなければ酸性に傾いてしまいがち。
酸性に傾くということは体内の細胞が酸化し、錆びて、
思うように動かなくなる原因を作ってしまうということ。
だからジャガイモは、酸性に傾く原因になるお肉や油っこいお料理の付け合わせに使われることが多いのだ。
わたくし、ジャガイモが体内の酸化を防ぐことにひと役買ってくれるレスキュー食材だと知るまでは、
「ジャガイモは美味しいけれど、炭水化物だから控えた方がよい食材」
というイメージが強かったのです。
しかし、知ってからというもの、意識して食べるようになりました。
この時季出まわる新ジャガは日持ちこそしませんが、
女性に嬉しい栄養素が普段にも増して詰まっております。
体内が酸化して錆びてしまうとお肌だけでなく小さな不調が重なります。
新ジャガ、新タマネギ、春キャベツ。
野菜たちから続々と春の便りが届くこの時期は体内ケアにもってこいです。
今週は、ほっくほくの新ジャガに
錆びないカラダケアをお任せしてみませんか?
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