ラリラリラリラ、しらべはアマリリス♪
すれ違った女の子たちが楽しそうに歌っていたそれは、アマリリスの歌だった。
久しぶりに聞いたけれど、ラリラリラリラって何ぞや。
オルゴールの音色を表しているのだろうけれど、
ラリラリラリラってと子どもの頃と変わらぬ感想を抱く自分を少し笑った。
日本語の歌詞は小さな女の子たちにも似合う可愛らしいものだけれど、
フランス語の歌詞は、優雅で大人の愛が溢れ出したような歌詞だったように記憶している。
ラリラリラリラの部分を脳内リピートさせながら歩いていると、
外来種の狂い咲きだろうか、少し遅咲きのタンポポが視界に飛び込んで来た。
鮮やかな色が少しずつ減り始めている景色の中、
硬いアスファルトのわずかな隙間から顔を出しているタンポポの黄色から、
2種類の生命力のようなものを感じつつ、その場を通り過ぎた。
その黄色が秋の景色に馴染みきれていなかったからなのだろう。
タンポポにまつわるストーリーがぽつり、ぽつりと頭の中に浮かび上がってきた。
今回は、その中の少し切ないストーリーに触れてみたいと思っております。
お時間がありましたら、
秋の景色の中で狂い咲いた黄色いタンポポを想像しつつ、お付き合い下さいませ。
その少し切ないストーリーというのは、アメリカに残る古いお話です。
ある場所にのんびりと居座って、日々、穏やかな風を吹かせていたのは南風。
ある日、ブロンドの髪が似合う美少女が、丘の上に立っておりました。
南風は、その美少女を見つけてすぐに一目惚れしてしまいます。
南風は、その彼女に夢中になり、彼女が住む場所から離れることなく
来る日も来る日も、彼女を見つめて過ごしておりました。
どれ程の月日が流れたのでしょう。
南風は、ブロンドの髪が似合う美少女が、
いつの間にか白髪の老婆に変わっていっていることに気付きます。
驚きと悲しさが混ざり合い、南風は、大きなため息を1つ、ふーっと吐いたといいます。
南風の大きなため息に飛ばされたのか、
白髪の老婆の姿もパッと消えてしまったのだとか。
タンポポには2通りの花言葉があります。
黄色い花びらを広げている時には、
真心の愛、神のお告げ、愛の信託、思わせぶり、といったもの。
白い綿毛のタンポポの時には、別れ、別離、というもの。
この綿毛のタンポポの花言葉の由来になっているストーリーが、この南風と少女のお話です。
外来種のタンポポは9月いっぱい咲いていますので、
10月上旬辺りまでは遅咲きのものを目にする機会もあるかと思います。
狂い咲きのタンポポを見つけられましたら、
南風と少女のお話を思い出していただけましたら幸いです。
今日も心穏やかな1日でありますように☆彡