デスクに突っ伏したまま、いつの間にか眠ってしまったのだろう。
突然、体がビクッと跳ねた勢いに驚いて体を起こした。
時計を眺めながら手を伸ばしたマグカップに入っていた紅茶は、
すっかり冷え切ってしまっていたけれど、
目覚めたばかりの喉を潤すためにゴクゴクと飲み干した。
そして、パソコンのモニターに映しだされている過剰に並んだ数字の「6」を消しながら、
突然、体がビクッと跳ねる現象には名前がついていたはずなのだけれども……と、
その名前を頭の中から引っ張り出そうとしてみた。
しかし、脳内のどこに埋もれているのやら。
その現象についた名を探し当てることができず、眠気覚ましに調べ直すことにした。
ウトウトしているときや睡眠中に、高い所から落下していくような感覚に襲われ、
突然、体がビクッと動く、あの現象はジャーキングと呼ばれている。
ジャーキングの語源は、痙攣や急に動かすことなどを表すジャーク(jerk)。
私たちの体は、睡眠中に筋肉がふわっと緩んだり痙攣することがあるけれど、
脳は、その時の感覚を、体が落下するときの感覚だと感じ、
そのように神経に伝えてしまうことがあるのだそう。
このジャーキングが起こる原因として挙げられているのが、
電車内でのうたた寝のときや、
私のようにデスクに突っ伏した状態で寝てしまったときなどの姿勢や環境の悪さや、
疲れているとき、カフェインを摂りすぎてしまったとき、
身体が何かしらのストレスを感じているとき、
枕などが体に合っていないときなどだ。
そしてもうひとつ。
ぐっすりと眠っているレム睡眠中というのは、
脳は休息モードに切り替わり、体内では細胞の修復作業が盛んになるため、
全身の力が抜け筋肉がリラックスした状態になります。
このような状態により脳の働きがあやふやになり、
正確な状況を神経に伝えられないためジャーキングが起こるといいます。
また、レム睡眠中は脳内の情報が整理されている時間帯でもあるので、
夢を見ていることが多いと言われていますが、
このとき見ている、高い所から落下していく夢を現実で起こっていることだと脳が反応し、
ジャーキングを引き起こすこともあるのだとか。
やはり、心身ともに休ませることができる睡眠は、
心身が休まる環境で取るに越したことはないようだ。
身も心も休ませることができるスイッチのひとつに“香り”があると言われている。
アロマを活用するのも手ですが、アロマが苦手な方は、
お好きなシャンプーやボディーソープを
その日の気分によって使い分けてみるのも良いのではないだろうか。
最後になってしまったけれど、今回の本題。
私がこの現象に関して思っていることはこれだ。
この“ジャーキング”という現象は、日本語では“入眠時ぴくつき”と呼ばれている。
この呼び方、何だか、とても残念な気分になってしまうのは私だけだろうか。
ジャーキングが表れた際には、心地よい環境を自分に用意してあげてくださいませ。