今日は感覚が鈍っているな、と感じる日がある。
このような勘は外れることも少ない。
ある日の朝もそのような気がしている中で一日をスタートさせたのだけれども、やはり全てにおいて感覚が鈍かったので散歩に出ることにした。
その散歩の道中、少し残念な光景に遭遇した。
一か月ほど前だっただろうか。
よく通る道沿いのお宅の軒先にツバメが巣を作っていた。
日に日にしっかりとした巣に仕上がっていく様子に、心の中でツバメ夫婦に頑張って!と小さなエールを送っていた。
そして先日、ほぼ完成したように見える巣を目にして「おつかれさま」と思った。
そのツバメの巣が見るも無残な姿になっていたのだ。
きっと、家主が取り除いてしまったのだろう。
ツバメの巣は全壊に近い状態だった。
それなのに、ツバメがもう一度、その場所に巣を作り直していたのだ。
崩された巣の欠片が真下に落ちているのか、地面と軒先を行ったり来たり。
家主の取り除いてしまった気持ちも理解できるのだけれども、それならば、ツバメたちにもう少し早く、この場所には巣を作ることができないという意思表示をしてあげられなかったのだろうかととても勝手な思いを抱いて、一人勝手に切ない気持ちになった。
ツバメが巣を作ると縁起が良いと言われています。
ツバメが巣を作る家は病人が出ない。
ツバメは水田の稲の害虫を食べてくれるので豊作をもたらす鳥。
ツバメが巣を作る家は火事にならないなど、皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ツバメは渡り鳥なので様々な環境を察知する能力に長けている鳥です。
その鳥が、居心地の良い環境を選んで巣を作るわけだから、ツバメが巣を作った家や建物は、建物に影響を与える湿度などのバランスが良い場合が多いのだとか。
そして風水で良いとされるような場所にはツバメが巣を作ることが多いことも縁起がいいと言われている理由なのだそう。
ツバメは割と弱い鳥なので、巣や卵、そして雛を、他の鳥やヘビなどから守るために、人目につく場所で、環境が良い場所を巣作り、子育ての場所に選びます。
そして帰巣本能があるので、気に入った家には毎年巣を作るそうなのですが、少しでも環境に変化があると、その場所に巣を作ることはないのだそう。
命をかけているのでツバメは真剣です。
真剣だからこそ、巣を作る前に家主のこともしっかり観察しているとも言われています。
どこでも良いと思って作ったわけではなく、この場所に家を建てたい、この場所で子育てをしたい、といった思いでツバメは場所選びをしています。
もしツバメの巣に関わることがありましたら、どうか優しく接してあげてくださいませ。
あの日以来、あのツバメたちの巣を見ていないけれど、
安心できる場所で、安心して子育てをしてくれていたらいいなと思った日。
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