日に日に見つけられる秋が増えている今日この頃。
深みのある、秋冬の光景をイメージできるような香りを求めて
デパートのパフュームコーナーを覗いた。
もともと香料は、ミイラを殺菌したり保存したり、雑菌の繁殖を防ぐためなどの目的から、
薬品として登場したと言われている。
それが、時代を経る中で、
女性たちの美をサポートする化粧品として使用されるようになった。
古代エジプト時代には既に化粧品が存在したことは有名な話だ。
エジプト、化粧品、とくればクレオパトラだけれども、
彼女のバラに関するエピソードも有名なのではないだろうか。
クレオパトラは、自分の体臭をバラの香りに変えようと試みた人物だと言われている。
そのエピソードの中には、大量のバラを蒸留し、
ローズウォーターとローズオイルを作ったというものがあり、
これが今で言う香水の始まりなのだとか。
私たちにとっては、簡単に手に入れることが出来る
体臭をローズの香りにするサプリメントやキャンディー、
その他様々なプロダクツですが、古代エジプト時代に基盤が作られたようだ。
この後も、香料は香辛料も含めて化粧品分野や食品分野で発展していくけれど、
発展の過程で発明された人工的な香料のおかげで
香水を大量生産することができるようになる。
すると、これまで限られた人しか纏うことができなかった香水が、
幅広い人たちが纏い楽しむことができる化粧品と変化しはじめたのだ。
現在では自然界に存在しない人工的な香料も作ることができるため、
香りの種類は年々広がりを見せている。
その一方で、天然香料のみを使った天然香水への注目度も上がっており、
人工的な香りを好む方と、天然香料であるアロマの香りを好む方など、
香りも、好みや用途に合わせて選べる時代に入っているように思う。
私自身は人工的な香りをメインに使っていたこともあるけれど、
今では、ほぼ天然の香りがメインになっている。
とは言うものの、人工的な香りを欲することもあり、
あまり自分を縛らずに、その時々の自分の感覚が求める香りを素直に楽しむことにしている。
そう言えば、旧約聖書に登場するシバの女王のエピソードに、
シバの女王がソロモン王に、金、銀、財宝と一緒に香料を贈ったというシーンが登場する。
そこに登場した香料が、どのような香りだったのかは、
私の記憶が曖昧なので明記できないけれど、
香辛料といった類の香料ではなく、お香などに使われるような香料だったと記憶している。
金、銀、財宝と並ぶ贈りものとして香料が扱われていた時代があったということを知ると、
香りを自由に選べる環境というのは、
私たちが思う以上に贅沢で素敵なことなのかもしれない。
香りには好みがあるけれど、誰しも好きな香りはあると思うのです。
香水のような香りには興味はないけれど、
お味噌汁の香りが好き、淹れたてのコーヒーの香りが好き、という場合もあります。
今日は、普段よりも少しだけ意識して、
身の回りにある香りを感じてみるのはいかがでしょう。
小さなハッピーに出会えるかもしれません。