幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

レンゲソウにもスポットライトを。

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赤みがかった紫色と爽やかな白で彩られたレンゲソウ(レンゲ/ゲンゲとも)で紙面が満たされているポストカードをいただいた。

こんなにも沢山のレンゲソウが咲いている景色を最後に見たのはいつだろう。

もう随分と長い間、レンゲソウそのものを見ていないように思った。

春の陽気の中で咲き誇るレンゲソウは、ほんのりと甘い香りを辺りに漂わせていたような。

記憶を手繰り寄せるようにして想像してみたけれど、はっきりとは思い出せず、想像するに留まった。

私の中でレンゲソウと言えば、美味しいハチミツを摂ることができる蜜源植物というイメージが一番強い。

次に思い出すのは、レンゲソウの神話である。

レンゲソウは、言い寄ってくる男性から逃れるために女神が姿を変えたものだったのだけれど、

花を摘みにでかけた姉妹の姉が、そのレンゲソウを摘み取ってしまうのだ。

すると姉は、足からレンゲソウの根が生え、根は地面を這うようにして広がっていく。

変わりゆく姉を心配する妹に姉は、花はどれも女神が姿を変えたものだから摘まないでね、と言い残してレンゲソウに姿を変えてしまうという話。

子どもの頃の私には、この話が妙にリアルに感じられたようで、道端に咲いている花を摘もうとするも、この物語を思い出して伸ばした手を引っ込めていたように思う。

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私がレンゲソウを見聞きして思い浮かべるのは、この二つなのだけれど、

いただいたポストカーを裏返すと、箇条書きされたレンゲソウの説明の中に、レンゲソウは畑の肥料だと記されていた。

畑の肥料とは?その言葉が気になりレンゲソウのことを簡単に調べてみると、

以前は、多くの田んぼで秋頃になるとレンゲソウの種を蒔き、レンゲソウを緑肥(りょくひ)として使っていたのだそう。

緑肥(りょくひ)というのは、栽培した植物を収穫せずに田んぼや畑の土と一緒に耕して肥料として使う、地球や植物、人に優しい肥料のこと。

それならば、植物なら何でも緑肥(りょくひ)になるのかというとそうではなく、レンゲソウが緑肥(りょくひ)に選ばれているのには理由があるという。

レンゲソウの根には根粒菌という細菌がいて、この細菌は空気中の窒素を植物や農作物が使いやすい形に変化させる特徴があるのだそう。

だから、この細菌を持っているレンゲソウを田んぼや畑に植えて花を愛でた後は、丸ごと土に混ぜ込むことで土壌が効率よく豊かになり、そこで育てる農作物が、元気に育つ仕組みなのだそうだ。

今では、レンゲソウの緑肥(りょくひ)を使っている農家は少ないけれど、地球や人に優しい肥料ということで見直す動きもあるという。

レンゲソウは可愛くてキレイで、美味しいだけではなく、優しくて頼りになる草花ということらしい。

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レンゲソウのシーズンはこれからです。

ドライブ中やお散歩中、時には街中の街路樹の根元などでレンゲソウを見つけた際には、今回の何かしらをちらりと思い出していただけましたら幸いです。

画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/