もうすぐ今年の「土用丑の日」ですね。
皆さんのご自宅では鰻を召し上がりますか?
今回は、もうすぐやってくる「土用丑の日」に鰻を食べるようになった訳や
土用丑の日に食べると良いのは鰻だけではないというお話など、
土用丑の日に関するあれやこれやを、少しずつつまみ食いしてみたいと思います。
色々な事をまとめて簡単に知っておきたい方は、この機会に覗いてみてはいかがでしょうか。
【土用丑の日が年に1回あったり、2回あったり、回数が異なるのはどうして?】
この「丑」は十二支の「丑」なのですが十二支は年以外にも、月日や方角を数えることにも使われています。
昔から受け継がれている季節行事は中国から伝わったものが多いため、陰陽五行説に基づいているものが多いのです。
陰陽五行説は、この世の様々なものを木・火・土・金・水の5種類に分類します。
季節をこれに当てはめると春は木、夏は火、秋は金、冬は水になり、各季節の終わりの約18日間は土とされています。
この期間を土用と言い、この土用は年に4回あります。
丑の日は、十二支を1日ずつ順に当てはめ、12日で一巡します。
「土用丑の日」というのは、この土用の期間に巡ってきた丑の日のこと。
タイミングによっては土用の期間に丑の日が2回巡ってくることもあります。
ですから、1年に2回『土用丑の日』が来る年もあれば、
今年のように7月30日の1回だけという年もあります。
【どうして土用丑の日に鰻を食べるの?】
鰻の旬が冬だということをご存じの方は、どうして夏の土用にわざわざ旬ではない鰻を食べるのだろうかと思われたことがあるのではないでしょうか。
土用丑の日に鰻を食べるようになった理由は諸説あるのですが、一番知られている説は少し拍子抜けするような理由なのです。
昔は夏の鰻の売り上げが良くなかったのだそう。
そこである鰻屋の店主がそのことを、あの様々な才能を持っていた発明家の平賀源内に相談したところ、
平賀源内は、「本日、土用丑の日」と看板を書いて鰻屋に貼り出しました。
すると、この貼り紙が評判になり夏の鰻が定着したようです。
ハロウィンやバレンタイン、クリスマスもそうですが、このようなことを世の中に仕掛ける才能、それを楽しむ才能が日本人にはあるのかもしれません。
夏の土用が印象的ですが四季の中でも土用期間は、暑かったり寒かったり体調を崩しやすい期間でもあります。
また、昔から丑の日は災難が多いと言われていたため、「う」のつく物を食べたり、
丑が指し示す北の方角を守護する玄武の色にちなんだ黒いものを食べて
栄養を補給をしながら災厄を除けようとしていたようです。
【鰻が苦手なんだけど、どうしたらいいかしら?】
多くの方が美味しいと声をあげる鰻ですが、皆が皆、鰻好きではありませんよね。
中には鰻は苦手だという方もいらっしゃいます。
重複しますが土用丑の日に食べると良いとされているのは、「う」が付くものと「黒いもの」です。
もちろん「鰻」は両方に当てはまりスタミナ食でもあるのでおすすめですが、牛、うどん、梅干しなども良いんです。
特に今年の梅は申梅ですので災厄除けにはもってこいです。
※申梅については過去記事をどうぞ。
他にも黒豆や黒ゴマ、ひじきなどもありますよね。
鰻は苦手だから土用丑の日は関係ないと思っている方がいらっしゃいましたら、
今年は是非、楽しみながら「う」の付くものと「黒いもの」を土用丑の日のメニューに加えてみてはいかがでしょうか?
夏の土用期間は体が暑さで弱りがちで、疲労が溜まりやすいため、
スタミナのつくものを食べる習慣が受け継がれてきました。
鰻などももちろんスタミナ食ですがシジミも頭の片隅に入れておいてくださいませ。
シジミは、昔から「土用シジミは腹薬」と言われていました。
今も、シジミには良質なたんぱく質、グリコーゲンにタウリン、ビタミン類が豊富で
肝機能を高めてくれる食材であることは有名ですが、このシジミ、旬になると栄養価がグンッと高まります。
その旬が夏と冬です。
これから更に暑さが増し体力が落ちやすくなりますので、土用期間は、シジミのお味噌汁もいかがでしょうか?
お料理をする時も食べる時も、楽しく美味しくまいりましょうね。
関連記事: