やはり秋は美味しいものが目白押しですね。
夏は暑さで食欲も落ちてしまいがちですが、
涼しくなってくると体の方も準備万端になるのでしょうか、
秋の味覚に目移りしてしまいます。
先日、夜風も涼しくなってきたので窓を開け放って
外の風を室内へ呼び込んでいたのですが
夜風だけではなく「いしや~きいも」のメロディーが遠くの方から聞こえてきました。
テレビを消音し、耳を澄ませてみるともう一度「いしや~きいも」と。
珍しさと秋を感じたい気持ちが混ざり合い、しばらく耳を澄ませて聞いておりました。
さつまいもは一年を通してスーパーのお芋コーナーで手にすることができますが、
旬は9月~11月、まさに今です。
収穫されたばかりの旬のさつまいもは少し甘みが足りないような気がしますが、
貯蔵して寝かせたものよりも栄養価が高い状態です。
旬のものはお料理などに使って出来るだけ栄養を丸ごといただいて、
収穫後に2~3か月間程貯蔵して水分を飛ばし、甘さが増したものは
スイーツなどとしていただくといいですね。
また、さつまいもにはビタミンCや食物繊維が豊富な事はご存知かと思いますが、
さつまいもの皮にはカルシウムがたっぷり含まれています。
丈夫な骨を作るためにはカルシウムだけではなくビタミンCが欠かせません。
さつまいものビタミンCは加熱しても壊れにくいため、
様々な調理方法で両方の栄養素を摂ることができます。
是非、皮の旨みも美味しく召し上がってください。
そして、美容効果はもちろんのこと、
血圧を下げる効果もあると言われていますので
栄養価の高いこの時期、旬の味覚を楽しみながらカラダケアをしてみてはいかがでしょうか。
さつまいもは、苦境の地でも収穫でき、腹持ちも良いことから
飢饉対策として栽培されるようになり、
食料難の時代にも人々の命を繋いできた食材です。
この時点では少し地味な食材でしたが江戸時代に入り京都で初めて焼き芋が登場し、
その、甘くほくほくとした美味しさは、あという間に各地に広がったのだそうです。
時々、さつまいもを使ったお料理やお菓子、焼き芋を扱う店名に
「十三里」という名を見かけることはありませんか?
私、過去に数件ほど見かけたことがありまして、
簡単に被るような名前でもないのにどうしてだろう、と不思議に思ったのです。
そこで、いつもの如く調べ始めたのですが、こういう背景がありました。
江戸時代に京都で焼き芋が登場した際、
焼き芋の味が栗に似ていたことから「栗(9里)ほどではないのだけれど」という
洒落と謙遜から、さつまいものことを「八里半」と名付けたのだそう。
これが江戸に伝わった際に「栗(9里)より旨い13里」と言い「十三里」と名付けたようです。
9里から13里に数を増やして「旨さ」を強調したのでしょうね。
これが当時の江戸の人たちに大ウケし、焼き芋も爆発的に売れ、
私たちの手に届くところまで受け継がれたようです。
ワタクシ、個人としては数の増やし方も中途半端でツボ探しに未だ難航しておりますが、
江戸時代に限らず、先人たちはこのような言葉遊びがお好きだったようでございます。
今年の秋は、先人たちの洒落ごと、さつまいもを召し上がってみてはいかがでしょうか。
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