行者にんにくの旬も残りわずかですね。
年明け頃から店頭に並んでいるため、
随分と旬が長いように感じられるかもしれないのですが、
行者にんにくには、ハウス栽培のものと天然のものがありまして、
年明けから2月頃までに目にするものはハウス栽培のもの。
4月から5月にかけて店頭に並んでいるのもの天然のものです。
行者にんにくはアイヌの人たちが薬草として大切にしていた植物と言われているだけあって、
ころっとしたにんにくよりも栄養価が高く、
疲労回復や滋養、殺菌の効果も高いと言われています。
更に、これらの効果と同時に骨を強くしたり、
血の巡りを良くしたり、免疫力をアップすることから、がんの予防の期待もできるとのこと。
控えめながらも頼りになるパワーフードなのです。
そもそも、どうして行者にんにくと呼ばれているのか。
植物に関する資料を目にすると、しばしば登場する名があるのですが、
植物学者の牧野富太郎さんが名付け親のようです。
彼は独学で植物の研究をされており「日本の植物学の父」と呼ばれています。
彼が調べたところによりますと、
この山菜は修行僧たちが栄養補給や体温維持の為に食べていたといいます。
本来、仏に仕える身のものたちは、
香りの強いものや精のつくものは口にしてはいけない決まりごとがあったそうなのですが、
厳しい修行を乗り切るための知恵だったようです。
このようなことが由来となり、行者にんにくと名付けたようですね。
行者にんにくは、春に口にすることができる山菜の一種ですので、
先人たちは春に口にすることで体を目覚めさせて夏に備えたり、
目には見えない不調を整えたりしていたのでしょう。
ただ、この行者にんにくの天然のものは年々少なくなっています。
と言いますのは、行者にんにくは芽が出てから食べごろになるまでに、
5年から7年かかると言われています。
収穫できるまで非常に長い月日を要するのですが、
乱獲されていることもあり、その数が減ってきています。
まだスーパーなどでも目にすることができます。
ポキッと折りますと、にんにくのような香りがしますが、
にんにくよりも扱いやすい食材ですので、
貴重でパワフルな天然の行者にんにくを旬が終わってしまう前に
天然サプリメントとして美味しく召し上がってみてはいかがでしょうか。
旬のものを口にするということは、
美味しくて楽しいだけではなく体のメンテナンスも兼ねていますので、
上手に取り入れていきたいものですね。