夕方、ぽっかりと時間ができた。
何となく過ごしたとても、体を休めたとしても、何かをしたとしても、あっという間に過ぎてしまうほどの時間だから迷っている暇はない。
このような時の為に頭の片隅に書き留めてある「したいことリスト」を脳内でスクロールした。
日差しも和らぐ夕方からの私はほんの少しだけアクティブモードだ。
しばらく会っていなかった猫たちに会う為に猫カフェへ行くことにした。
滞在できる時間は30分程だけれども、私がその時間に一番したいこと。
受付を済ませて部屋へ入ると、中学生くらいの女の子が入り口付近で、新入りのやんちゃな子猫と楽しそうに遊んでいた。
私に気付いた女の子は人懐っこい笑顔で、「この子、可愛いんですよ、ほらっ」と声をかけてきた。
しばらく女の子と一緒に子猫と遊んだあと、私は、ひと通り猫たちと挨拶を交わしソファーに腰かけた。
隣りにやってきた大きな猫を撫でていると、先程の女の子が、一緒に遊びに来たのだというお友達を紹介してくれた。
お友達も「猫の写真のアングルはどっちが可愛いと思います?」と真剣に相談してきたりして可愛らしかった。
お喋りをしつつ女の子が猫と遊ぶ様子を眺めていると、眺めているだけじゃつまらないでしょと私に猫じゃらしを貸してくれたり、猫じゃらしアドバイスをくれたり。
その瞬間、瞬間に全部の意識を目の前のことに向けていることが感じられる彼女たちだった。
すーっと懐に入ってくる無邪気さに久しぶりに触れた気がして、私はほんの少し、ドキドキしていたような気がする。
帰り道にふと、ああいう心の開き方をしていたのはいつ頃までだっただろうか、と思った。
開く、開かない、そのような事を無意識下ですら考える間もない、純粋な心の開き方。
大人になると礼儀という名のもと、相手の出方や顔色を伺ってタイミングを計るようなこともあるし、素直さの中にも冷静な目が存在していることも多い。
もちろん、それも大切なことで必要なこと。
だけれども、仲良くなりたいと思う相手や大切な人や大好きな人には、大人だって彼女たちのような無邪気さをちょっぴり見習って、もっと素直にシンプルに気持ちを解き放ってもいいのだろうな、と思った。
あなたの素直な気持ち、大切にできていますか?
もし、つい意地を張ってしまったり、強がってしまったり、照れてしまったりしているのなら、今日は素直な気持ちを大切にしてみませんか?
大人も子どもも関係なく、大切な誰かに「いつもありがとう」って、伝えてみませんか?
いつ何が起きたって不思議ではないのがこの世界です。
想いを伝えることができるというのは、とても貴重で素敵な時間だと思うのです。