今年も残すところ今日を入れて2日となりました。
お休みに入られた方、お仕事をされている方、様々だと思います。
年の瀬も押し詰まってまいりましたが、我が家には連日、宅配便の配達員の方が度々足を運んでくださっています。
私がお世話になってるクリーニング店は大晦日まで営業し、年明け2日から営業とのこと。
世の中は、持ちつ持たれつなのだと感じたところでございます。
インターネット通販が当たり前の世の中になり、クリック翌日には商品が手元に届くことも多くなりましたが、これも決して当たり前の事ではなく、支えて下さっている方々がいらしてこそ。
届くはずのものが少し遅れて届いて予定が狂わされることがあったとしても、大らかな優しい気持ちでいたいものだな、と思う今日この頃でございます。
言葉通り、年の瀬を迎えているわけですが、この時季ならではの「年の瀬」という言葉をちょっと覗いてみませんか。
意外と知らないことが隠れている言葉のひとつなのです。
ちょっぴり粋な大人の使い分けも最後にご紹介いたしますので、のんびりお付き合いくださいませ。
皆さんもご存知の通り、「年の瀬」という言葉には年末という意味があります。
12月に入れば12月中いつ使っても良い言葉なのですが、中旬を過ぎた辺りから使う方が体感を伴うため言葉がより生きるような気が致します。
それにしても、どうして年の瀬と言うのだと思いますか?
シンプルに「年末が近づいてきましたね」や、「今年も僅かですね」という表現でも十分伝わると思いませんか?
この「瀬」という文字には、川の深さが浅い場所、川の流れが速い場所という意味があり、たとえ川の深さが浅くとも、流れが速ければ渡ることが難しく命がけになる場合もあります。
そして、この言葉が生まれた時代は年末(12月)に入ると、その年の「ツケ(借金)」を精算する習慣がありました。
ツケが溜まって精算の目途が立たなかったり、ツケを精算してしまうと年を越すための食糧を準備することができなくなる状況は、信頼や命に直結するようなことでした。
この「瀬」という文字が持つ意味と当時の時代背景を重ねたことが「年の瀬」の語源だと言われております。
ですから当時と今とでは時代背景が異なるため、当時の「年の瀬」は、現代のそれとは少々異なり、鬼気迫った状況を表していました。
同じ時期に使われている言葉ですが、時代と共にニュアンスに変化が起きることも言葉の面白いところかと思います。
さて、12月に入れば「年の瀬ですね」と使うことができますが、使い慣れているオトナならではの粋な使いわけを覗いてみましょうか。
使う時期の目安は上旬、中旬、下旬とざっくりとわけましょう。
上旬であれば、年の瀬に入りましたね、と。
中旬に入れば、年の瀬も迫ってきましたね、年の瀬も迫りつつありますね、と。
下旬になるとクリスマスとお正月が共存し、忘年会、仕事納めなども視野に入ってきます。
このような時期に突入しましたら、年の瀬を迎えましたね、年の瀬も押し詰まってきましたね、という具合に「年の瀬」が今どのような状況、位置にあるのか。
日付や、その場の空気や、お相手との関係性を見て粋に使い分けてみてはいかがでしょう。
何気ない会話が決まり文句で流れるのではなく、グッと季節感が高まり慌ただしさの中に情緒を織り込むことができるように思います。
子どもには味わうことが叶わない粋なオトナ遊びも交えつつ、忙しい日々も楽しんでまいりましょうね。
それでは皆様、良い年の瀬をお過ごしくださいませ☆彡