今日は、触れればモッチリとしていそうな、ボリューム感漂う雲が空を覆っている。
雲の隙間からのぞく淡い青空と西側奥に広がり始めた夕映えの空は、
夏とはまた違った趣がある。
出かけついでにペットショップに立ち寄ることがあるのだけれど、その日もふらり、立ち寄った。
商品の陳列棚の間を気が向くまま進み、猫と犬がいるスペースへ。
人の夕飯どきにはまだ早い時間帯だったけれど、
コロコロとした骨太の子犬や、ふわっふわの毛に覆われている子猫
彼らはひと足先に満腹の様子で、各々が無防備な姿で転がっていた。
まだ食べたりないのか凛々しい座り姿でこちらを見ていたのは、
ヨーロッパでは古くから羊や牛を追ったり守ったりと活躍してきた牧畜犬のコーギーだった。
海外暮らしをしていた時にお世話になっていた知人宅にもコーギーが居たのだけれど、
とても賢い犬種である上に、またその血筋からだろう。
あの体の大きさからは想像できないほどの運動量に驚かされたことがあった。
そのようなことを思い出しながら、目の前のコーギーとアイコンタクトを交わしていると、
スタッフの方が声をかけてくださった。
双子の子猫が居て、それぞれが背中合わせで眠ると、
体の模様がハート型になるのだけれど、まさに今その状態なので是非、とのこと。
そんなキュートな瞬間、見てみたい!
心がふわっと弾んだ私はそっと彼らが眠る場所へ移動した。
いいことが起きそうなハートを拝ませてもらい、その場を後にした。
双子と言えば、先に生まれた子がお兄さん、もしくはお姉さんと言われているけれど、
このような決まり事は明治に入ってからのことなのだそう。
先日、偶然目にした文書の中に『今日は双子の日です』という一文があった。
そのような日があったのかとしか思わなったのだけれども、
読み進めてみると、この決まりごとができる以前は、
お母さんのお腹の奥に居る子の方が先に着床したであろうという考えのもと、
先に生まれた子が弟、もしくは妹。後から生まれた子がお兄さん、もしくはお姉さんだったのだそう。
無事に生まれてきてくれればどちらでも良いと思うのだけれども、
環境や立場が人をつくると言われることもあるように、
生まれ順を伝えられ、そのように周りが接することで生まれる性質はどれくらいあるのだろうか。
そのようなことを頭の隅にチラつかせながら
双子の子猫が作るハートを思い返しながら自宅へと急いだある日。