デパ地下のスイーツゾーンを歩きながら視線を泳がせていると、
パステルカラーのマカロンが目にとまった。
心躍るのかと思いきや、私の脳内には力士や呼び出しの方の姿がぽわっと浮かんだ。
これほどまでに可愛らしいマカロンを前にして力士や呼び出しの方が思い浮かぶなんて、
あの映像は、私が思っている以上に私にとって衝撃度の高いものだったようだ。
いつだったか忘れてしまったのだけれども、そのときの私は手持ち無沙汰だったのか、
観たい番組があったわけではないのだけれどテレビをつけた。
画面には大相撲の表彰式が映し出され、
久しぶりに目にした表彰式では、優勝力士に次々と副賞が手渡されているところだった。
商品と、その贈られる量に軽く驚いたりもしながら見ていたときのことだった。
画面に写り込んできた呼び出しの方の手には、
彼の顔が余裕で隠れてしまうほど巨大なマカロンが握られていた。
巷ではそのマカロンをビッグマカロンと呼んでいるのだと後に知った。
※画像はお借りしています。
土俵の上には可愛らしい色をしたビッグマカロンが大切に扱われており、
呼び出しの方の顔は厳かな空気をまとっていうようにも見えた。
その映像が、しばらくの間、私を画面に釘付けにするに十分すぎるほど衝撃的だったものだから、
画面の向こう側で何が起きているのか分からず固まった。
何ごとだろうかと、調べてみると、このようなことが分かった。
このビッグマカロンは、優勝力士に贈られる「日仏友好杯」の副賞だった。
もとは、相撲好きで有名な当時のシラク大統領が
2000年にシラク杯という名で寄贈したのが始まりだという。
しかし、大統領の交代などが理由で一度は無くなったそうなのだけれども
2011年に日本で起きた東日本大震災や大相撲八百長問題などに対して
様々な意味合いを込めていただいたのだろう。-
在日フランス大使館が、フランスを代表するパティスリーの「ピエール・エルメ・パリ」に依頼し、
トロフィーからマカロンに副賞を改めたという。
そして、この依頼を受けた「ピエール・エルメ」サイドも
日本に明るい話題をという思いから土俵上でのビッグマカロンの贈呈を提案したというのだ。
もちろん、土俵上に登場するマカロンは食べられないため、
優勝力士には後日、特別なマカロンが届けられるとのこと。
お相撲好きだと言う方にとっては既に見慣れた光景かもしれないのですが、
まもなく3月場所が始まります。
もし、ビッグマカロンを見たことがないという方は、
お相撲だけでなく、表彰式の時に目にできるであろうビッグマカロンの衝撃もご堪能あれ。
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