テレビを点けると、あちらの局も、こちらの局も、
この時間も、あの時間もと、大関に昇進した高安関のニュースで賑わっておりました。
わたくし、子どもの頃から
「相撲よりも力士よりも行司さんを観ている方が楽しい」
「力士よりも行司さんのことを知りたい」
という子どもだったこともあり、
高安関に関しての前知識はほとんど持ち合わせていなかったのです。
しかし、これだけ見聞きしていると、
それなりに基礎知識が私の中の相撲ボックスにも充填されていくようでございました。
しかし、落ち着きのない私の思考は自分でも意外なところに着地するのです。
どうして、「大相撲」?「相撲」と「大相撲」って違うの?と。
「そのようなこと、どうでもいいじゃありませんか。
今は高安関の昇進こそがニュースですよ。」
そのようなお声も薄っすらと聞こえてきそうな気も致しますが、
ここは勝手ながら、時事ネタはマスコミの皆さんにお任せして、
大相撲の「大」って何かしら?
どうして「力士さん」ではなく「お相撲さん」と呼ぶのかしら?という、
暢気な視点で進めてまいりたいと思います。
自分で調べてみてもよかったのですが、
私の周りにはスポーツマニアが割と多いため、
まずは世の中の常識を探るべく尋ねてみることにしました。
すると、プロ(大相撲)なのかアマチュア(相撲)なのかの違いだと、
二つ返事で返ってくるではありませんか。
同じ返事が続く状況に、これは即答できるほどの世の中の常識なのかしら?と
妙な焦りを感じつつ、今度は自分でも真相を確かめてみることにしたのでございます。
確かめたことを、さっくりとまとめてみますと、
「相撲」というものは、腰にまわしをつけた者同士が1対1で勝負するスポーツを指し、
「大相撲」というものは、日本相撲協会が主催する「相撲」のプロ興行で、
入場料や給与、褒賞金といったお金が動くものを指しているのだそう。
大きなアマチュア大会名に「大相撲」という名が入っていないことから、
腑に落ちたところです。
そして次は、どうして私たちが力士と言わずにお相撲さんと言っているのか、ご存知でしょうか。
力士は古い書物、神話の中にも登場するのですが、
古より力士には邪気を払う力や、土地を守る力など、
神様からの御利益がある特別な存在でした。
このため、もともと相撲は神事とされ神前で行われ奉納されるものでした。
特別な存在であった力士を尊敬していた人々は、
親しみを込めて「お相撲さん」と呼ぶようになり、
この呼び方が今も受け継がれております。
競技であり、国技であり、神事である相撲ですので、
相撲そのものだけでなく、
力士としての品格、横綱としての品格などと言う言葉も飛び交います。
力士は、私たちが想像する以上のものを背負って土俵に上がっているのだと思うと
また少し違った見え方をするのではないでしょうか。
来月は大相撲7月場所が開催されます。
普段から相撲観戦している方も、していない方も、
縁起の良いお相撲さんの熱い一戦を観戦して邪気祓い、なんていかがでしょうか。
関連リンク:日本相撲協会公式サイト