バタバタと家を出て、バタバタと用事だけを済ませ、自分から出ている慌ただしい空気に9割がた呑み込まれ、足早に家路に着いた。
ふと、お店のガラスに映った自分が目に入る。
「あー、余裕なくしてるな」そんな声が自分から聞こえた気がした。
『急いては事を仕損じる』と言うし、近道はなく、目の前のことからひとつずつ向き合っていくしかないわけで。
自分をクールダウンさせるために、馴染みの花屋へ立ち寄った。
ビビットカラーのアネモネや表情豊かなチューリップが目に飛び込んできた。
だけれども、この日選んだ花は、小ぶりだけれども素敵な香りを放ってくれる黄色いフリージア。
白いフリージアとミックスして飾ると、爽やかで可愛くて素敵なのだけれど、この日は黄色いフリージアだけが入荷していた。
出来るだけ蕾がたくさんついているものを選んで包んでもらっていると、黄色いフリージアの花言葉は「無邪気」なのだと店員さんが教えてくれた。
自宅に戻りグラスに生けると、時折、フリージアの甘い香りが漂ってくる。
その度に、余裕をなくしかけている自分にハッとして深呼吸を繰り返す、と言ったら聞こえが少し良いように感じるけれど、実際のところは良い香りにハッとして良い香り欲しさに深呼吸を繰り返しているだけである。
結果、余裕をなくしかけている自分が幾分ましになると言えばよいのか、このような時、自然の力が与える影響は絶大だと感じる。
まさに、フラワーセラピー。
※フラワーセラピーのお話は、また改めまして。
自然の力と言えば、お塩もそう。
私たちが生きていく上で必要な栄養素というだけではなく、ありとあらゆる面で陰ながら私たちを支えてくれている。
湯船に入れれば新陳代謝があがり、デトックス効果があり、お肌がつるっと卵肌になり、歯磨き粉代わりに使うと歯茎を引き締めてくれたりもする。
そして、このお塩。茶渋撃退にも一役かってくれるのである。
食器用の漂白剤などを使えば、食器の茶渋などはスッキリキレイになるのだけれど、私は塩素系漂白剤を使うのが苦手だ。
中には食べ物からできた漂白剤などもあるけれど、何が入っているのだろうかと用心深くなってしまうのである。
その点、お塩はお塩以外の何ものでもなく、茶渋が出てきそうな湯飲みやマグカップ、
急須の口などに少し多めのお塩をパラパラと撒いて、スポンジでキュッキュと磨くだけできれいさっぱりだ。
すすぐ時も、お塩しか使っていないのだから、もし仮に。
これは仮にの話だけれど、丁寧に濯いだけれど濯ぎ残しがあった場合も、飲み物に溶けだしたところで、ノープロブレム。
家族に「塩味がする」なんて言われてたとしても笑い話で片付けられる。
私は、こういう一石何鳥にもなるお手軽さと安心感が大好きである。
まだ試したことがないかもという方や、お塩で茶渋落とししていなかったなという方、時間ができました折には、お塩でキュッキュと磨いてみてはいかがでしょうか。
人工的なものには、人工的なものの良さや便利さがありますけれど、自然の力も侮れないものです。
好きに選べるなんて、良い時代です。
フリージアの香りに癒されながら、そのようなことを思う夜。
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/