頭の中の考えが一向にまとまらなかったため、
数日後に予定していたヘアサロンの予約を急遽、前倒しした時のこと。
歩くと片道30分以上かかる場所にあるヘアサロンだったのだけれども
頭の中の整理もしたくて
テクテクと歩いて向かうことにしたのです。
考え事などがまとまらない時は歩くに限る、と感じている私は
普段は家の中をグルグルと歩き回ります。
思考に集中するがあまり、
うっかり部屋の入り口に肩をぶつけてしまったり、
家具やドアの角に足の指をぶつけてしまったりして、
「いたたたたっ」と静かな部屋で一人声を上げて
痛みと戦うこともしばしばなのだけれども。
それはさておき、
その日は歩いても考えがまとまらないままヘアサロンへ到着した。
まとまらない考えからは、しばしの間、潔く離れる事にして
心地の良い空間でヘアスタイルに関してのカウンセリングを受けていたのだけれど
スタイリストのある仕草が目につきました。
会話をしながらずっと、「合谷」の辺りを押し続けているのです。
「合谷」とは親指と人差し指の間にあるツボで、
以前、こちらでもご紹介させていただいたことがある万能ツボのひとつです。
お疲れ気味なのかな、と思って訪ねてみると
「違います、違います。」と全否定されました。
何でも、「合谷」は空腹時に
お腹が鳴るのを押さえてくれるツボでもあるらしいのです。
接客中にお腹が鳴ってしまうのが恥ずかしい時には、
こっそりと、このツボを押してお腹が鳴らないようにしているのだという。
この日もお腹が空いていて鳴ってしまいそうだったので
ギュウギュウと押していたのだとか。
「ね、まだ鳴っていないでしょ」と自慢げに言うスタイリストに
それだけでお腹の虫は大人しくなるのかなぁ~と、
ほんの少しばかり疑いの眼差しと言葉を向けつつ、
ヘアサロンでの楽しい時間を過ごしました。
その後、気になって調べてみると
確かに「合谷」を押すことは、
空腹時のお腹の虫をおとなしくさせる効果があるのだそう。
そして自分でも幾度か合谷をグーッと押して試してみたのだけれど、
今のところ、効いているのか偶然なのか、
お腹の虫をおとなしくさせる事が出来てい(るような気がし)ます。
お腹が鳴るという事は、
胃腸がしっかりと動いてくれている証拠です。
空腹時であればエネルギーを補給してという合図であったり、
食後であれば胃腸がしっかり働いていますよという合図。
だから気にすることはないのだと分かってはいるものの、
しーんと静まり返った電車やバスの内や
様々な待合室や会議室、大切な方との真剣な会話中など、
ちょっと気にしてしますよね。
それに、どういう訳か、お腹が鳴ってほしくない時であればあるほど、
なぜか鳴ろうとするのもお腹の虫です。
そのような時には、どのような状態でも対処することができる
『合谷押し』をお試しあれ。
ツボは一か所で何役もの仕事を担ってくれるのだな、
と改めて感じた出来事でした。
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