考え事をしながら、詰め替え用の液体漂白剤をボトルに移し替えていたときのこと。
まるで、上の空である手元に注意を促すことを求めるかのように、
ボトルの底がつるりと滑り、行き先口を失った液体漂白剤がパックの口から排水溝へと流れていった。
もっと注ぎやすい作りのものは無いのだろうかと自分の不注意を棚に上げ、
八つ当たりに近い責任転嫁をしつつ、液体漂白剤が飛び散った先を確認しながら、
拭き取ったり流したりと、増えた、要らぬ作業を淡々と片付けた。
正規量と比べると随分と少ない量になってしまったけれど、
ボトルへの詰め替えを無事に終わらせ、ぬるつく手を丁寧に水で洗った。
この、地味にテンションが下がる「ぬるつく手」が今回のお話コードでございます。
ご興味ありましたら、お好きなお飲み物片手に覘いていってくださいませ。
この、塩素系の液体漂白剤が付着した部分の皮膚がぬるつく原因は、
漂白剤がアルカリ性の液体だからです。
何かしらの成分が溶けた状態の液体の性質を区別するときに、
酸性、中性、アルカリ性という言葉が使われます。
この性質を伝える際に、「酸性が強い」とか「アルカリ性が強い」といった表現をしますが、
これを数値で表すときにpH(ペーハー/ピーエイチ)という単位が使われます。
女性は、コスメやスキンケア商品の説明などで目にする機会がある、あのpH(ペーハー/ピーエイチ)です。
私たちの肌は、このpHが4.5から6くらいの弱酸性です。
限りなく中性に近い酸性といことです。
※図にすると『酸性←←←(肌)←中性→→→→→アルカリ性』このようなイメージです。
あまりにもかけ離れた性質の液体に触れますと、
液体漂白剤に触れた場合は「ヌメリ」ですが、このような違和感が肌に表れます。
アルカリ性はタンパク質を溶かす性質があるのですが、
塩素系の液体漂白剤などに直接触れてしまった際に表れるこの「ヌメリ」は、
アルカリ性である液体漂白剤がタンパク質である皮膚の表面を溶かし、
溶けたものがヌメリとなって付着していることが原因です。
ヌメリが落ちたときには、これまで保護していたはずの表皮が取り除かれた状態となり、
肌が剥きだしになるので、その部分が潤いを保てずに、乾燥、肌荒れを引き起こします。
毎回、手袋を着用して作業をすすめれば、私のような失態は防ぐことができますが、
このくらい構わないと素手で手早く作業してしまう女性も多いかと思います。
このような時には、アルカリ性に大きく傾いた肌表面のpH(ペーハー/ピーエイチ)を中和させ、
素早く本来の弱酸性に戻し、肌の表面が溶けていくのを防ぐと良いのです。
自宅にある、お酢やレモン果汁、クエン酸など酸性のものを手に付けて水洗いすれば、
あっという間にヌメリとニオイを取り除くことができます。
この後は、通常どおり石鹸で軽く洗い、ハンドクリームなどでケアしておけばOKです。
お酢などを使うと一瞬ですが、水だけで済ませたいという場合は、
しっかりと漂白剤とヌメリが取れるまで水で洗うことがポイントです。
なかなかヌメリが取れない状態というのは、洗う時間が足りず、
漂白剤が落ちきれていなくて肌表面が溶け続けているか、
溶けた皮膚が付着したままの状態ということです。
時間をかけてしっかりと取り除き、ハンドクリームなどで肌をケアしましょう。
カラダもココロも、極端に偏り過ぎず、いい塩梅でまいりましょ。
何かしらのヒントにしていただけたら幸いです。
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