最近、小腹が空いてしまった時のレスキューフードとして手が伸びるのは、
甘栗と殻付きアーモンド、そして時々はまってしまうマンダリンのドライフルーツ。
全て特別な味付け加工はされてい素朴なお味なのだけれど、
和、洋、中、どの飲み物と合わせてもホッと一息つける上に腹持ちもよく、
体にも良いなんて言うことなしじゃないか、
と一人、仕事の合間にニヤニヤしながら摘まんでいる。
この日は甘栗をダークブラウンとベージュのカラーコントラストが気に入っている器に入れ、
自分のテンションを上げつつ、
秋の雰囲気を視界の端に捉えながら作業をしていた。
そう、「栗」と言えば、
日本人の多くは、「栗」のことを英語で「マロン」だ思っていることが多いのです。
え?違うの?
と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これだけ「マロン」という言葉が定着している上に
無意識のうちにカタカナ表記=英語と思ってしまう日本の環境では仕方がないようにも感じます。
私も知人から、「どうして日本人は栗をマロンと言うの?」と、
疑問を投げかけられるまでマロン=栗だと思っておりました。
正確には英語で「栗」は「チェスナット」と言います。
英語には栗色を表す「maroon」、
フランス語には茶色を表す「marro」という単語がありますが、
どちらも栗ではなく色を表す単語なのです。
その時に知ったことなのですが、マロンとはマロニエの実のことなのだそうです。
マロニエの実は、日本では栃の木の実として知られています。
そしてフランスで作られる本来のマロングラッセは、
マロニエ(栃の木)の実を使って作られており、
マロニエ(栃の木)の実が持つ苦みを和らげるために甘いグラッセに仕上げられていたのだとか。
この甘いマロングラッセが日本に伝わってきたとき、
日本には栃の木が少なかったのか、
次第に栃の実ではなく栗を使ってマロングラッセを作るようになり、いつしか定着したようです。
更には、マロン(栃の実)と栗が混同されて呼ばれる様になりました。
異なる食材を使っているのに混同なんてしてしまうのかしら?と
少々意地悪なことを思った私は、当時、栃の実というものを調べたのですが、
これが私たちの知る栗によく似ていたのです。
これが栃の実の画像です。
このような事から、
日本では栗=マロンというイメージになってしまったようですね。
そのような事を思いながら、甘栗をひと粒、口の中へ運んだ。
通じないわけではないのだし、
チェスナットよりもマロンの方がどこか優しくまろやかな印象もある。
きっと、日本ではこれからもマロンと呼んでいくのでしょう。
私も日常のあらゆる場面でマロンと呼ぶのでしょう。
だけれども、自分の本当の名前を呼んでもらえないというのも当人にしてみれば複雑なもの。
たまには、チェスナットと思い出してあげてみてはいかがでしょうか。
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