お正月商品も随分と店頭に並んできましたね。
皆さんのご自宅ではお正月の準備を始められていますか?
私は、普段のお掃除を少し念入りにするようになってはいるものの、その他の本格的な準備の部分は手付かずのままで、姿なき「焦り」ににじり寄られている気分でございます。
先日は「元日に冷蔵庫を開けたら空っぽ」という夢を見てしまい、自分の焦りに苦笑しました。
お正月の準備と言えば、お節料理もその一つですが、このお節料理が始まったのは弥生時代なのだとか。
私は、日本に在るこのような習慣の多くは平安時代辺りに伝わっている印象があっため、この事実を知ったときには、随分と早くからお節の習慣があったのだなと思ったことを覚えています。
今では在って当たり前の暦は、弥生時代辺りに中国から日本に伝わりました。
先人たちは暦で月日を感じながら生活する中で、季節の変わり目には自分たちが受けた様々な恵みに対して神様に感謝するために、季節の収穫物を使ってお料理を作り、お供えしておりました。
このお料理がお節のもとだと言われています。
季節の変わり目は幾度もありますから、その都度、現在のお節料理のもとになったスタイルでお祝いしていたのでしょうね。
この習慣が大きく変化したのは江戸時代です。
以前、こちらでもお話させていただいたのですが、江戸幕府が数ある節句の中から5つを選び公式な式日としました。
この5つを「五節句(ごせっく)」と呼びます。
1月7日の七草、3月3日の桃の節句、5月5日の端午の節句、7月7日の七夕祭り、
9月9日の重陽(ちょうよう)の節句がこれにあたります。
節句の度に同じお料理を作るのではなく、時代の流れと共に口にするものにも変改が起き、それぞれの節句の特徴が活かされる式日となったようです。
そして、このような変化の中で、お節のもとになっているお料理は、1年間にある節句の中から最も重要で、おめでたいとされるお正月料理として、現代の私たちにまで受け継がれております。
節句の度にお節料理を準備するのは流石に大変だから、お節料理は年に一度くらいがいい塩梅だと感じる私は、やはり現代人の感覚ということなのかもしれません。
皆さんの好きなお節料理の一品は何でしょうか?
私は栗の甘露煮や栗きんとんが好きなのですが、栗きんとんは何ごとにも勝つと言われ武士に好まれた一品のようですね。
どうして栗が勝ちに繋がるのか?
古の時代は栗の実を臼の中で搗いて(ついて)殻を取り除いていたようなのです。
この「搗く」という意味の言葉は古い言葉で「かつ」と言われていたようで、音の響きが勝つに通じるということで勝ち栗、搗ち栗という言葉が生まれ、勝負運を運んできてくれる一品として扱われるようになったようです。
もうひとつよく耳にするのは金運を運んできてくれるというもの。
栗は縁起が良く、どこでも手に入りました。
この栗と貴重なお砂糖をたっぷりと使ってつくる栗きんとんは、今とは違いとても贅沢なお料理でした。
豊かな生活、金運を運んできてくれますようにっという願いを込めて、このような贅沢なお料理を皆で口にしたことが始まりです。
この時期は、様々なところでお節料理に関する由来などを知る機会があるかと思います。
全部をおさらいするのは大変ですけれど、ご自分の好きな一品の由来を改めて知ってみると、お正月のお料理が普段よりも少しだけ味わい深く感じられるのではないでしょうか。
ワタクシ、今年は久しぶりに自分好みの栗きんとんを作ろうかしら、という気分になってはいるのですが、どうなることやら。
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