幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ひと呼吸ほどの時間で、あなたは何をしますか。

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まだ昼間は暑いけれど、優しい秋の匂いが心地よくて、思わずスーッと息を吸い込んだ。

すると、何処からともなく金木犀の香りがフワリ、鼻を擽った。

もう金木犀?今年もまた同じことを思った。

きっと来年の今頃も、移り行く季節の中で、同じようなことを思い噛みしめるのだろう。

そう思い噛みしめられる日々であって欲しいという小さな願いを、その香りに託してみたりして。

 

外出案件を片付けた後、

小さなショップを数件、はしごしながら自宅へ向かっていた。

この間、外を歩けば、車や自転車との間で道を譲り合い、

ショップ内では、レジに並ぶ順番を譲り合い、という出来事が3度ほど続いた。

このようなシチュエーションの時、

タイミングが合わなかっただけだと言ってしまえば、それまでのことなのだけれども、

相手と目線が合わないことも少なくない。

目線が合わなくても会釈だけで通じることも多く、

そのような素振りを視界の端で捉えあうだけで十分ということもあり、

知らない者同士、目線が合わなかったからと言って嫌な印象を抱くことはないのだと思う。

だからだろうか。

この日3度ほど続いた出来事の中で、しっかりと目線が合い、

お互いの表情を確かめあえた状況が妙に印象深く、私の記憶に刻まれていた。

関わったお三方が皆さん素敵な笑顔の女性で、

ほんの数秒間のことだったけれど、

自分と関わった人を和ませるには十分な時間なのだと感じた。

 

慌ただしく通り過ぎていく時間の中に身を置いていると、

無意識に、ほんの数秒を惜しんでしまうこともある。

惜しんだ時間が何を生み出したかどうかは人それぞれだけれども、

ひと呼吸ほどの時間で出来ることは自分が思う以上にたくさんあるのだと思う。

大切な人の目を見て微笑む、とか。

ギュッとハグする、とか。

レジでお会計を済ませたらニコッと微笑んでみる、とか。

「おつかれさま」と、しっかり目を見て伝えてみる、とか。

「ごめんなさい」と、言葉だけではなく、しっかりと目でも伝えてみる、とか。

ひと呼吸ほどの時間で、あなたは何をしますか。

今日も、ここへ足を運んでくださった方の1日が穏やかでありますように☆彡

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艶やかに酔う酔芙蓉(すいふよう)。

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酔芙蓉(すいふよう)という名の花を知ったのは4、5年ほど前だったように思う。

確か、ミステリー小説の中に登場した花だった。

妖艶で上品でとても不思議な酔芙蓉(すいふよう)の姿がリアルに描写してあったため、

実在する植物なのだろうか、とネットや花図鑑を覗いた。

芙蓉(ふよう)とは、もともと中国で蓮の花を指す言葉なのだそう。

そして、中国では、木に咲く蓮のことを木芙蓉(もくふよう)、

水の中で育ち、咲く蓮のことは水芙蓉(すいふよう)と呼び分けていることを知った。

私たちには蓮の花を、このように呼び分ける習慣はないため、

芙蓉(ふよう)と呼ぶものは木芙蓉(ふよう)に分類される植物を指し、

古くは、平安の頃より人々に愛されてきたという。

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今回のお話の主役である酔芙蓉(すいふよう)は、

晩夏から秋、10月頃までが見頃で、早朝に開花し夜には萎んでしまう1日花。

まずは早朝、ふんわりとした花びらが幾重にも重なった清楚な純白の花が咲き、

この花びらが、時間の経過と共に淡い紅色に変わり、

更には濃い紅色になり、萎んでいく。

この、色が移り行く様が、お酒に酔って頬を赤く染めていくように見えたことから、

酔芙蓉(すいふよう)と名づけられたのだとか。

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淑やかな印象の酔芙蓉の花は、古より美しい女性にも例えられ、

楊貴妃がお酒に酔った姿だと言われることもある。

花言葉も「淑やかな恋人」、「繊細の美」とあり、

平安の頃より愛されてきたことにも頷くことができた。

また、時間が経つにつれて花色が変化していく花の特徴から

「心変わり」という花言葉もあるのだけれど、

この、一筋縄ではいかぬ辺りも、美しい女性を想像させるようにも思うのだ。

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私がこの酔芙蓉(すいふよう)という花を知ったとき、

季節は真冬だったため、実物を見ることができないことをもどかしく感じながら、

いつの間にか酔芙蓉(すいふよう)の存在を忘れたまま、数年が経過していた。

それが先日、偶然にも酔芙蓉(すいふよう)を目にしたのだ。

朝、何気なく目にした純白の花の美しさに一瞬ではあったけれどハッとさせられた。

夕方、同じ場所を通った際に、

今朝、目にした純白の花がきれいだったことを思い出し、

その辺りに視線を向けると、その花は濃い紅色に変化しており、

近くには、少し紫がかった姿で萎んでいる花があった。

その花の姿が、脳内の記憶ボックスのどこかに入れておいた酔芙蓉(すいふよう)の記憶を

一斉に引っ張り出した。

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酔芙蓉(すいふよう)が紅色に色付いていくのは、

紫外線によるダメージを和らげようと、

ブルーベリーなどの成分でもお馴染みのアントシアニンという色素を出し、

活性酸素を消し去ろうとしているという。

何らかの影響で太陽が当たっていない部分は色付かずに純白のまま、

曇り空で太陽の光を十分に浴びることができなかった日や雨の日は、

思うように酔うことができず花は純白のままなのだ。

そのような話を思い出し、太陽が当たらなかった花はあるかしら。

ざっと辺りを見回すと紅色の部分と純白の部分が半々の酔芙蓉(すいふよう)を見つけた。

これはこれで、神秘的な美しさだと、見惚れた。

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数年かけて、ようやく、会ってみたかった存在に会うことができた。

大人になってからの「はじめて」の経験は、

自分から求めていかないと向こうからはやってきてくれないこともある。

そして、どんなに小さな種だったとしても撒いておいた種は、いつかは叶う。

そのようなことを感じた私の最近の「はじめて」のひとつは、こうして訪れた。

太陽の光に時間をかけて酔っていく酔芙蓉(すいふよう)、10月頃までが見頃です。

機会がありましたら、目と心の保養にいかがでしょうか。

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あなたが出会う月の表情は、あなただけのもの。

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まだ、暑さまっしぐらだったころ。

駐車場に停めてあった車のドアに手をかけた。

「あっつ!」思わず発した声と引っ込めた手、どちらが早かっただろうか。

既に姿が見えなくなった太陽の置き土産は、なんて情熱的なのだろう。

そんなことを思いながら、目には見えない熱をブラブラと手を振って払った。

ドアを開け、車内に乗り込もうとした時、

ちょうどビルとビルの間から、それはそれは大きくて赤く染まった月が昇り始めていた。

その赤く染まった月が妖艶で魅惑的だったものだから、

「早く、乗って」

その声を聞くまで、私は、しばらく車に乗り込むことを忘れて見入ってしまった。

時々、あるのだ。

息をのむほどの表情(かお)をした月との出会い。

月も人と同じで、様々な顔を持っている。

その表情の奥にあるものを全て理解することはできなくて当たり前なのだけれども、

その表情の奥を少しだけでも理解することができたなら、

共有することができたなら、

分かり合えた瞬間がひとつ、またひとつ、と増えたなら、

それって、ちょっと幸せじゃないか。そんな風に思う。

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自宅に戻るとすぐにベランダに出てスマートフォンを魅惑的な彼女に向けた。

何度シャッターを切っても、簡単にはその姿を収めさせてはもらえず、

私は、自分の目に焼き付けることにした。

離れた場所に住む友人にも、この魅惑的な月を届けたくて、

一部始終を文字に起こし、ピンボケした画像を添えて届けた。

すると、月への愛が、魅惑的な月に見せているのだと意味深な言葉が返ってきた。

 

友人の言葉の意味を簡単に説明するとこうだ。

大きく見えた月に感動してシャッターを切ってみたけれど、

カメラのレンズ越しに撮った月は、びっくりするほど小さく写ることがある。

これは、錯覚による現象のひとつで「ポンゾ錯視」、「天体錯視」などと言われ、

様々なもの、例えば建物や自分の視線などのそれらが少しずつ影響しあい、

どういう訳だか、実際の目には、月が大きく映るのだという。

特に、この現象が起こりやすいのは月の昇りはじめ。

私が車に乗り込む前に見た月が大きく見えたのは、

このような条件が揃ってできた私の錯覚なのだそう。

 

あまりにも的確に説明され、「ロマンがない奴め!」と思っていると、

「柊希、カメラのレンズを通した大きさの方が正確な月の姿だよ」と続いた。

頼りになる友人ではあるのだけれど、

時々こうして、私のロマンと月への恋心をぶち壊し、良くも悪くも心をかき乱してくれるのだ。

そのような友人の性格を「面白い奴め!」と楽しんでもいるのだけれど。

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見ている月が特に大きく感じた時は、脳が錯覚を引き起こしているようです。

次の満月は中秋の名月の後、10月6日です。

あなたが出会う月の表情は、あなただけのもの。

月との関係性は、あなた次第。

現実を追求するもよし、わぁ、なんて大きな月なの!と感激しまくるもよし。

素敵な出会いを楽しんでみてくださいませ。

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帰ってきた赤とんぼが知らせる秋。

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作業を終え、飲み物を手にベランダのガーデンテーブルへ移動した。

椅子に腰かけて、ガチガチに凝り固まった体を少しずつ伸ばした。

吸い込んだ秋の匂いは、少しだけ乾いた草木の香りがした。

あ、日焼け止め……。

うっかり塗り忘れている箇所に気が付いてしまったけれど、

日光浴、日光浴。

光合成、光合成。

増えろ、私の体内のビタミンDよ。

そうココロの中で、呪文のように呟いて飲み物を口に入れた。

ただただ、ぼーっと空を仰ぐ時間は、

全身の毛穴が開いて一斉に呼吸をし出すようにも感じられて

こうした体へのご褒美も大切だと感じた。

 

自分のことを労わることが苦手な女性は多いように思う。

周りを思う気持ちと責任感が前面に出てしまったり、

甘える自分に罪悪感を抱いてしまったり。

ちょっとした自信のなさが、もっと頑張らなくちゃと自分自身を追い込んでしまっていたり。

そのような状態になった時には、

自分と自分の体を少しだけ切り離して考えてみてはどうだろう。

あー、私の細胞が喜ぶことをしてあげようかな。

私の肩が、もうダメだ……って悲鳴をあけているからレスキューしてあげよう。

私のカラダが甘いものをおねだりしてる。しょうがないなぁ、今夜は特別ね。

こんな具合に。

 

そのようなことに思いを巡らせていると赤とんぼがテーブルの端にとまった。

本当に夕焼け色の体をしているのだなと、

夕焼けが凝縮されたようなこっくりとした深みのある鮮やかな朱色に目を奪われた。

そして、向こう側が見えるほどに透き通った羽の美しさといったら、もう。

昆虫は苦手なのだけれど、気付けば息をひそめて観察している自分に驚いてしまった。

赤とんぼと言えば秋の虫だと思われていることが多いのだけれども、

本来は、梅雨が明けた頃から既に飛び回っている。

ただ、暑さに弱いこともあり、夏の暑い時期は避暑地を求めて移動し、

高原などの快適な地で過ごしているという。

街中から高原までの移動距離を想像すると

体力は大丈夫?と他人事ながら心配してしまうけれど、

あの透き通った羽は見た目以上にパワフルなのだとか。

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日常の中で赤とんぼの姿を目にするようになったなら、秋、真っ只中。

そう思ったとき、

まだ何も秋らしいことはしていない……食欲の秋を除いて。と気付いてしまったのだ。

私の秋は、少々慌ただしい時間になりそうな気配なのだけれど、

自分のことも大切な人のことも労わりながら、

旬の味覚以外の秋も欲張って味わっていこうと思う、ある秋の日。

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「足組み」から人の心理をちらり、覗き見。

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初めて入ったカフェでお茶をしながら店内をぐるりと見渡して、ふと思う。

私が想像している以上に足を組んで座る方の割合は高いものなのだなと。

幸せのレシピ集内では、お腹周りの引き締めや,

体のバランスを整えることへの妨げ行為のひとつとして

「足を組む」ということに触れたことがあります。

ビューティーケアやヘルスケアと足を組むという行為との関係には、

まだまだ興味深いものがありますが、

今回は、「足組み」から「人の心理」をちらり覗いてみませんか。

ご興味ありましたら、お好きなお飲み物片手に、お付き合い下さいませ。

 

整体やマッサージなどに行かれる方は体の歪みについて、

お話を聞いたことがあるかと思いますが、

私たちの体は左右対称ではなく、どちらかに傾いています。

人は、この傾きを不安定に感じ、不安を抱いてしまうため、

無意識に不安の原因である不安定さを回避するために足を組み、

体全体のバランスを取ることで、安心したいという心理が働いています。

また、足を組む時には椅子に座っていることが多いかと思うのですが、

仮に体が左右対称に限りなく近く体のバランスが取れていたとしても、

椅子に座っているときというのは、両足ともに地面に着地してはいるものの、

踏ん張りが効かないため、人は無意識下で、この状況を不安定だと感じます。

この不安定さを回避し、気持ちを落ち着かせたいと感じる人は、

無意識に足を組み、体重を片方へかけることで体を安定させて、

安心感も得ているという見方があります。

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と同時に、どのような状態で足を組んでいるか、

という視点から「足組み」を見た時に分かることがあります。

足を組む際に軽く組む場合と、ぎゅっと力を入れた状態で組んでいる場合があります。

軽く組んでいる場合には、相手に対して安心しており

体のバランスを取って安心したいという心理と、

状況に対して安心しているという心理が混ざり合っていることを読み取ることができます。

一方、ぎゅっと力を入れた状態で足を強く組んでいる場合は、

体のバランスを取って安心したいという心理と、

相手に対して防衛心が表れていることがあります。

 

この辺りをベースにして、更に細かくみていきますと、

何度も足を組み直している場合には、

その状況に対して不安感やストレスを感じていたり、

感情が高ぶっている表れだとも言われておりますので、

場合によっては、話題や場所を変えるなど、

その場の空気を変えることが功を奏すこともあります。

他には、太ももを重ねる足組みではなく、

足首を交差させるようなスタイルで足を組む方もいらっしゃいますね。

このような癖があるかたは、ロマンチストであったり、子供らしさを秘めていたり、

独自の世界観を持っている傾向にあるのだとか。

 

今回、ご紹介した「足の組み方」から見る「人の心理」は、ほんの一部分ですが、

その時々の足の組み方や、足の組み方の癖を見てみますと、

感情や性質の一部が表れていることがあります。

私たちの体は、私たちが知っている以上に、

様々なサインを日々、解き放っているようですね。

たかが足組み、されど足組み。でございます。

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進化しているお守り、ポップでキュートなOMAMOとは。

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 可愛いでしょ。

そう言って送られてきた画像に写っていたのは、

ポップでキュートな色合いの古典柄が組み合わされた可愛らしいお守り。

初めは匂い袋かなにかかと思った。

だけれども、それがお守りだと知り、お守りも進化していることを知った。

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進化は、お守りの色やデザインだけではなかった。

このお守り、名を「OMAMO」と言うそうなのだけれども、

一人一人のお願いごとに合ったオリジナルのお守りをインターネットで注文する仕組みだという。お守りをインターネットで注文?と、友人の文面につい首を傾げてしまったけれど、

東京にある「池上實相寺(いけがみじっそうじ)」の副住職の酒井さんが、

依頼人(注文者)の願いに合わせた古典柄を組み合わせ、祈祷を行って初めて、

お守りとして完成するのだそう。

幸せのレシピ集内でも時々、

古典柄が持っている意味やストーリーに触れることがありますが、

「OMAMO」に使用できる柄は30種類以上あり、

この柄の意味を上手く組み合わせることで、

様々なお願いごとに対応できるようになるとのこと。

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例えば、海の波をモチーフにした青海波という柄がありますが、

波が繰り返す様子を表したこの柄には、

良いことが続く、繰り返されるという意味が含まれている縁起の良い柄です。

そして、金魚には金運が上がるという意味が含まれています。

この2つの柄を組み合わせると、

「ずっとお金に困らないように」というお願いに対応するお守りが出来上がります。

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「池上實相寺(いけがみじっそうじ)」のサイトにある動画では、

小さな子が「オネショをなおしたい」と副住職の酒井さんに悩みを打ち明けています。

酒井さんは、流水と檜の垣を組み合わせることで、

流水を檜垣でせき止める=オネショ防止のお守りを作るのだそう。

お守りと言えば、お願いごとの内容は決まっているものだったけれど、

時代が代わり、お願いごとの内容も多様化している世の中を見て、

人々が抱く、様々な悩みやお願いごとに少しでも応えられたならという

酒井さんの想いから生まれたお守りが「OTOMO」です。

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もちろん、お守りを持っただけで、願っただけで、

そのお願いごとが叶うというわけではないでしょうけれど、

ポップでキュートなお守りが、頑張る背中を押してくれたり、寄り添ってくれたりすることで、

自分の中で眠っている力が湧いてくるのかもしれませんね。

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ドローンと、イチゴと、てんとう虫と。

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天日干しをしていたお布団を取り込もうとベランダへ出た。

ここで以前、「天日干し後のお布団の香り」への複雑な思いを解き放ってから、

もう、お日様の匂いに簡単に浮かれることはないのかもしれない、と思っていた。

だけれども、あのふっくらとしたお布団に体を預ける瞬間に香る、お日様の匂い(と思いたい)に、

私の身体は心地よさを感じずにはいられないようだ。

お楽しみに胸を躍らせながらお布団へ手を伸ばすと、

目の前を、真っ赤なボディーに黒の水玉がキュートなてんとう虫が横断中だった。

秋とは言え、まだ冬眠するには早いこともあり、散策でもしていたのだろう。

お布団の端に辿り着いたキュートなお客様は、

丸っこいボディーから羽を出し、夕焼け空へ飛び立った。

 

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その飛び立った姿を見て思い出したことがある。

てんとう虫と言えば、農作物を荒らす害虫を片っ端から食べてくれることでも有名だけれども、

デンマークにある大学が実験のために、

ドローンを使って大量のてんとう虫をイチゴ畑に解き放ったというニュースがあった。

実験というのはオーガニック作物の栽培にかかるコストや手間暇に関するもの。

オーガニックフルーツや野菜の栽培には、手間暇や人件費もかかるため、

リーズナブルなお値段で店頭に並ぶことが少ないけれど、

より安全で、より安心して口にできるものを求める消費者は増えている。

それならば、農薬を使わないオーガニック作物の栽培に、

てんとう虫が農作物を荒らす害虫を食べる性質を使ったら、どのようなことになるのか。

これを、小さな畑で実験し始めたという話だったように記憶している。

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人間たちに一方的に頼りにされ、ミッションを背負わされたてんとう虫たちが、

ドローンから畑を目がけて次から次に舞い降りてくる光景は、

ディズニーアニメの世界のようにも思えて、ワクワクした。

専門家が行っているプロジェクトなのだから、当然、様々な状況を想定していると思うけれど、

仮に多くの生産者たちがてんとう虫の力を借りたとして、

生態系に影響は出ないのか、てんとう虫はてんとう虫の一生を全うできるのか気になるところだ。

オーガニックの美味しいイチゴがリーズナブルに食べられる日が来たときには、

その背景に、てんとう虫たちの働きがあったのか、なかったのか。

ドローンの活躍はあったのか、なかったのか。

あなたの目で覗いてみてはいかがでしょうか。

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パスポートは誰のものかしら?

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2週間程前に、しばらく紙の処分はしなくて済むと思ったはずなのに、

ちょっと気を抜いた隙に溜まる紙類。

その日は、不要になった紙類を集めるため、

大きなビニール袋を引きずりながら、ひと部屋ずつ巡回していた。

ひと通り集め終わり、何の気まぐれだったのだろうか。

私は、頻繁に覗く必要がない引き出しを開け、

しばらく目を通していなかったファイルを引っ張り出すと、ペラペラと捲り始めていた。

それは、今やる必要がありますか?

どこからか、そのような声が聞こえてきそうな気がしたけれど、

ファイルの中にあった不要な紙を引き抜き、ビニール袋の中に放り込んだ。

随分と軽くなったファイルにニンマリしていると古いパスポートが出てきた。

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ご存知だろうか。

パスポートは国の公文書なので個人の所有物ではなく、国の所有物だということを。

だから、期限が切れて使うことができなくなったからといって、

その後、どのように扱っても良いという訳ではないのだ。

パスポートの更新手続きを終えて、期限が切れたパスポートに無効印が押され、

穴があけられたものに限り、個人で処分するなり、パスポートセンターで処分してもらうなり、

記念として大切に保管するなどしても良いとされている。

自分のものではないのだから持ち主に返す責任、

というよりは、持ち主に義務があるということだ。

一度、パスポートの更新手続きをうっかり忘れていたことがあり、

慌ててパスポートセンターへ駆け込んだことがあるのだけれど、

その時に、とても親切なスタッフの方が、そのように教えてくださったのだ。

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小まめに更新する手間を省くために10年用を作ればよいのだろうけれど、

良くも悪くも写真を気にして、つい5年ものにしてしまうのは女心というものだろうか。

証明写真というものは、どうすれば、あんなにも凹むような仕上がりになるのだろうか。

一度、笑みを浮かべたようにも見える写真をパスポートセンターに持参したことがある。

決して微笑んだ写真ではなかったのだけれども、

「笑っていないものを」と、取り直しの下命を受け、

全てを諦めたような、残念感漂う顔写真を差し出すこととなった。

あれからパスポート写真を撮るときには、笑って見えないようにという意識が働くのか、

妙にぎこちない写真しか撮れていないように思う。

次こそは、そこそこ納得できるくらいの写真を使いたいものだ。

話しが随分と逸れてしまいましたが、

ご自宅にあるパスポートを扱われる際には、ちらり、思い出していただけましたら幸いです。

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自分の少し先の未来をクリエイトするきっかけに「バレットジャーナル」いかがでしょうか。

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気が早いのだけれども、私は9月末辺りから翌年の手帳の準備に入る。

友人たちに話すと、まだ手帳が出揃っていないでしょと笑われるけれど、

私が愛用しているのはシステム手帳なので、出揃うタイミングを待つ必要がない。

愛用している数種類のレフィルを買い込み、

空いた時間に好きな飲み物と音楽を楽しみながら

自分仕様にページを組み替えたり、付け足したりといったカスタマイズを施し、

使い始めの準備を少しずつ進めるのだ。

その間、今年をどう締めくくろうかとか、来年はどのような年にしようかとか、

そう言えば、あの子に連絡をしなくちゃとか、

手帳の中に、こういうページを作っておこうかしらとか、

あ、こんなこと閃いちゃった、と、様々なことに想いを巡らせる、自由なワタシジカンだ。

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本日のタイトルにあるバレットジャーナル(Bullet Journal)というのは、

自分好みの、自分の為の手帳を作る術や、そのようなことができる手帳のこと。

もっと簡単に言うならば、

1冊のノートを自分だけのオリジナル手帳に作り変えてしまうこと、

と言えばイメージしやすいでしょうか。

ここ数年、海外でも人気があることから

日本にもバレットジャーナルという言葉が定着しつつあり、

SNS上でも国内外を問わず、素敵なバレットジャーナルを披露している方も多くみかけます。

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カレンダーの形も、サイズも、スペースも、使うアイコンも全て自由。

既製品の手帳には、不要な欄やスペースがあり、使い難いと感じていた方は、

その部分を省いたようなものを作ればよく、

ひと月使って使い勝手が悪かったならば、

翌月は、より自分好みに作り変えればいいという自由度の高い手帳術。

メモスペースが大量に必要な時も、それ程使わない時も、

ページやスペースが無駄にならない点や、

こういうページがあれば便利だという閃きを直ぐに形にできる点も

人気のひとつかもしれない。

予めスペースが決められていると、その項目を埋めなくてはという意識が働き、

手帳に苦手意識を感じてしまう人も

バレットジャーナルであれば気負わずに使えるため、はまる人も多い。

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私は、自分の癖として無地の余白ページが大量に必要になり、

記したものをファイルなどへ移動させることなども多いため、

ノートではなくシステム手帳を使用している。

さらに、カレンダーを真っ新なノートに毎月書き込むことが面倒で、

日付だけでなく、その他の細かな情報も欲しいため、

年間カレンダーや月間カレンダー、週間カレンダーなどは

既存のもののなから自分の用途にあったものを使用し、

それを組み替えたり、手を加えることで、今の自分に必要な手帳のベースを作っている。

私の手帳術には、ズボラさがチラ見えしているけれど、

これも、お手軽バレットジャーナルと呼んでもいいのではないかしら、と思っている。

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手帳機能だけでなく、自分の目標や嬉しかったこと、気になったことなどを書き記しておくと、

自然と頭の中が整理され、自分のことも知ることができ、

自分が向かいたい少し先の未来が自ずと見えてくるような気もしている。

初めは、既に自分流を見つけている人のバレットジャーナルを見て、

気後れしてしまうこともあるかもしれないけれど、

一番大切なのは、今の自分にとって必要なものを、自分が使いやすいように使うこと。

月間カレンダーと、1週間分のやる事リストだけでも問題ないということです。

余裕ができてきたら、1週間のうちにしたい事や小さな目標を書いてみるのも良いですし、家計簿を付けている方は家計簿ページをセットにしてもいいですし、

自分にとっての、あったらいいなページを増やすのも楽しいでしょうね。

日々に追われるのではなく、日々を作るきっかけに、

自分の少し先の未来をクリエイトするきっかけに、

バレットジャーナル、いかがでしょうか。

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人生のお手本は、自分の身近なところにも沢山転がっている。

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そこは、園芸風の色が強く、カフェの横に並んでいるような、

おしゃれな店構えではないのだけれど、お花や植木の鮮度が抜群の人気店だ。

ご年配の方が、お散歩がてら花を買いにくることもあり、

いつでも自由に休憩できるようにと、

店内の中央には、誰でも腰かけることができるベンチが置いてある。

そこに、1人の女性が腰かけ、店内に置いてある色とりどりの花や観葉植物を眺めていらした。

私は、我が家に迎え入れられる木はないだろうかと、

ベンチ横に並べられていた観葉植物を物色していたのだけれど、

その女性が、あまりにも幸せそうに店内の花を眺めていたものだから、

つい彼女に目を奪われてしまった。

すぐに視線を外したつもりだったのだけれども女性に気付かれてしまい、目があった。

 

軽く会釈をすると、その女性はやわらかい笑みを浮かべて、

「私ね、今85歳なんだけど、ひと月に10冊くらい本を読むのよ。

小説を読んでるとね、作家さんによって、コレ(按配)とコレ(塩梅)の好みがあるのかしらね。

書く人の癖があって、それを見つけるのも楽しいの」と仰っていた。

見せてくれたのはレシートの裏に書かれた按配と塩梅の文字。

同じ発音で、おおよそ同じ意味を表すために使うことができる漢字で、

塩梅、按配、按排、案配、と4種類ほどあり、用途によって細かく使い分けをすることもできる。

 

ご家族の迎えが来るまでの時間、

作家の癖などのお話をさせていただいたのだけれども、

近頃の彼女は随分と足腰が弱くなってきており、

誰かの手を借りなければ外出が難しいらしく、

今は小説の中を自由に歩き回ることが楽しみのひとつなのだそう。

そして、前日までに読んでいた小説の中に素敵なバラが出てきたそうで、

それに似た大きな深紅色をしたバラを1輪だけ買いにきたのだと仰っていた。

家に帰ったら、自分の部屋にそのバラを飾り、

バラが出てきたお気に入りのシーンを読み返すのだそう。

まだまだ知りたいことがあって、やってみたいことがあって、知らないことがあって、

毎日時間が足りないのだとも。

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シンプルに、「若い!」そう思った。

自分の体が老いて、今のように簡単に動くことが難しくなったとき、

私は彼女のように目をキラキラと輝かせていられるだろうか。

出来ることが限られた状況の中で、時間が足りないと言えるくらい、

楽しみとワクワクした気持ちで自分を満たすことができるだろうか。

人生のお手本は、テレビの中やネットの中にもあるのだろうけれど、

自分の身近なところにも沢山転がっている、そのようなことを思った。

先のことはわからないけれど、きっと大丈夫。

そう自分を奮い立たせ、私も彼女が手にしていた大きな深紅のバラを1輪購入した。

今思えば、彼女にあやかりたい。そう思ったのかもしれない。

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