昨年末、駆け込むようにして健康診断を受けた。
小さな部屋をスタンプラリーでもしているかのように、カルテ片手に巡るあれである。
どのような検査が行われるのか、頭に入るくらいの経験値は積んできたものの、緊張感がゼロになることはない。
しかも、前日の夕飯を早めに済ませていることもあり、朝からお腹の虫が鳴きっぱなしである。
いつでも食べられると分かっている中でモノゴトに集中しているときには、どれだけ時間が空こうとも腹の虫が騒ぎ出すことはないというのに、
当たり前の何かを、ほんの少し制限されるだけで、体も気分も地味に騒ぎ出す。
これも、本能が持っている危機を察知する力のひとつだろうか。
診察室の入り口のドアをぼんやりと眺めながら、そのようなことを考えながら空腹を紛らわせた。
名前ではなく番号で呼ばれ、またひとつ検査という名のミッションをクリアし、担当者のスタンプをカルテに押してもらって次の部屋の前へと移動する。
しかし、普段は感じないような空腹からか、私の脳内では、検査帰りに食べるランチメニューの選考会議が始まった。
適度に非日常を体験して、残るは医師による診察と面談のみ。
この日は、ここ最近よく目にするようになったモリブデンという栄養素のことを聞いてみた。
健康診断や健康相談という範疇からは、はみ出している感じではあるのだけれど、
医師の素の見解を聴くことが出来たり、自分が偏ったものの見方をしていることに気付かせてもらえたりもする、面白い時間である。
今回は、その時に得たモリブデンという栄養素のお話をシェアさせていただこうかと思っております。
年末年始に、美味しいものを食べる機会が続いたという方や、日頃から外食が多い方、お酒が欠かせない方、プリン体を意識している方などは、ちらりとのぞいていって下さいませ。
モリブデンという名は聞きなれないかと思いますが、肝臓や腎臓にあるミネラルのひとつです。
量は非常に少ないそうなのですが、私たちの体がスムースな代謝を行うために働いてくれている栄養素なのだそう。
肝臓や腎臓にあるということですので何となく想像できるかと思うのですが、
美味しいと感じるものにたっぷりと含まれている糖質や脂質、プリン体などの分解や代謝を助けてくれているのです。
モリブデンの1日の摂取目安量は、発表元によって多少異なってはいるのですが、
成人男性であれば約25㎍~30㎍、成人女性であれば約20㎍~25㎍ほどのようです。
木綿豆腐1丁には約123㎍、納豆100gには約290μg、
牛レバー80gには約75μg、豚レバー80gには約96μg、
白米100gには約30μg、お餅100gには約45μg、
と言われているようですので、摂取しやすい栄養素ではないかと思います。
また、大豆製品や白米を多く摂取できる日本食では不足し難く、摂り過ぎたとしても体の外へ自然と排出されるようなので過剰摂取の心配はないようですが、
洋食に傾いているときや、白米を控えているとき、大豆アレルギーをお持ちの方などの場合は、不足しやすい状況を生みやすいので、
意識して和食を選ぶ日を作ったり、アレルギーがでない代替食材を調べておくなどするのも手ではないでしょうか。
モリブデンと言うと耳馴染みがないのですが、どのような働きをしてくれているのか、
どのような食材やメニューに含まれているのかという点を知ると、
和食の良さを再認識できたり、洋食が続いた後は難しいことを考えずに和食でバランスを取ろうといった発想が出やすくなるように思います。
食事の好みや状況などは人それぞれですので、誰にとっても正解だと言い切れる正解はありませんが、健やかに過ごすためのヒントにしていただけましたら幸いです。
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