皆さんはアルメニアペーパーってご存知ですか?
今日は、色々な使い方ができる、一風変わったアルメニアペーパーのお話です。
香り大国と言われているフランスでは、
病院やヒーリングサロンなどでも使われることがある「紙でできたお香」です。
一般的なお香とちょっぴり異なる点は、
アルメニアペーパーには、香りを楽しむ用途以外にも嬉しい効果があるということ。
空気を浄化する成分が含まれているため、お部屋の締めきった臭いや、
ペットやタバコ、汗、お食事、玄関やトイレの臭いを消臭し、ウィルス除去効果まであるのです。
私はアルメニアペーパーをお香という用途ではなく、
お魚を焼いた翌日や焼き肉や揚げ物などのにおいが残っている時、
翌日に来客を控えている時の消臭アイテムとして使用しています。
市販の消臭スプレーは、布などが湿るくらい吹きかけなければ、翌朝も臭いが残っていることがあります。
消臭の為に化学薬品を広範囲に大量使用する事にも抵抗がありますが、
天然成分でできたアルメニアペーパーですと安心な上、
一度でしっかりと消臭できる点が気に入っています。
このような理由からフランスでは病院などでも利用されています。
まず、どのような形状なのかといいますと、
香水が売っている場所では、細長い紙に香水をシュッと吹きかけて香りを確認することができますよね。
アルメニアペーパーは手のひらサイズの、あのような細長い紙に、香りが染み込ませてあります。
面白いのは使い方です。
アルメニアペーパーを手帳に挟んだり、お財布やバッグに忍ばせておいたり、
しおりとして本に挟んでおいたり、枕カバーの中やランジェリーボックス、
クローゼット、シューズボックスに忍ばせる方、アウターのポケットに忍ばせる方、
トイレや玄関、車の中に置いてみたり、日本の印香のようにお手紙に忍ばせたりと
火を付けなくとも、幅広く香りを楽しむことができます。
もちろん、お香ですので火をつけてもいいのですが、まずは香りを存分に楽しんで
香りがしなくなったかなと感じた時に火を付けて焚く使い方がおすすめです。
といいますのは、アルメリアペーパーの封を開けた時は、使用前の状態で全枚数が密集しています。
香りがギューッと凝縮された状態なので個人差はあると思うのですが、
私は、通常のお香よりも香りが強いなと感じることがあります。
実際に使用する時は1枚ずつ使用しますので、
この時の香りの強さは、あまり重要ではありません。
むしろ、しっかりと香り成分が染み込ませてある証拠です。
ただ、私は、残り香のような雰囲気で時々ふわっと香るくらいが好みなので、
本格使用する前に1週間程は封を開け玄関フレグランスとして放置し、香りを落ち着かせてから使っています。
私のように香りを無駄に飛ばす必要はないのですがこの辺りはお好みです。
紙を半分にカットして、少しだけ香らせることも可能です。
この、香りの具合を自分好みに調整できるのもアルメニアペーパーの醍醐味です。
スティック状やコーン状のお香ですと、こうはいきませんから。
ペーパーに火を付ける時には、アコーディオンのように蛇腹に折って端の方に火を付けます。
※火の取り扱い、火の後始末にはご注意ください。
火を付けて本来のお香として使用すると、
香りが飛んでいたはずのペーパーからもう一度、香りが力強く空間に広がります。
燃やし初めは、お香の香りというよりは、
「紙が燃えている香り」といった印象をうけられるかもしれませんが、
火が消えて、しばらくしてからアルメニアペーパー本来の香りが
空間に溶けだして馴染み、広がります。
と同時に不要な臭いはリセットされます。
元の香りがお好きであれば、あとは好みで調節でき、
さりげなくほのかに香らせることが出来るので香水が苦手な方でも楽しむことができます。
天然成分で火を使わずにを使うことも出来るので
火の始末に気を配らずに楽しむことができるのも魅力です。
私が、初めて使ったのは6~7年前で
120年の歴史を持つフランスの「パピエダルメニイ」というところのものでした。
きっと世界での知名度は一番高いのではないかしら?と思います。
地味で素朴で、ちょっぴりオシャレなメモ帳のような出で立ちで
コストパフォーマンスに長けた一品です。
香りは甘さのあるものが多いように感じます。
そして、5年程前に友人からの贈り物で出会ったのは
天然のハーブを用い、自然治癒や予防医学という思想をもとにした、
フィレンツェで800年の歴史を誇る、
現存する世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ」が調香、製造したアルメリアペーパーです。
サンタ・マリア・ノヴェッラの商品はワックスバーが有名なので
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。
薬局というだけあり、薬草といった印象の少しスパイシーさのある、大人の香りが多いように感じます。
こちらは、一部地域に実店舗がありますのでご興味を持たれましたら
アルメリアペーパーを手に取ってみてくださいませ。
「お香」とひとことで言っても用途や酒類も様々で、
お薬の知識を使って作られたものまであります。
日本でも古より香木の香りを聞き、鑑賞する聞香(もんこう)や
香りを聞き分ける粋な遊びの組香(くみこう)という
香りを楽しむ習慣がありましたし、お線香をあげる習慣は今でも残っています。
香りには私たちが気づいていない、人を魅了する何かがつまっているのかもしれませんね。
今回はちょっと変わった、おしゃれなお香、アルメリアペーパーのお話でした。
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