幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

日本のソーダ、ラムネ、サイダーにはっきりとした違いがないのはどうして?

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ちょっぴりお出かけモードのアレンジを装いに加えて家を出た。

鼻から外の空気をたっぷりと吸い込んで

ふーっと吐き出すと体の中を丸洗いするかのようで気持ちがいい。

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駅へ向かう道すがら、季節が移り行くようにその季節に合った薔薇を

次々に咲かせているお宅の前を通ったら、

柔らかい卵色をした木香薔薇が見頃だった。

葉っぱのグリーンとのコントラストも素敵で

目の保養をさせていただきながら駅を目指した。

 

駅に近づくに連れて、普段とは少し違う賑やかさを感じた。

辺りに視線を泳がせていると縁日の文字が目に飛び込んできた。

と同時に鼻を擽る甘辛くて香ばしいイカ焼きの香り。

食べる食べないに関わらず、

あの甘辛くて香ばしい香りには

人のテンションを上げる何かがあるように感じているのは私だけだろうか。

そのような事を思いながら、

200メートルほど続く露店をぷらり、ぷらりと歩くことにした。

さすがに、あれが欲しい、これが欲しいとはならないけれど、

ワクワク気分を味わうには十分な光景だった。

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ふと目に飛び込んできたのは、

ガラス瓶にビー玉で栓がしてあるラムネだ。

それ程飲んだ記憶はないものの、

やはり懐かしく、縁日の風物詩として記憶にインプットされていた。

このような縁日やお祭りには、

ある種の変わらぬ日本らしさのようなものがあるため、

外国人の友人たちを過去に何度か案内したことがある。

もちろん各国に縁日やお祭りはあるのだけれど、

私たちが異国のそれを新鮮に感じるのと同じで

彼らもまた日本の縁日やお祭りに異国を感じるようだった。

特にリアクションが良いのはガラス瓶にビー玉で栓がしてあるラムネだ。

ビー玉の栓にも驚くようなのだけれども、

その取れそうで取ることができないビー玉にも心を奪われるようなのだ。

瓶を揺らしながらビー玉をカランカランと鳴らして

本当に取ることはできないのか?

と少々しつこいくらいに尋ねながら美味しそうにラムネを飲んでいる友人たちは、

心なしか童心に返っているようにも見えた。

 

そして、目にするもの全てに興味を持つ彼らは

私たちにとって不思議でも何でもないような事を必ず聞いてくるのだ。

日本には「ラムネ」や「ソーダ」、「サイダー」と呼ばれるものがあり、

ラムネ味、ソーダ味といった表記も多々見られる。

特段、気に留めるような事でもないのだけれど、

彼らはこの違いを事細かに訪ねてくるのだ。

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「ラムネ」は、レモン水を意味する英語の「レモネード」が変化した言葉で

炭酸水にレモンやライムの香料、お砂糖などが加えられた甘い飲み物のこと。

「ソーダ」は、炭酸ガスを含んでいるお水のことで甘さはない飲み物のこと。

そして「サイダー」に至っては、

リンゴ酒を意味するフランス語の「シードル」と同じなので

日本の子どもたちはサイダーを飲むのだと知ると、

「まぁ、日本は大丈夫なの?お酒でしょう?」と思ってしまうようなのだ。

だから、そこで、日本で言う「サイダー」は、

炭酸水に果汁や香料、お砂糖などを加えた甘くてスッキリとした飲み口の

ノンアルコール飲料なのだという説明が必要になってくる。

 

日本では目立つような違いのないラムネやサイダーだけれども、

元々はラムネはレモン風味、サイダーはリンゴ風味といった違いがあり、

区別もされていたのだとか。

それが、時代の変化と共に

サイダーにレモンなどの柑橘系の香料が使われるようになり、

それぞれの味にはっきりとした違いがなくなったようなのです。

 

そして、海外ではリンゴ酒を指すサイダーという言葉を

日本では炭酸飲料に使っている背景には

ペリーの黒船来航の時に伝来された「シャンペンサイダー」という

リンゴ風味の炭酸飲料が関係しているのだとか。

少々紛らわしいのですが、この「シャンペンサイダー」はお酒ではありません。

そして、この「シャンペンサイダー」を当時の日本人の皆さんは

略して「サイダー」と呼んでいたのだそう。

様々な歴史の背景が入り乱れつつも、

それぞれの呼称は消えることなく、現在の形で存在しているのです。

 

その日は一人で縁日をぷらりぷらりと散策していたのに、

このような事を思い出したものだから、

ついサイダーだの、ソーダ味だのの言葉を自然と目が負ってしまった。

縁日を案内する度に尋ねられることは、

いつの間にか私の頭の中で

バスガイドさんの頭の中に入っている原稿のように定着するのだった。

ありがたい。

今日はそう思っておこう。

イカ焼きやソースの香りを楽しんでその場を後にした。

画像出典:https://jp.pinterest.com/

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