天気が良く気温もグングンと右肩上がりのその日、駅の近くを歩いていると、街頭で募金活動をしている方々の姿が目に留まった。
朝から休まずに活動していたのか、お昼を過ぎたその時間には声が掠れてしまっている方も数名いたように思う。
以前、募金活動をどう思うかという話題に触れる機会があったのだけれど、募金活動をしている人たちのことを偉いと感じる人、
気まぐれで1日だけ街頭に立つくらいなら、その日の自分の夕食代やお洋服1着分を寄付した方が、効率が良いと感じる人、塵も積もればだと感じる方、その他にも様々な感じ方があり、
募金活動ひとつ取ってみても、答えは人の数だけあるのだと感じたことがあった。
そのようなことを思い出しつつ待ち合わせの場所に立っていると、募金活動の場所から少し離れたそこで募金活動中の2人が話をしていた。
2人は、募金活動のベテラン指導者と新参者といった間柄のように感じた。
指導者らしき方が新入りであろう方に、カンパという言葉は誤解を招くことがあるから使わずに、「募金活動をしています、寄付をお願いします」という言葉を使うようにと指導しているところだった。
本来、お金を募る側が使う言葉が「募金」であり、この表現が適しているのかは分からないけれど、お金をお福分けする側が使う言葉が「寄付」である。
ただ、今はどちらも同じ様な意味で使われているため、「募金した」も「寄付した」も同じように使われている。
私は気になったのは、カンパという言葉は誤解を招くことがあるからといフレーズである。
カンパもお金、資金を集める際に使われる言葉だけれど誤解とは何ぞや?
あまりにも用途が多すぎて誤解を招くという意味だろうか?
あれやこれやと思い巡らせてみたけれど、あまりにも聞きなれている言葉すぎて、答えらしきものに辿り着く気配がない。
そこで、知人が来るまでの間の時間潰しにと、生まれて初めて「カンパ」という言葉の意味を検索してみることにした。
すると、カンパとはロシア語で、政治的な活動や闘争といった意味を持つ「カンパニア」がもとになっていることを知るのである。
先程、募金活動のベテラン指導者が話していた「誤解を招く」とは、政治活動資金や政治に関係する闘争資金を組織で集めている、ということを連想させるかもしれないという意味だったのだろうと思った。
日本では、そのような意味に留まらず、様々な支援金を集めるシチュエーションで「カンパ」という言葉が使われるようになったため、
私たちは様々なシチュエーションで「カンパ」という言葉を使い、耳にしており、違和感を覚えることなく過ごしているようだ。
本場流もアレンジ流もあり、その国に合ったものや受け入れられたものが残り、使われているのだから、異なっていても色々な解釈があっても良いと思う。
ただ、機会があるならば、本場流を知っておく、触れておくことも、自分自身や過ごす日々を豊かにすることのひとつなのかもしれないと感じながら、スマートフォンを鞄の中へ押し込んだ。
しかし、「カンパ」がロシア語からきていたとは想定外である。
新参者のあの子に私も便乗させてもらった日。
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