夏になる少し前だっただろうか。
ある女性が「ご自愛ください」という言葉を使う時に、使い方が合っているかどうか不安になって少し緊張するのだと漏らしました。
その場に居合わせた数名が、うん、うん、と頷きながら、体に気を付けてね、体を大切にしてね、という意味だという事は分かっているけれど、
どちらかと言えば「大人の女性」と言われる年齢に恥じぬよう、背伸びでもしているかのような気持ちで使っていると言うのです。
皆さんはいかがでしょうか?
今回は、大人のたしなみとして「ご自愛ください」、この言葉をおさらいしてみませんか?
「ご自愛ください」は、ご存知のとおり、「ご自分のお体を大切にしてくださいね」という意味が込められた、とても優しく、思いやりのある言葉です。
しかも、男性も女性も年齢に関係なく使うことができますし、誰に対しても使うことができる万能な言葉です。
もし、礼節を重んじる必要がある特別なシーンや相手、目上の方に使いたい場合は、
「くれぐれも、ご自愛ください」としたり、
「ご自愛くださいませ」という風に少しだけアレンジを加えると、さり気なく丁寧さをアップさせることができます。
アレンジも簡単ですので、ご自分が使いやすいと感じるパターンを抑えておくと普段から安心して堂々と使うことができますね。
そして、この言葉。
何となくお手紙専用の言葉というイメージを持たれている方もいらっしゃいますが、本来、日常の中で相手の体を思いやる時に使われる言葉です。
お手紙でも、メールでも、声に出して使っても良いのです。
また、お仕事シーンでの使用を躊躇う方もいらっしゃいますが、お仕事シーンでの使用も失礼にはあたらないとされています。
もちろん、初対面でいきなり使うよりは何度かのやり取りを経て、本当に相手のことを気使う際に添えた方がスマートかと、私個人としては思っております。
メールはお手紙と違い要件重視のカジュアルで簡素なものとして進化している一方で、お手紙に変わる手段としても主流になりつつあります。
画面の向こうに居るメールの受け取り手も人です。
文末にひと言だけ、手短に相手を思いやる一文を添えてもいいのではないでしょうか。
万能で頼れる言葉ではあるのですが、使う際に注意すべき点があります。
うっかり間違ってしまうパターンAは、「お体、ご自愛ください」と使ってしまうこと。
一見、間違っていないように見えるのですが「自」に「自分の体」という意味があるので「お体」を重ねてしまっていることになります。
シンプルな表現の中に全て詰まっていますので、そのまま使いましょう。
そして、パターンBは、体調を崩している方に対しては使わないこと。
思いやる気持ちや気使う気持ちに気を取られて、つい、うっかり、悪気無く使ってしまいそうになりますが、
この言葉の意味は、(体調を崩さないように)体を大切にしてくださいね、(体調を崩さないように)気をつけてくださいね、という意味ですよね。
相手が体調を崩していることを既に知っている場合は、要注意!です。
使い慣れている方は、そのまま大切に使ってくださいませ。
既に大人なのだけれども、大人の背伸びをしてしまっていた方は、これでスッキリですよね。
今日から安心して堂々と使ってくださいませ。
些細なことだけれども、このような、些細なことが自分の自信に繋がったり自分を素敵に底上げしてくれたりするような気がしませんか?
今日も自分らしく、ちょっぴり背筋を伸ばしてまいりましょう。
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