毎年、早めに年賀状の準備に取り掛かろうと思っているのですが、
夏休みが明ける直前の子どものようにバタバタと慌ててしまいます。
今年も、至るところで目にする年賀状の文字にドキドキしなががらも、
「そろそろ、そろそろ、ね」と焦る気持ちをなだめつつ過ごしております。
年齢を重ねるにつれ、人の様々な節目に触れることも増えてまいります。
年賀状の準備をしなくてはと思い始める頃、
喪中はがきを受け取る経験もしてこられているかと思います。
喪中はがき受け取った時のお作法も時と共に変化してきておりますので、
相手との関係性やその時々の状況に合わせて適切な対応ができるよう、
この機会に私と一緒に、お作法のセルフチェックをしてみませんか?
お時間ありましたら、お付き合いくださいませ。
11月から12月に届く喪中はがきの本来の役割というのは、
今年は身内に不幸がありましたので、
新年のご挨拶(年賀状)をご遠慮させていただきます。というものなので、
受け取った側は特別なリアクションを行わなくても失礼になることはありません。
そして、喪中の報告を受けた側は、
相手や相手のご家族の気持ちを思い年賀状を送ることを控えます。
御不幸があった側も喪中はがきを受け取って察してくださったのだなと、
年賀状が届かない状況の中にも相手の気持ちを感じる、
といったやり取りが基本のお作法として定着しております。
ただ、なかなか会うことが出来ず、会話やメールをすることも少ない友人の場合、
年に一度の年賀状が唯一の近況報告を報告し合う場になっている方も
少なからずいらっしゃるかと思います。
そのような間柄の時、喪中はがきで友人の近況を知り、
お悔やみの言葉をおくるタイミングが掴めずに、
もどかしい気持ちを抱かれたこともあるかもしれませんね。
または、喪中はがきの中には、年賀状を送っても構わないというメッセージが添えられていることもあります。
このような時には、年が明ける前に喪中はがきへの返信として、
「喪中お見舞い」の葉書きを出したり、
年があけてから、「謹賀新年」、「明けましておめでとうございます」といった
新年のハレの言葉を封じて、相手を気遣う言葉に変えた葉書きを送る、
といったことを良しとするお作法も定着しつつあります。
ただ、冒頭でもお話させていただきましたとおり、
これは、相手と自分の関係性をしっかりと見極める必要があります。
相手がご実家暮らしをされている場合は、
同居されている方々の年代によって礼節に対する思いや感じ方にも違いが表れます。
ですから、従来のお作法だけではなく、現在のお作法の流れも理解したうえで、
その時々に使うお作法を選択したり、
また逆の立場に立った時には相手の気遣いの本意をしっかりと感じられる
気持ちの余裕を持っていられると良いのではないかと思います。
最後に喪中はがきを受け取った際のお作法の選択肢をまとめますと、
(1)従来のお作法通り、何のリアクションも起こさない。
(2)喪中葉書きの返信として、年内に届くように「喪中お見舞い」の葉書きを出す。
この時のポイントは、喪中葉書きを送っていただいたお礼→ご不幸を知らずにいたことへのお詫び→相手やご家族を気遣う言葉→新年のご挨拶(年賀状)を遠慮させていただくことをお伝えする。
という流れを目安に短くまとめるとスマートではないでしょうか。
(3)年明けに、ハレの言葉を封じて、相手を気遣う言葉に変えた葉書きを送る。
(4)寒中お見舞いの葉書きとして返信する。ただ、この時には喪中葉書きを受け取ってからある程度の月日が経過している場合があります。その場合は、(2)の喪中お見舞いの葉書きの流れにそってお返事を書き、喪中葉書きをいただいたので年賀状を遠慮させていただいたこともお伝えしましょう。
私は相手との関係性と、相手が現在置かれている立場や環境を確認した上で、
(1)、(2)、(4)を使い分けております。
今回は、喪中葉書きを受け取った際にどのお作法を使うのか、
お作法の選択肢のセルフチェックにお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
お相手の気持ちもお作法も大切にしつつ、
その時々に合う行動を思いやりの気持ちをベースに選択していけるといいですね。