お見舞いのお作法は心得ているから大丈夫だと思っていても、
いざその時がきたら「うっかり」してしまったり、
「心配している気持ち」よりも「きちんとしなくては」、「お見舞いをしなくては」
という思いの方が先行してしまい、大切なことを見落としてしまうこともあるものです。
相手が心細い思いをしている時だからこそ、
さり気なく、普段よりも細やかな気遣いができるといいですよね。
お見舞いのお作法と言えば、まずは熨斗やお見舞い品の選び方に意識が向くかと思います。
しかし、その辺りは皆さんも既にご存知かと思いますので、
幸せのレシピ集では、それ以外の「うっかり」してしまいがちな点を
皆さんと一緒に再確認させていただきたいと思います。
お時間ありましたら、セルフチェックをしながら読み進めてみてくださいませ。
|お見舞いに行く?行かない?
大切な人や、お世話になっている方が体調を崩したり、入院したりしますと、心配します。
そして、すぐにお見舞いに行きたい、行かなくては、行くべきだ、と思ってしまうことがあります。
また、大人になればなるほどお付き合いというものも増え、
親しい間柄でない場合でも、
礼儀として「お見舞いに行かなくては」というシチュエーションに遭遇することもあるものです。
相手を心配する気持ちとお見舞いに行かなくてはという自分の気持ちがメインになっていますが、
まずは、自分の気持ちは脇に置き、
お見舞いに行っても良いのかどうかを確認することが大切です。
お見舞いは悪いことではないのだから行っていいもの、行くべきもの、
と思いがちな方は少し注意が必要かもしれません。
お見舞いを受ける立場の方は本調子ではありません。
中には弱っている姿は家族以外には見せたくないと思う方もいらっしゃいます。
また、ご厚意を断ることが出来ずに本調子ではない状態で
お見舞いに来てくださる方へ気を遣い普段以上に疲れてしまうこともあります。
もちろん、弱っている姿を見せることには抵抗がなく、
それよりも、皆が来てくれると嬉しくて元気になる、という方もいらっしゃいます。
ですから、まずはお見舞いへ行っても良いものかどうか、相手の意向を確認し、尊重しましょう。
その上で、お見舞いへ伺っても良いのであればアポイントメントを取りましょう。
|お見舞いへ行く時の服装は?
お相手だけではなく、付き添っていらっしゃる方、
病院であれば、他の入院患者さんや、その方々に付き添っていらっしゃる方に対しても
最低限の気遣いが必要になります。
つい、派手な装いや華美な装いを避けようとするあまり、
黒の割合が多すぎてしまうのも避けたいところ。
幸せのレシピ集内で時々ご紹介しているカラーセラピーからも分かるように、
色は人に様々な影響を与えますので、
気持ちが穏やかに、前向きになるような明るめの装いを心がけると良いかと思います。
また、弱っている時には臭覚や聴覚などの感覚も敏感になっていますので、
柔軟剤や香水、防虫剤などの香りが強いものも避けると良いかもしれませんね。
私が病院で見かけてドキッとしたのはドクロがプリントされたお洋服を着ている方を見かけたとき。
ドクロにも様々な見方がありまして不吉なものというだけではないのですが、
死の象徴という見方が一般的です。
普段、ファッションモチーフとして楽しまれている方は、
うっかり身に付けてしまっていないか、確認するようにしておきましょう。
|会話の中身は大丈夫?普段よりも細やかな配慮を。
体調が不調だと聞いていたけれど、お会いしてみたら元気そうでホッとすることもあります。
安心すると、つい気が緩んで普段通りの会話をしてしまう、ということもありますが、
ここは、少し気を引き締めて普段よりも細やかな配慮をした会話を心がけましょう。
相手の調子が良さそうであっても心身ともに本調子ではなく
療養中であることには変わりありません。
また、心配をかけまいと、少なからず無理をしていることもあるものです。
病状を細かく聞いたり、無責任に「大丈夫」、「頑張って」などと言ってしまわぬよう注意しましょう。
また、お仕事の状況や緊張報告なども場合によっては
相手を不安にさせてしまったり、焦らせてしまったりするものです。
できるだけ、楽しい話で穏やかに過ごすことができると良いのではないでしょうか。
大人になってからのお見舞いは、相手のことを心配する気持ちに、
礼儀や責任感といった気持ちも混ざってしまうことがあります。
お見舞いは行くべきもの、行かなくては失礼にあたるもの、と思う事もありますが、
相手によって感じ方や考え方、また症状も異なるため
「○○すべき」という考えが全ての人に当てはまるものではありません。
相手の意思を尊重し、負担にならない形でのお見舞いで、
大切な人の快復を待ちたいものですね。