新しい年を迎えますと、お年賀を贈ったり贈っていただいたりという事がありますが、
お年賀の由来やお作法をご存知でしょうか。
そう言えば、習慣として贈ったり、贈っていただいたりしているけれど、
その辺りのセルフチェックをしばらくしていないわ、という方。
私と一緒にフォーマルな大人のお作法を確認しておきませんか?
|お年賀の由来は何かしら?
日本では古よりお正月は新しい年の神様(歳神様)をお迎えして祀っておりました。
そして、新年のご挨拶で訪問する際には「御歳魂(お年玉)」と言って、
歳神様を祀っている神棚や御仏壇へのお供え物を持っていく習慣がありました。
これが、お年賀の始まりと言われております。
時代を経る中でお正月にご自宅を訪問する際には手土産を持参する形が受け継がれますが、
子ども達へは「お年玉」を、家人へは「お年賀」と記した贈り物を贈るようになったのだとか。
|お年賀は誰に、いつ、どのようにして、何を贈ったら良いのかしら?
お年賀は、日頃特別にお世話になっている方や、
両親、ご結婚されている方はお相手のご両親、親戚などに感謝の気持ちとして贈ります。
お作法としましては、1月1日~3日までに贈ることが一般的です。
しかし、慌ただしい現代社会ですので先方のご迷惑にならないよう、
1月1日~3日までの三が日を避ける方もいらっしゃいますよね。
このような場合や、訳があって三が日に伺うことが出来ない場合は、
1月1日~7日までの「松の内」であれば「お年賀」という表書きを使うことができます。
7日を過ぎますと、「お年賀」ではなく「寒中見舞い」に変わりますので、
自分が贈るタイミングによって使い分けましょう。
年始のご挨拶に直接伺う際の手土産が「お年賀」ですので、
お年賀は直接先方のご自宅に訪問して手渡しすることがお作法です。
直接訪問できない場合は品物を購入したお店から発送してもらおうと考えてしまいますが、
本来は品物を一度持ち帰り、自宅からの発送にすることがお作法です。
ご挨拶に直接伺うことが大前提なので、このような形がお作法として残っているのでしょうね。
贈り物選びですが、感謝を伝えたいお相手の好みや年齢、ご家族のことなどを考慮しましょう。
家族や親戚、その他、多くの人が集まる時期でもありますので、
日持ちのするものや、皆さんで楽しんでいただけるようなものを選ぶと良いですね。
ご自分の予算に合わせて喜んでいただけるものを選んでくださいませ。
|お年賀をいただいた時のお返しはどうしたらいいのかしら?
お年賀は本来、常日頃、とてもお世話になっている方々に贈るものです。
このため、贈られた側は特にお返しをしなくても良いと言われることもあります。
しかし、お年賀というのは手土産で本来のメインは新年のご挨拶に伺うこと。
となると、お年賀を受け取る側も、わざわざ来ていただいたことへのお礼として
手土産を用意しておく方が礼儀かと思います。
このときの表書きは「松の葉」、「お礼」などを使います。
お年賀を受け取った側のお礼には手土産をお渡しする以外に、
お部屋へ招き入れて、お酒やお節、お茶やお菓子などを振舞うことも
手土産の代わりにもなりますので、
こちらはお相手との関係性によって使い分けるとよいかと思います。
|少し聞きにくいけれど、お歳暮を贈ったばかりなのに、お年賀も必要かしら?
大きな声では言いにくいけれど、
お歳暮を贈ったばかりなのに、お年賀も必要なのかしら?と思われる方、
逆の立場である贈っていただいた側も立て続けに贈り物をいただくと、
気を使ってしまうのだけれども……。という方、いらっしゃるかと思います。
お歳暮とお年賀は、どちらとも日頃お世話になっている方へ感謝の気持ちを贈るもの。
送る時期が違うので呼び方が変わるのですが意味合いは同じです。
ですから、お歳暮を贈っている場合は「お年賀」は必要ありません。
ただ、ご実家や親戚の所へ新年のご挨拶に行く場合に手ぶらというのも
大人としての気遣いに欠けるようにも思いますので、
仰々しくない、皆で楽しめるようなものを持参すると良いかもしれませんね。
中には、お歳暮ではなくお年賀で日頃の感謝を伝えている間柄の方もいらっしゃるかと思います。
この場合は、お互いに分かり合えている場合でも、
「年末のご挨拶ができず申し訳ありません」という意味合いの言葉も添えて、
フォーマルなスタイルのお品物を持参すると大人の心遣いになるかと思います。
お相手との関係性や時代背景もあり、
お年賀を贈る相手は両親や親戚がメインだという方が多い時代でもあります。
気心知れた間柄ですので甘えも出てしまいますが、
新しい年の始まりでもありますので、
日頃の感謝の気持ちと一緒に「新しい年もどうぞよろしくお願い致します」
といった気持ちをお年賀と共に改めてお伝えしても良いのではないでしょうか。
フォーマルな大人のお作法をあなたの温かい気持ちで使いこなしてくださいませ。
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