先日、道端に咲くスズランを発見。
人通りが無かったこともあり、しばし足を止めておりました。
お庭やフラワーショップではなく道端で見ることができるなんて、と
少し得した気分で目的地へ向かいながら私の脳内はスズランのことでいっぱい。
小さな鈴が並んでいるかのような姿と白とグリーンのコントラストは春の空気に映え愛らしさ満点。
月並みな表現ではあるのだけれど、つい、「かわいい」と漏らしてしまう。
そして、爽やかで甘やかな、あの香りも女性の心を鷲掴みにする。
香水などにはフランス語でスズランを表すミュゲという表記が多いため、
スズランだと気付かぬままスズランの香りに魅了されているなんてこともあるのかもしれない。
私は人生の中で1度だけ、スズランだけで作られた花束をいいただいたことがある。
香水のそれとは異なるフレッシュな香りを胸いっぱいに吸い込んだときの
恋のトキメキにも似た高揚感は、
今でもすぐに引き出せるほど私の五感の記憶にしっかりと刻まれている。
フランスには5月1日にスズランを愛する人に贈る風習があり、
贈られた人には幸運が訪れると言われている。
だから、5月1日が近づくと街中のフラワーショップの一角をスズランが占領するのだ。
年々、スズランを贈る人が減りつつあるという話も耳にするのだけれど、
隣の芝生は青く見えてしまうものなのか、少々残念にも感じている。
このスズランを贈る風習はシャルル9世が作ったと言われている。
シャルル9世と言われてもピンとこないかと思うのだけれども、
彼がエイプリルフールのきっかけを作ったという説がある。
過去にエイプリールフールのお話をさせていただいた時に登場した国王が、
彼、シャルル9世だ。※エイプリルフールの起源にご興味がある方は下記リンクよりどうぞ。
彼は、ある年の5月1日に、
幸運を運んできてくれるとしてスズランの花束をいただいたのだそう。
これをとても気に入り、5月1日なると宮廷の女性たちにスズランを贈っていたのだとか。
更にその後のヨーロッパでは、スズランをイメージしたドレスを纏った女性たちと、
スズランを身に付けた男性たちがスズラン舞踏会なるものを開いていたようで、
スズランは男女のご縁を結ぶシンボルでもあったようです。
現在は、男女のご縁に限らず、親しい人や家族、お世話になっている方々など、
大切な人の幸運を祈りスズランを贈ります。
日本でも少しずつ『スズランの日』の文字を見かけるようになってきておりますが、
定着する日はもう少し先のような気も致します。
とは言え、照れてしまいがちな方にとっては、
大切な方に“ありがとう”を伝えるきっかけが増えるのはいいですね。
スズランの日には少し早いお話ではありましたが、
スズランとシャルル9世さんとエイプリールフールの数珠繋ぎということで、
本日は着地させていただこうかと思います。
今日も皆さんに良き風が吹きますように☆彡
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