海外に居る2人の友人から何気ないメッセージが届いておりました。
内容はどこにでも転がっているような世間話や近況報告といったもので
こちらで特筆すべきようなものでは無かったのですけれど、
偶然にも同じ話題に触れていたのです。
その話題というのはサッカー。
私たちにとってお馴染みのスポーツであるサッカーですが、
ある友人はサッカーと呼び、もう片方の友人はフットボールと呼ぶのです。
ボールが1個あれば、言葉が通じなくてもルールを知らなくても遊ぶことができる
世界を繋ぐスポーツですが、
呼称が統一されていないという現実は少し不思議だと思いませんか?
どちらで呼んでも通じますけれど、国によって呼び方は異なるのはどうしてか。
これはサッカーを愛してやまない友人の受け売りではありますが、
今回はそのようなお話をさせていただこうかと思っております。
お時間がありましたら、覗いていってくださいませ。
日本ではサッカーと呼ばれているこのスポーツ、
イギリスをはじめとする多くの国々ではフットボールと呼ばれており、この呼び方が主流。
日本と同じようにサッカーと呼んでいるのは、
アメリカ、カナダ、オーストラリアなどを含む一部の国です。
日本ではフットボールと言うとアメフト(アメリカンフットボール)や、
ラグビー(ラグビーフットボール)も連想できますので、
やはりサッカーの方が耳慣れていますよね。
このようにザックリと世界を見渡すとフットボールという呼び名はイギリスで生まれ、
サッカーという呼び名はアメリカで生まれたのかしら?
と思ってしまいますが、両方ともイギリスで生まれた言葉なのです。
時代は中世ヨーロッパまで遡ります。
この時、既に石やボールに見立てたものを使った遊びがあり、フットボールと呼ばれていたのだそう。
ただ、「石やボールに見立てたそれをゴールに決めたら勝ち」というルール以外のルールがなく、
手を使おうが足を使おうが、格闘技的な要素が加わろうが何でもありという、
とても過激な一面を持った遊びだったのだとか。
この遊びを元に、手を使うボールゲーム、手を使わないボールゲームという具合に変化し、
様々なタイプのフットボールが生まれていったといいます。
その中にアメフトやラグビーが含まれます。
このようにして時を経る中で、
イギリスでは私たちが知る現在のサッカーの元となるボール遊びのルールを作ります。
そして、このボール遊びに「アソシエーション・フットボール」という名前をつけました。
ルールが出来たことで、面白味も増し、子どもから大人まで
このアソシエーション・フットボールの虜になったのでしょう。
いつの間にか、アソシエーション・フットボールというスペルの一部を取り出し、
略称で呼ぶ若者が増えました。
この略称が最終的にサッカーという愛称に落ち着き、現在に至るようです。
ですから正式名称はフットボールで愛称はサッカーというのが王道のようですが、
このボール遊びから生まれた様々なスポーツを持つ国では、
アメリカンフットボールや、ラグビーフットボールと、
似たような名前のスポーツが多くてはややこしいため、
自然と愛称である「サッカー」という名前の方が馴染んだようです。
サッカーに触れる機会がありましたらチラリと今回のお話を思い出していただけましたら幸いです。
それにしても、サッカーの呼び方ひとつで、
その人が暮らしてきた場所のスポーツの歴史を
ほんの少しだけれども垣間見ることが出来るというのは面白いものだなと感じたある日のメッセージでした。