「長時間座り続ける生活を送っている人ほど寿命が縮まる、老化する」
という調査結果をご存知でしょうか。
既に一般常識化しつつありますが、今回はそのようなお話を少し、と思っております。
ご自分やご家族に当てはまると思われた方、
この機会に、簡単にサックリと「座りっぱなしと健康の関係」を覗いてみませんか?
お時間ありましたら、のんびりとお付き合いくださいませ。
先日、友人からこのようなメッセージが届いたのです。
「今日も座りっぱなしなんじゃないの?室内ウォーキングでもしたらどう?」と。
何処からか覗いているのかしらと思ったのも束の間、
とても有難い心配りに感謝した私は席を立ってリビングへと向かい、軽いストレッチを始めました。
私が友人の提案を素直に聞き入れたのには訳があるのです。
ある専門家チームが14年間という月日をかけて、
デスクワークをしている12万人の男女を対象に、
長時間座り続けることと寿命の関係を調査したのです。
その結果、「長時間座り続ける生活を送っている人ほど寿命が縮まる、老化する」
ということが分かりました。
長時間座り続ける生活は寿命を縮めると言われていますが、
ただ単に寿命が縮まるだけではなく、
肥満や糖尿病、心臓病を引き起こすこともあり、
これらは、「座り病」と呼ばれNASAでも研究が続けられています。
NASAと言えば宇宙飛行士を連想されるかと思うのですが、
彼らの体内変化からはこのようなことも分かっています。
無重力の環境下では、
耳の中にある「耳石(じせき)」が働かないため筋肉に刺激を与えることができません。
「耳石(じせき)」というのは、全身の筋肉や自律神経と繋がっています。
このため、耳石(じせき)が活発に働くと筋肉の動きが活性化し、
筋肉の動きが活性化することで心臓などの働きも良くなり血の巡りも良くなります。
血の巡りが良くなるという事は、コレステロールや糖の代謝もよくなります。
一方、耳石が動かず刺激を与えることができないとなると、
無重力の環境下で筋力トレーニングを行っても筋力が付かないどころか、
筋力は低下していき、自律神経の働きも衰えます。
そうなりますと、体内器官や身体機能も低下していき、結果、寿命が縮まることになります。
この宇宙飛行士たちが置かれている状況や経験していることは、
私たちの日常にも起こり得ることだといいます。
それが、イスに長時間座った後に体を動かすことで、
この状況は無重力状態に近い状態なのだと言います。
このようにして私たちは、知らぬ間に様々な身体機能の低下と老化を重ねています。
細かいパーセンテージは割愛致しますが、
特に、平日働く人々が長時間座り続けるのが非常に問題のようで、
1日に6時間座り続けた女性は、3時間未満しか座っていない女性よりも寿命が縮まるとのこと。
男性も女性同様に寿命が縮まると言う結果ではあるものの、
女性の方がリスクが高いというのが現状です。
自分が意識していないところで、
勝手に寿命が縮まることも老化が進むこともいい気分ではありませんよね。
そこで、できることから取り入れてみてはいかがでしょうか。
このようなリスクを減らすには、
しっかりと運動をすることが一番のようですが難しい方もいらっしゃるかと思います。
そのような場合には、仕事の前後にお散歩をすることに加え、
仕事中にも軽いストレッチを行うことも効果的だと言います。
しかし、運動の時間もお散歩の時間もない方もいらっしゃいます。
更に、お仕事をされている方の中には、
思うように席を立つことが出来ないと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような時には、自分の飲み物を準備したり、コピーをとったり、
トイレ休憩へ行ったりする時間を有効的に利用し、
体を解す、屈伸をするなどのストレッチを加えてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、様々な理由でストレッチやお散歩が難しい方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような場合は、30分おきに立ち上がるだけでも効果があると言います。
立ち上がることが難しい場合は、
首を左右に動かすだけでも耳石が動き、体に刺激を与えてくれるといいます。
ご自身やご家族が長時間のパソコン仕事、デスクワークに携わっていたり、
気付けば座っていることが多い生活をしていることに気付かれた方は、
日中に無理なくできることを、まずはひとつプラスしてみたり、提案されてみてはいかがでしょう。
人によって出来る事は様々ですが、これだけの対策バリエーションがあれば、
何かしら日常生活にプラスできるような気がしませんか?
体を動かすことができる方は出来るだけ動かすことに意識を向けて、
体を大きく動かすことが難しい方は、
「耳石(じせき)」を動かすことに意識を向けてみてはいかがでしょう。
体を健やかに保つ方法はひとつではありません。
あなたの体、あなたの大切な方々の体を健やかに保つきっかけになれましたら幸いです。