本日、6月10日は時の記念日なのだそう。
そのような記念日があることは、頭の片隅にありはしたものの、
日常生活を送る中で、「今月は時の記念日がある」、「明日は時の記念日だ」、
などと思ったことはなかった。
先日、街中にある年季が入った店構えの小さな時計店の前を通ると、
これまた年季が入った「のぼり」がバサッと音を立てて風に靡いた。
その大きな音につられて「のぼり」に視線を向けると、
色褪せた文字で「6月10日は時の記念日!」そう書かれていた。
時の記念日は6月なのか、そう思った。
しばらくして、時間潰しにでもと時代物の小説を読んでいたときのこと。
漏刻(ろうこく)の文字が目に留まった。
漏刻(ろうこく)というのは、中国から伝わってきた水時計のこと。
水時計は一定の速度で水が壺に溜まるように調整してあることから、日時計とは違い、
現在、私たちが使用している時間の見方、感じ方、計り方に近い状況を作った、初めての時計だ。
今の「時」の形式ができたきっかけとなっているのだから
時の記念日と関係があるのかしら、と少し調べてみたところ、
こうして、漏刻(ろうこく)により正確に時刻を告げることができるようになった状況が
記録として記し残されている日が6月10日だったことから
後に、この日を「時の記念日」としたようだ。
時の記念日が出来たとき、
日本には様々な外国文化が入ってくるようになっていた。
時代は目まぐるしく変化し続けており、欧米への憧れも増していたのだろう。
欧米のように規則正しく時を刻むことで暮らしをもっと合理的に。
そのような意味合いも「時の記念日」には込められていたのだとか。
人の意思に関係なく、時計が、規則正しく時を刻み、計る日々が当たり前。
そのような時代に生まれた私から見れば、
当初「時の記念日」に込められた思いは、少々ドライすぎるようにも感じられる。
だけれどもそれは、手にしたことがないモノや、
手に出来ないモノに気持ちを持って行かれる、無い物ねだりのようなものなのかもしれない。
今では、時間の大切さや日々について考える意味合いが強い「時の記念日」。
私はありきたりではあるけれど、
どのような過ごし方をするにしても、私自身が「悔いなし!」そう思えるような時を
大切に重ねていきたいと思っている。
あなたは、時の記念日に何を思いますか。
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