あ、気付けば6月16日が過ぎてしまっている。
開いた手帳に細々と書き込みながら気が付いた。
さすがに「和菓子の日」までは記されていない私の手帳を眺めながら、来年の手帳レフィルを購入したら6月16日のスペースに「和菓子の日」であることを書き込んでおこうと思ったのだけれど、確か昨年も同じことを……と脳裏に過った。
翌年の手帳レフィルを購入する頃は、梅雨時期の記憶の大半が薄れており、年末だ年始だと気もそぞろ。
だから毎年、少し遅れて和菓子の日を楽しんでいるように思う。
一見、ただの食いしん坊が好みそうな、大人の事情が絡んだ日のようにも見えるけれど、これは平安時代の頃からある風習である。
もともと、疫病や災厄を祓い鎮めて健康と幸せを願って神様にお菓子を供えたことが始まりなのだとか。
これは「嘉祥(かじょう)の儀」と呼ばれ、6月16日に宮中行事として始まっているのだけれど、16日にちなんで16個のお菓子やお餅などを神前に供えたという。
とても大切に執り行われていた行事だったようなのだけれども、明治時代にはすっかり廃れてしまったといい、これを復活させたのが全国和菓子協会である。
今度は「嘉祥(かじょう)の儀」という名から、現代人にも親しみやすい「和菓子の日」という名にお色直しをして再登場だ。
神社によっては、6月16日の和菓子の日に「嘉祥(かじょう)の儀」を執り行っているところもあり参拝がてら楽しむこともできるのだけれど、今年は中止になったところが多いのではないかと推測している。
コロナウィルスで大変なときだからこそ、疫病を鎮めて健康と幸せを願う「嘉祥(かじょう)の儀」をと思ったりもするのだけれど、なかなか難しい現状に、もどかしさが募ったりもする。
しかし、このようなことは気持ちひとつで如何様にもできると思っている私は、6月中に自宅にて「嘉祥(かじょう)の儀」を楽しんでみようかと思っている。
単純に美味しい和菓子を食べたいだけにも聞こえるけれど、古から続く宮中行事を自由に自宅で楽しめるなんて、ちょっと素敵じゃないかと思うだ。
生活を変えていかなくてはいけない大変な時代に居るように思うけれど、「嘉祥(かじょう)の儀」や「アマビエ様」などの話を見聞きすると、先人たちもまた私たち同様に大きな変化を経験し、それを様々なチャンスに変えてきたのだろうと思う。※アマビエ様に関しては下記の関連記事からどうぞ。
和菓子の日である6月16日には過ぎてしまったのですが、まだ6月です。
お嫌いでなければ、疫病や災厄を祓い鎮めて健康と幸せを願いつつ、和菓子や和テイストのお菓子を召しあがってみてはいかがでしょうか。
いつもの暮らしを、より楽しむためのキッカケやヒントにしていただけましたら幸いです。
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