カフェでお茶を飲みながら街中の木々の色付きを眺めていた。
ふと、真っ赤な楓が恋しくなり、今年はとびっきり真っ赤な楓を観に行こうと思った。
目の前の紅葉そっちのけで燃えるように赤く色づいた楓を想像していたら、
そういえば、と、ある植物園の方に教えていただいた植物の血液型の話を思い出した。
今回のお話コードは植物の血液型でまいります。
お好きなお飲み物片手に、ゆったりとお付き合いくださいませ。
私たちの血液は、医療行為をスムースに行う理由もあり、
4つの血液型に分類されていますが、
植物の中にも僅かではあるけれど、
私たちの血液型と同じ型に分類することができる植物が存在しているといいます。
植物の血液型の存在は、日本の警察がある事件の調査で枕を調べたときに偶然発見されたのだそう。
枕からは、AB型の血液反応が検出されたようなのですが、
この反応はヒトの血液による反応ではなく、枕の中のソバ殻の反応だったといいます。
これをきっかけに、その後の研究から、植物が持つ糖タンパク質という成分を調べてみると、
植物の中にも、ヒトと同じ血液型を持っている植物があることが分かりました。
更に、ヒトの血液型は大きく4種類に分類されていますが、
植物はソバであれば、どれもAB型という具合に、ひとつの種族に対して型はひとつなのだそう。
しかし、楓はひとつの種族の中に複数の型がある珍しい植物のひとつ。
そして、その型の違いを肉眼で見分ける方法が紅葉狩りです。
楓は赤く色づくもの、黄色に色付くものとありますが、
赤く色づく楓はO型で黄色に色付く楓はAB型なのだそう。
楓の血液型を確認できるのは、葉が鮮やかに色付くこの時季のみです。
厳密に言えば、ヒトと同じ血が通っているわけではないので
似た成分が含まれていて、分類できる、ということではあるのですが、
血液型として見てみますと、楓に親近感が湧くような気も致します。
今年は紅葉の艶やかさ、鮮やかさを楽しみながら、
楓の血液型チェックをしてみてはいかがでしょうか。
様々な視点から秋をお楽しみあれ。