雑誌を捲っていたら、血液型占いのページが出てきた。
そして、以前友人が零したことを思い出した。
友人の子ども時代に血液型による性格診断や相性占いが流行り、
子どもたちの中で、血液型には“暗黙の順位”や“相性の正解”のようなものがあったという。
もちろんすぐに、血液型が何たるかも分かるようになり、
不確かなそれらに一喜一憂することはなくなったそうなのだけれども、
友人は、当たらずとも遠からずという微妙な振り分けが罪だったと、笑っていた。
人の血液型は、医療行為をスムースに行う観点から大きく4つに分けられているだけで、
血液を細かく見て行くと100%同じ血液型の人は存在しないと言われている。
日本では、血液型別の取扱説明書のようなものが、娯楽のひとつとして書籍化され、ベストセラーに上がったりするけれど、
自分の取り扱い説明書を読んでいても、当てはまる部分と、当てはまらない部分があると感じるのは、ある意味正しいと言えるのだ。
そして、血液型別の取り扱い説明書や、血液型による性格診断や相性占いを目にすると、
つい自分の血液型の欄に目を通してしまうことがあるけれど、
これは、どこかで自分のことを100%、ピシャリと言い当ててほしい、言い当てられてみたいという、欲求や願望によるもの、のようにも思う。
このような言い方をすると、これらの面白みが半減してしまうけれど、
言い替えれば、人は皆、無限に広がる可能性を秘めているということでもあると思うのだ。
ちなみに、血液型と性格に、何かしらの関係があるという見方を持ってるのは、日本をはじめとするアジア特有のものである。
以前、植物の血液型について触れたことがあるのだけれど、
実は、犬や猫、その他の動物も血液型によって、ざっくりと分けることができるという。
犬の血液型は13種類以上あると言われており、日本では10種類ほどに分けられている。
犬も医療行為をスムースに行うという観点から分けられているのかと思うけれど、
犬は、自分の血液型と異なる型の血液を輸血しても、赤血球が壊れることがないため、
緊急手術をする際でも血液検査をする必要がないという。
更に、性格も血液型に左右されるものではなく、
親の性格や育った環境、飼い主の性格、躾によって決まると言われている。
犬の血液型は、人によって髪の毛の色や目の色、肌質が少しずつ異なるのと同じようなものなのかもしれない。
一方の猫は、A型、B型、AB型の3種類の血液型のみだという。
そして、人間流の血液型のイメージで見ようとすると、
勝手気ままを好む猫にA型は少ないのではないかしら、
という予想を立ててしまいそうになるけれど、猫の9割以上はA型だという。
猫の性格も犬と同じで、性格の傾向が血液型によって決まるようなことはなく、
親の性格や育った環境や、飼い主の性格や関り合いなどを通して形成されていくという。
様々な動植物の血液型というものを覘いてみると、
人の性格もまた、生まれ育った国や環境、様々な関わり合い、受け継いだ性格などの中で形成されていくように思う。
フィルターを通して見ることで気付くこともあるけれど、
血液型に限らず、フィルターで自分や人を縛り過ぎず、縛られ過ぎず、決めつけ過ぎず、
誰もが、無限に広がる可能性を秘めているということを忘れずに居られたら、と思う。
そのようなことを思いつつ、とりあえず自分のページに目を通し、雑誌を閉じた。
関連記事:
画像をお借りしています:https://jp.pinterest.com/