日本各地で愛情を込めて育てあげられたお米を色々と味わってみたいという好奇心から、
我が家で口にする白米の銘柄は決めずにいる。
人に性格や特徴や相性があるように、白米にも違いや相性がある。
きっと、その土地ならではの食材や水、郷土料理と合わせると、
この美味しさは一段と増すに違いないと想像しつつ、お米の違いを楽しく味わっている。
ただ、時々、もう少し我が家の味付けに合うご飯に炊き上げたいと思うこともある。
私はそのような時、雑穀を混ぜることもあるのだけれど、
どうしても真っ白いご飯を食べたいと感じるときには、白米に少量のもち米を混ぜて調節する。
その、お頼り食材であるもち米が切れていたため、買って帰ることにした。
陳列棚にずらりと並ぶお米を見渡し、無洗米の種類も随分と豊富になったと思った。
日本人の主食であるご飯は「お米を研いで炊くものだ」という常識も、
並んでいる無洗米の種類や量の分だけ変わってきたということなのかもしれない。
今回は、私たちの主食である「お米のはなし」を少し、と思っております。
お時間ありましたら、ちらり覘いていってくださいませ。
無洗米は、一般的な精白米とは異なり研ぐ必要がない。
必要なお米の量に対してお水入れたなら、炊飯器のスイッチを押すなり、土鍋を火にかけるなり、
少ない工程でご飯を炊くことができる優れものだ。
だけれども、以前立ち寄ったお米屋さんのご主人に聞いた話によると、
無洗米と聞いて良い印象を持たない方も、まだまだ多いのだとか。
その中には、美味しくないのでは?と思っている方、
薬品を使って精米しているのでは?と心配する方、
ご飯は、お米を研いで炊くもの。たったそれだけのこともしないなんて、怠けている。と感じる方、
本当は使いたいけれど怠けていると思われたくなかったり、そうする自分が嫌だったり、
たったそれだけのことを「ラク」しようとしていることへの罪悪感などが入り乱れて使わない、
という選択に至っている方も居るのだろうと思う。
このような話題に触れている私自身はというと、先述の全てを思っていたことがある。
本当は使いたいのに変に我慢するという妙な状態に身を置いていたこともあったけれど、
今では、その双方の良さを実感し、認められるようになり、
誰に気兼ねすることもなく、無洗米も精白米も美味しくいただいている。
お米屋さんのご主人に、どうして無洗米は研がずに使えるのかと、素朴な疑問を投げかけたことがある。
精白米は精米する際に、胚芽とヌカを取り除いているのだけれど、
表面に、肌ヌカと呼ばれるものがピタッとくっつくようにして残っているのだそう。
この肌ヌカを残したまま炊いてしまうとヌカのにおいが強調されるため、
しっかりと研ぎ洗いをして、肌ヌカを落とす必要があるという。
一方の無洗米は、あらかじめ肌ヌカを取り除いてあるため、
研ぎ洗いをする必要はなく、お水を注ぐだけで炊くことができるとのことだった。
無洗米が登場して間もない頃に言われていた「無洗米は美味しくない」という口コミがあったのは、
この肌ヌカを取り除く技術に改善の余地があったからではないかと思う。
ただ、精白米も力任せに研ぎ洗いをすれば、お米がまとっている旨味や栄養分までも
取り除いてしまうことがあるため、精白米を美味しくいただくには、この研ぎ洗い加減がポイント。
そして、この点だけで見るならば、
今の無洗米は、高度な機械技術によって旨味や栄養分が残された状態なので、
ある意味では精白米よりもバランスの良いお米と言えるのかもしれない。
何でも自由に選ぶことができる時代ですし、選び方次第、使い方次第、使い手次第。
無洗米も日々進化しているので、気になっている方は、
新しいことにトライするような感覚で、無洗米デビューを楽しんでみても良いのではないだろうか。
お米の精米技術と言えば、確か、江戸時代辺りに大きく発展したように思う。
だけれども、主食として白いご飯を食べられるのは一部の限られた人たちのみ。
そのような世の中を示すかのように、
この頃、白いご飯を食べていた人たちに脚気が流行り、脚気によって命を落とす方がいたと言う。
先ほどの内容と重複するのだけれど、
この現象は発展途中に在った精米技術によって肌ヌカだけでなく、
栄養分もごっそりと取り除かれてしまっていたことや、
白米ではなく雑穀を主食としてバランスをとっていた食生活が崩れたことが原因だという。
脚気はビタミンB1が不足して起こるもの。
現在は治療法もある病気なので脚気よりも、
ビタミンB1の不足が招く「太りやすい体」の方が要注意項目のように思います。
ビタミンB1は糖質を代謝する際に大量に必要な栄養素です。
ビタミンB1が不足していると糖質は中性脂肪などとして体に蓄えられていき、
度が過ぎれば様々なダメージを体に与えます。
それならば、糖質を含む白米を食べなければいいのでは?と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、
白米にも様々な栄養素が詰まっていますし、糖質は生命を維持するためのガソリンですので、
白米を食べないという方法ではなく、
白米を美味しくいただくときには、糖質を代謝してくれるビタミンB1を含む食材もお忘れなく。
お米もココロも柔軟に楽しんでみてくださいませ。
今日も大地の恵みを美味しくいただいまいりませう☆彡
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