救急箱を開けたついでに、常備薬の使用期限を確認した。
箱の底に沈むようにして横たわっていた体温計を引っ張り出し、もう少しだけ目立つ場所に置き替えた。
今年は、自分の命を守るための水分補給を、行動を。と言ったフレーズを頻繁に耳にする。
初めて耳にしたときには、大げさにも感じられたフレーズだけれども、自分の平熱を優に超える猛暑日の連続に、
尋常じゃない暑さの中で過ごしているのだと改めて認識させられている。
外で遊びたい盛りの小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では、自然と気にかけることも増えるけれど、
うっかり自分のことを気遣い忘れていた、ということがないようにしていただきたいと思う。
体温計に38度、39度、40度という数字が出れば、その数字を目にしただけでクラクラと眩暈が起きそうな気分になることがあるけれど、
平熱や身長によって体感温度に差がでてくるとは言え、現在これが、外気温である。
これまでの、気温や体温に対する感覚や認識、常識が一掃されるような夏だなと、体温計を眺めながら思った。
私は暑さや日差しに苦手意識があり、夏は、塩を振りかけられた青菜のようにしているのだけれど、
不思議と顔を合わせた友人たちには、涼しい顔をしていると言われるのだ。
どんなにグッタリだと言っても、その程度が思うように伝わらず、もどかしさすら感じている。
私があまりにも力説していたのだろう。
友人が、何か変わった暑さ対策をしていのでは?と聞いてきた。
特別なことなど何も……、そう思っている私をじぃーっと観察していた友人の視線が、
待ち合わせ前に立ち寄ったドラッグストアの袋へと向き、もしや!?と思った。
ワタクシ、夏の外出には冷えピタなどの名称でお馴染みの、冷却ジェルシートを愛用することがある。
貼っている場所は、ワキから指4本分下の辺り、ノースリーブを着ていても見えない位置。
これは、発熱時などに早く熱を下げるために、太い動脈が通る場所を冷やすけれど、これを暑さ対策に利用したもの。
これをしたからと言って外が暑くなくなるわけではないのだけれど、
体感温度を2、3度は下げられるため、随分と過ごしやすくなるのだ。
女性の場合は、上半身からの汗を抑えることができるため、
汗で日焼け止めやメイクが流れたり、ヨレたりすることを抑えることができるように思う。
冷却ジェルシートは、通常8時間ほど効果が持続すると謳われているものが多いけれど、
これだけ暑いと、もって5時間ほどではあるけれど、私自身はそれだけの時間もってくれれば御の字なので、特に日差しが強い日や、出来るだけ汗を抑えたいシチュエーションの日、
アウトドア時なども欠かさずお洋服の下に仕込んでいる。
お洋服のデザインによっては、大人用の冷却ジェルシートの厚みが気になる時には、
子ども用のシートを使い、予備をバッグに忍ばせるなどしている。
私の妙な使い方を聞いた友人は大笑いしたものの、
後日予定していたお出かけに仕込んで行ったところ、不快な時間が減ったと言っていた。
お仕事や楽しいお出かけを問わず、
ジリジリと照り付ける炎天下の中を歩き回らなくてはいけない時というのは、
「暑い」というだけで普段の数割増しでグッタリしてしまうもの。
そこにきて、今年のこの暑さ。
これだけ暑いと、子どもたちの外遊びに付きそうお母様方も大変です。
もし、中途半端に残っている冷却ジェルシートがありましたら、
試しにお洋服の下に、こっそりと忍ばせてみてはいかがでしょうか。
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