幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

ヘソクリから思う向き不向き。

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ひょんなことから知人とヘソクリの話になった。

ヘソクリとは、皆さんご存知の人に秘密にしてこっそりと貯めたお金のことである。

ヘソクリの隠し場所に関しては、自宅に秘密の場所を設けている人もいるけれど、銀行に秘密口座を設ける人もいたりして、ヘソクリというものは、ある意味個性が見え隠れするものなのかもしれないという話題だ。

今はまだ、お金というものは目で見ることができ、手で触れることもできるものだけれど、そう遠くはない未来、実際に手で触れることができないものと化したとき、このヘソクリの隠し方や貯め方にも変化が出るのだろうかと話は続いた。

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そう言えば、人に秘密にしてこっそりと貯めたお金をヘソクリと呼ぶけれど、この呼び名の語源には、ある時代のエピソードがもとになっている。

あるとき、家計を助けようと農夫の奥さんたちが仕事を始めたという。

当時の女性たちが出来る仕事は限られており、家を空けることなく空き時間を利用してできる仕事となればその選択肢は更に減った。

その数少ない選択肢の中から女性たちが選んだ仕事は、麻でできた糸を機織り機で使えるよう、きれいに巻き取るという仕事だったという。

まず、麻糸を「綜(へ)」と呼ばれる道具にかけ、次に「綜(へ)」にかけた麻糸を手繰り寄せながら巻き取るのだそう。

巻き取り終えて使える状態に整えられた麻糸は「綜麻(へそ)」と呼ばれ、この内職作業そのもののことは「綜麻繰(へそくり)」と呼ばれていたのだとか。

そして、女性たちはいつからか、この綜麻繰(へそくり)作業によって得た収入の一部を少しずつ抜きとり、家族に内緒で貯めこむようになり、

こうして貯められた秘密のお金をいつの頃からか綜麻繰(へそくり)金と呼ぶようになったという話が、ヘソクリの語源の有力なものとして語られている。

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私はこの語源を知る機会がくるまで、お臍(おへそ)絡みの語源だとばかり思っていたため、

綜麻繰(へそくり)と呼ばれる作業があること自体、初耳だったけれど、聞くところによると綜麻(へそ)という言葉は古事記にも登場しているというではないか。

古事記は、何度も目を通す機会があった書物のひとつなのだけれど、私の記憶からは、そのような言葉の欠片すら見つけることができず、そのうち目に留まるのだろうかと思った。

あまり自信はないけれど、綜麻(へそ)の言葉を見つけたときには、しかとこの目に焼き付けて置こうと思う。

ヘソクリ、皆さんは得意なのだろうか。

私は、始めるというワクワク感を抑えられず「ワタシ、ヘソクリを始めようと思って」と宣言し、「それはもう、ヘソクリとは言わないのでは?」と指摘されたことがある。

どのようなことにも向き不向きがあるのだなと思うこの頃である。

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