幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

先人たちも一石二鳥以上を狙っていた気がする芋名月。

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残暑に気を取られているうちに空気はすっかり秋の匂いだ。

初夏に香るフレッシュな草木の匂いも良いけれど、秋に鼻先を擽る、少し乾いた草木の匂いも風情があっていい。

そのようなことを思いながらガーデンチェアで乾いた喉を潤わせていると、ふわりと甘い香りが風に乗って運ばれてきた。

それが秋桜(コスモス)のものだと分かったのは数日経った後だった。

9月に入り、重陽の節句(菊の節句)も過ぎ、十五夜の日もすぐそこまで来ている。

いつまでも暑いだ残暑だと言っているのは私の方で、自然は暑かろうが寒かろうが関係なく、着々と自分が刻むべきペースを刻んでいるように思えた。

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そうそう十五夜は、旧暦の8月15日に行うお月見のことなのだけれど、「芋名月」や「中秋の名月」という異名を持っております。

芋名月は旧暦の8月15日のお話ですので、これを現代に当てはめると毎年芋名月の日は変わります。

今年は9月13日が芋名月です。

この日は、ススキやお月見団子、収穫した農作物、お酒などをお供えするのですが、稲穂の姿に似ているススキは、稲の豊作を祈るためのお供えものという以外にも、

魔除け効果を持ったススキをお供えすることで、家族皆が一年間、病気を患うことなく過ごすことができるという意味があります。

メインとなるお月見団子も、収穫したお米を材料にすることで改めて、農作物を収穫できることに感謝し、月に見立てたお団子を食べることで健康と幸運(ツキ=月)を手にすることができるという意味があるのだとか。

また、このお月見は、お芋の収穫を祝うものでもあったことから、サツマイモや里芋をお供えしたり、食べるという風習もあります。

お団子やススキの準備まで手が回らないという時には、サツマイモや里芋を使ったお月見メニューで五穀豊穣や家族の健康を祈るのも良いのではないでしょうか。

五穀豊穣と人々の基盤である健康を共に願うことができるようになっている辺り、先人たちが本当に必要なことや本当の願いをしっかりと知っていたことが窺えます。

豊かさは素敵だけれど、ある一定の豊かさが当たり前になってしまうと、このようなシンプルなことへの感謝や思いが後回しになることもあるので、このような歳時記を通して触れることで、自分の軸を自分の真ん中に据えることができるようにも思います。

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過去に何度か触れているのですが、お月見は十五夜だけではなく十三夜も是非。

片方だけお月見をするのは縁起が悪いため、「お月見をするならば十三夜もセットで」と言われております。

片方だけ見ることは縁起が悪い、と言うならば、十五夜(芋名月)も見送ってしまおうなどと言わずに、楽しく、ワクワク夜空を見上げたり、お月見メニューを楽しむなどしてみてくださいませ。

芋名月まで、あと数日ですが、ここから始まる新しい1年が、ここへ足を運んでくださっている皆さんと、皆さんの大切な方々にとって様々な豊穣と健やかさに満ちたものになりますよう、芋名月に込めまして、本日はお開きとさせていただきます。

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