古い映画のワンシーンに、主人公が床に両手をついて逆立ちをする場面があった。
それをぼんやりと眺めながら、学生時代、頭や体がすっきりしないときや考えがまとまらないときなどに逆立ちをする友人がいたことを思い出した。
逆立ちをすると、体の下部に溜まっている(溜まっているような気がする)状態の血液が、体中を駆け巡り、頭の隅々にも血液に含まれている酸素や栄養が行き渡るため、頭と体がすっきりとして、良いことを多々閃くというのだ。
当時、逆立ちを、そのような説明と共に強く勧められた私もトライすることになったのだけれど、友人のような運動センスを兼ね備えていない私は、おっかなびっくりで逆立ちをすることとなった。
しかし、恐怖心が好奇心の少し先をいくため、一度でスパッと逆立ちが決まることはなく、もしこれでケガでもしてしまったら笑い者確定だと思うと、増々筋肉が萎縮し、上手に逆立ちすることはできなかった。
大人になりそれなりの歳月が過ぎた頃、そのようなことがあったと、人の体を整えることを生業にしている方に話したところ、逆立ちをしなくても、同じ効果を得られる動作があると返ってきた。
それは、どのような?
気付けば、いつも以上に前のめりになって尋ね返していたように思う。
その方は、逆立ちをすることには様々な危険性も含まれているため、慣れない人は逆立ちをする必要はないとキッパリと言い切ったあと、逆立ちをしたときと同じような効果を感じられるストレッチを教えてくださった。
今回は、そのようなお話を少し。
ご興味ありましたら、柊希に少しだけお付き合いくださいませ。
そのストレッチとは、まずは、足を腰幅よりも大きく開きます。
その状態で、両手を後ろで組みます。
このとき肘は、ピンと伸ばし、両腕を使って左右の肩甲骨を中央にぎゅーっと引き寄せます。
この状態をキープした状態で、次は膝の裏伸ばしたまま、腰からゆっくりと前に上半身を倒します。
このときの目安は、股関節の辺りが90度になるようなイメージです。
組んだ両手はまっすぐ天井を指すようにし、頭は首の力を抜いて項垂れるように下げます。
頭の項垂れ具合の目安は、頭が心臓よりも下の位置になるくらいです。
この状態で、ゆっくりと深呼吸を繰り返します。
時間にして15秒から20秒ほどで十分とのこと。
その後、ゆっくりと体を起こして体勢を整えると、体中の血液の巡りが良くなり、全身がポカポカとおしてきて、頭もスッキリします。
これは、ヨガに登場するポーズのひとつでもあるそうなのだけれど、
体中の硬くなっている筋肉を伸ばしながら血液を巡らせるため、駆け巡る血液と一緒に酸素や栄養も全身に届けられ、疲労が和らいだり頭がスッキリするのだそう。
特に脳は、私たちが思う以上に酸素や栄養を欲しているため、気分が悪くならない程度に、時々こうして血液の巡りを良くするのも、快適に過ごす方法のひとつなのだとか。
逆立ちをするには、腕の力や体幹、その他のバランス感覚などが必要になる上に、慣れていない方や、知らぬ間に筋肉が衰えている場合などは危険を伴うため、
気分転換も兼ねたこのようなストレッチで、逆立ちの効果と全身の筋肉ほぐしを同時に行ってみてはいかがでしょう。
これは私の経験なのですが、血の巡りが滞っている時や疲労が溜まっているときは、少し眩暈のような感覚を覚えることがあります。
このような時には、無理をせずに10秒ほどのストレッチを、隙間時間に行うようなスタイルで、体と頭の中の疲れを取り除くと良いように思います。
できることを、できるときに、できる分だけ少しずつ、ですね。
ボディメンテナンスも楽しくまいりましょ☆彡
何かしらのヒントやきっかけにしていただけましたら幸いです。
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