幸せのレシピ集

cawaiiとみんなでつくる幸せのレシピ集。皆様の毎日に幸せや歓びや感動が溢れますように。

じゃんけんに登場する「ぴゅい」ってなあに?

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先日、あることを決める際に「じゃんけん」を使った。

オトナになると「じゃんけん」をする機会も減るものなのだな、とふと思う。

どこの国にも「じゃんけん」のようなものがあるけれど、

日本発祥のそれとは少々異なるスタイルの国もある。

それを知ったのはある年のサマーバケーション中の出来事だった。

 

私は長期休暇を利用して2週間程のヨーロッパ旅行をすることにした。

現地の旅行会社で手頃なツアーに申し込んだのだけれども、

ツアーの参加者の多くが偶然にも様々な国籍の同世代だったこともあり、

いつの間にか、特に気の合うもの同士で、いくつかのグループができていた。

あるとき、何かの順番を決めなくてはいけなくなり、

グループの最年長同士による「じゃんけん」が行われた。

その時である。

そこには、始めて見る「じゃんけんのカタチ」があり、

勝ち負けの判断が付けられないという不思議な状況を目のあたりにしたのだ。

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私たちが使っている「じゃんけん」には、

グー(石)、チョキ(はさみ)、パー(紙)の3種類のアイテム(手の形)があるけれど、

このアイテムが国によっては4種類だったり、5種類だったりと異なる。

そして、日本と同じ3種類のアイテム(手の形)を使っている国の中には、

「石」と「はさみ」と「紙」ではないケースもあった。

口々に「その形は、何?」と言い、じゃんけんは世界共通じゃないのか!と皆で驚いたのだ。

今回は、その言葉の響きがカワイイという理由で

フランスの「じゃんけん」のお話を少し。

 

フランスの「じゃんけん」で使われているアイテム(手の形)は、4種類。

その中の3種類は日本と同じグー(石)、チョキ(はさみ)、パー(紙/葉っぱ)なのだけれど、

そこに、ピュイと呼ばれる井戸が加わる。

ピュイの形は、人差し指と親指の先をくっつけて輪を作り、

残りの3本の指は人差し指の下に重ねるようにして添える。

そして、気になる勝敗はというと、

グー(石)は、ピュイ(井戸)の中に落ちてしまうのでピュイ(井戸)に負ける。

チョキ(ハサミ)も、井戸に落ちてしまうのでピュイ(井戸)に負ける。

パー(紙/葉っぱ)は、ピュイ(井戸)を塞ぐことができるのでピュイ(井戸)に勝つことができる。

となるのだけれど、このルールに慣れてフランス式の「じゃんけん」を使っていると、

あることに気付くのだ。

パー(紙/葉っぱ)とピュイ(井戸)は4分の2の確率で勝つことができるけれど、

グー(石)とチョキ(ハサミ)は4分の1の確率でしか勝てないということに。

さらに、グーを出していたはずなのに、

こっそりとピュイに変えるというズルやその逆をする人が現れるということにも。

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そして、当時、柔道を習っているという青年が「じゃんけん」は日本で生まれたものだから、

旅行中の「じゃんけん」はジャパンスタイルに統一してみてはどうだろうと提案した。

私は、その時に初めて「じゃんけん」が日本生まれだと知ったのだけれども、

知らなかったとは言い難い空気もあり、

知っていた風をぴゅーぴゅー吹かせつつ、

ジャパンスタイルの「じゃんけん」を伝授した記憶がある。

「じゃんけん」をする機会がありましたら

フランススタイルの「ピュイ」をちらり思い出していただけましたら幸いです。

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お箸置きの誕生秘話が呼ぶ謎。

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あまり増やさないように気を付けているものの中に、「お箸置き」がある。

我が家では、毎日使うアイテムで、季節やお料理、

その日の気分やお客様の年齢などによっても使い分けるため、たくさんあっても困りはしない。

だけれども、食事の回数は、どんなに多くても1日3回。

気軽に、「たくさんあっても良し」としてしまうと宝の持ち腐れになってしまうため、

出来るだけ衝動買いをしないようにしているものだ。

私の心内を知ってか知らでか、心ときめくお箸置きの多いこと。

先日も素敵なお箸置きを前に動けずにいた。

 

お箸を使う国は多々あれど、お箸のみで食事を完結させることができたり、

お箸置きが文化として存在しているのは、とても稀で日本だけだと聞きます。

誰が、どのような理由で「お箸置き」を日本に広めたのか。

その人物は現在、

本当は実在していない人物なのでは?という視点からの研究がすすめられている

聖徳太子だと言われております。

彼の存在の真意はさておき、どうして彼は日本で「お箸置き」を使うことを広めたのか。

今回は、そのようなお話を少し。

 

実は日本人、もともとは、お箸などの道具を使わない手掴みスタイルで食事をしていたのだそう。

聖徳太子が登場する前に、

お箸のような使い方をする、今で言うトングのような道具があったそうなのですけれど、

それは祭典などでのみ使用されるもので、

日々の人々の暮らしの中で使われるようなものではなかったと聞きます。

 

手掴みスタイルに不自由を感じることなく生活していた日本人でしたが、

聖徳太子は、中国に遣隋使を送り、

中国には「お箸」というものを使う食文化があることを知って衝撃を受けます。

そして、その衝撃は次第に危機感へと変わっていったのです。

もし、中国に「日本人は手掴みスタイルで食事をする」という実態を知られたならば、

日本は品が無い野蛮な国だと見下されてしまうのではないか、と思ったという説があります。

また、中国からの来客と共に日本人が食事をする際、

同じようにお箸を使って食事をした方が良いのではないだろうかと思ったという説も。

様々な説が残っているのですが、共通しているのは、

聖徳太子が早急に日本にも「お箸スタイル」での食事を広めなくてはと感じたことが垣間見えること。

きっと、迅速にお箸スタイルを広めたのでしょう。

次第に、多くの人や地域に現在のスタイルが定着したようです。

 

これに伴い、それまではトングのようなもので神様に捧げていた食べ物ですが、

お箸を使って盛り付けて捧げるようになります。

神様への捧げものを盛り付けるお箸ですから細心の注意を払っていたのでしょうね。

使っている最中のお箸そのものも、清潔に保たなくてはという気持ちが働き、

お箸の先端を汚さないように「お箸置き」が作られ、使われ始めたのだそう。

 

時代の変化と共に庶民の間でも、

口に含んだお箸をテーブルに直置きするのは、衛生的によろしくないし、

お箸をお茶碗やお皿に乗せる「渡し箸」はお作法にも反する、

といった様々な理由や目的が重なり、「お箸置き」が根付いたと言われております。

 

ただ、聖徳太子が実在しなかったのなら、いったい誰が!?と思いませんか。

そして誰が聖徳太子の名を騙ったのか。

最近、お箸置きの誘惑に遭うと、この謎解きをひとり想像して誘惑回避している柊希です。

お箸置きを使う機会がありましたら、

聖徳太子のお話をチラリと思い出していただけましたら幸いです。

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人は、変わりゆくものと変わらぬものの狭間で、その時代を生きている。

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ある日、百人一首に関するお話を伺う機会があった。

その道の専門家と言われている方のお話しを聴く機会はそう多くはないだろうからと、

数日前からワクワクしていた。

しかし、当日の私は、百人一首の内容とは全く関係のないことばかりを脳内に巡らせていた。

目の前に並べられた札に描かれている女性たちを見ていて思ったのだ。

まるでウエディングベールかしらと思うほどに長い髪の毛を引きずりながらの生活は、

さぞかし大変だっただろうに、と。

特に平安時代の女性たちと言えば、

「おすべらかし」と呼ばれる、引きずるほどに長い髪の毛を垂らしたヘアスタイルが主流。

しかも、この長さの髪の毛を艶やかに保つことが美人の条件とまで言われていたというのだから、

時代の声というものは、時に厄介である。

あれだけ髪の毛が長ければ、

頭皮が常に髪の毛の重みで引っ張られ痛みを感じることもあっただろうし、

肩だってこっただろう。

部屋の中や屋敷内を歩く度に髪の毛がモップのような役割を果たし

髪の毛の先はホコリまみれだったのではないだろうか。

今の様に毎日お風呂に入り、シャンプーをすることができる時代ではない。

もちろん、体や髪の毛を清潔に保つためのケアに気を配っていたのだろうけれど、

満足できるようなケアは出来なかったに違いない。

眠るときはどうだっただろうか。

古い書物などの中では枕元に大きな箱を置き、

髪の毛が絡まったり、傷んだりしないように、

その箱の中に入れて眠っていたと記されていたりする。

なんて窮屈な生活だろう。

私なら1日で音をあげるのではないだろうか。

今のようにバッサリと好きに短くしたり、多すぎる髪の毛をすいたりすることができたのなら、

彼女たちは、普段とは異なる軽やかさを感じて歓喜の声を上げたかもしれない。

そう言えば、清少納言ちゃんの書物、春は曙~でお馴染みの枕草子。

その中で彼女は、ある貴婦人のことをこのように言っているのだ。

十二単の一番上に重ねる丈の短い羽織の襟に垢が付いていて、

更に、その部分に白粉、今で言うファンデーションが斑に付いているのが見苦しい、と。

確かに、今の時代であれば身だしなみがなっていない、となるけれど、

当時の生活環境を思えば、致し方ないこともあるのではないだろうかと思ったりもする。

そのような中でのヘアケアやボディーケア。

以前、西洋の女性たちのコルセットについて触れたのだけれども、

どの時代も女性は何かと大変だ。

 

このようなことに思いを巡らせながら1枚の札をじーっと眺めていたのだけれど、

その道の専門家という方に、「その和歌、お好きなんですね」と声をかけられてハッとした。

まさか、和歌の世界ではなく、

当時の女性たちのヘアケア事情に思いを巡らせていましたとは言えず、

慌てて手にしていた札に収められている和歌を目で追った。

人は、どの時代も変わりゆくものと変わらぬものの狭間で、その時代を生きているようだ。

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簡単甘酒づくりで、日々の暮らしに、ちょっとしたワクワクと感動を。

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飲む点滴、飲む美容液と言われる甘酒。

ライフスタイルが不規則な私は、時々、この甘酒の力を借りる。

栄養補給や体内時計の調整を求めてではあるのだけれど、

体やお肌への嬉しい効果も感じられるようになったため、

カラダ丸ごとお願いします、そのような気持ちで味わっている。

 

米麹を発酵させた甘酒には、

疲労回復と保湿効果に力を貸してくれるビタミンB群が豊富な上に、美白に働くコウジ酸、

整腸作用や便秘改善に長けた食物繊維やオリゴ糖もたっぷり含まれている。

これらの心強い栄養素が体中に届けられると内臓が活性化し、

自然と代謝も上がり、ズボラな私を優しくサポートしてくれるのだ。

 

甘酒は2種類のタイプに分かれているけれど、

私が好んで口にするのは米麹を発酵させる過程ででる自然の甘さを楽しむ

砂糖不使用、ノンアルコールタイプのもの。

自然の甘さと言うと、満足できる甘さではないのでは?

と思う方もいらっしゃるかもしれないけれど

しっかりと発酵した米麹の甘酒は、

ヨーグルトに添えるジャム代わりになるくらいの甘さはあるのだ。

しっかりとした甘さがあるので、好みによって薄めることもでき、

アレンジの幅も広がり、飲むだけでなく、

お砂糖やアルコールを気にせずにお料理にも使うことができるのも魅力なのだ。

 

ただひとつ、不満に思うことと言えば、空き瓶の処理が少々面倒だということ。

これは、私が好んで飲んでいる甘酒がボトル入りだから仕方がないのだけれど、

何とかならないかしら、という思いが年々増してきていた。

そのような事をぽろっと友人にこぼすと、

「じゃぁ、自宅で作ってみたら?私は作り方は知らないけれど」と

私の友人らしい言葉を頂戴した。

それもそうだ、とホームメイドしてみることにしたのだ。

ネットで調べてみると、必要なものは、水と乾燥米麹、魔法瓶と温度計と至ってシンプル。

自分で作るのならば、とオーガニックショップで乾燥米麹を購入しトライしてみることにした。

その時に教えていただいたレシピは、このようなもの。

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【材料】

水300cc、乾燥米麹250g

※好みによって米麹を減らして薄めの甘酒を作ることもできます。この分量は、濃いめの食べる甘酒といった印象の甘酒ができました。他の飲み物で割ることもできます。

 

【手順】

【1】お鍋に水を入れて火にかけます。お水が65℃のお湯になるまで待ちます。

【2】乾燥米麹をお鍋に加え、60℃ぐらいまで下げながらかき混ぜます。

【3】【2】を魔法瓶に移し、8時間〜10時間保温すれば完成。お粥のような甘酒が出来上がります。

 

【ポイント】

温度管理がポイントになるのですが、

私は1回目は甘みが足りない甘酒になってしまいました。

これは、魔法瓶の中で温度が下がったことが原因だったようなのですが、

完成したものを再度60℃に温めてひと晩寝かせたら美味しい甘酒になりました。

2回目にトライしたときは、4時間が経過した頃に一度、

お鍋に移して60℃になるまで温め直し、魔法瓶に戻して6時間程放置したところ、

しっかりとした甘みのある甘酒ができました。

4時間前後で一度、温め直しをするとタイムロスが少なくて良いような気がします。

出来上がった甘酒に、

酸味がある場合は高温で保温され続けたことが原因で、

甘みが足りず粒が固い場合は低温で発酵しなかったことが原因となるようです。

 

【保存期間】

冷蔵庫で4~5日。

※冷蔵保存の前に再度加熱することによって保存期間が1カ月にまで伸ばすことができ、冷凍すれば半年間の保存が可能になるようですが、私は短期間で食べ切ることができる分量で作っており、5日を越える日数の保存を試したことがありません。5日以上の長期保存期間を希望している方は、正しい保存方法をご確認の上、長期保存されることをおすすめ致します。

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温度のコツさえ掴むことができれば自分好みの甘酒を作ることができますので、

甘酒を楽しみたい方や、

ちょっと新しいことをしてみたい方はホームメイド甘酒を楽しんでみてはいかがでしょう。

レシピと共に保存方法も沢山公開されていますので、

お好みのレシピを見つけるのも楽しいかもしれません。

私は、思いのほか美味しくできてしまったので、

2か月に1度くらいの頻度ではありますがホームメイドしています。

そのままでも十分に美味しいけれど、スムージーに加えたり、

甘酒とバナナ、甘酒と粒あんなどを混ぜて冷凍しアイスにしたり、

ソースやドレッシングを作る際のお砂糖変わりに加えることもあります。

私はお菓子作りは苦手なので作らないのですが、

お菓子作りをされる方は、もっとアレンジの幅が広がるかと思います。

 

大人になると子どもの頃のように実験をする機会も減ってしまうけれど、

甘酒づくりは、生きものである麹を使った大人の実験タイムのようでもある。

日々の暮らしに、ちょっとしたワクワクと感動を、いかがでしょうか。

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え!?それなの!?体調不良の時に飲む意外な飲み物。|フランス編

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スーパーのレジでお会計を済ませると店員が「1枚どうぞ」と

大きなくじ引きの箱を差し出した。

1000円以上のお買い物で1枚引くことができるそうで、

箱の中に手を突っ込んで1番最初に指先に触れた1枚を摘まんで引き抜いた。

丁寧に糊付けされたくじを店員は慣れた手つきで切り開き、

「コーラ1本です、どうぞ」と冷えたコーラを私に手渡した。

ちょっとしたプレゼントが舞い込み、いい気分でスーパーをあとにした。

コーラを使って煮豚でも作ろうかしら、

と思ったのも束の間、フランスでの出来事を思い出した。

ヨーロッパの急な気候の変化に体が付いていけなかったのか、体調を崩したことがあった。

熱が上がったり下がったりを繰り返し、食欲も落ち、

日本から持参していた薬で乗り切ろうとするも、

思うように快復しない自分に少しだけ心細さを感じていた。

そんな私を心配してくれたフランス人の友人たちが、

お見舞いだと言って持ってきてくれるものが、コーラだったのだ。

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始めは、お見舞いのお菓子のような位置づけなのかと思っていたのだけれど、

皆が皆、コーラを持参するものだから「どうしてコーラなの?」と尋ねてみた。

すると、病気の時はコーラが1番なのよ、知らないの?と返された。

知りませんわよ、病気の時はコーラが1番だなんて。

何度、そのようなことを心の中で呟いたことか。

病気の時には食欲が落ちて栄養をとることができないけれど、

コーラ―を飲めばカロリーを摂取することができるとのこと。

カロリーとは言っても栄養ではなく糖分ですわよね?と思うも、

彼らは真顔でそのようなことを言うのだ。

そして、コーラの炭酸が胃をスッキリ爽快にしてくれるのよ、とも言っていた。

何の解決にもなっていないではないか……。と私の心の中は突っ込みの嵐だった。

その場では、お見舞いのお気持ちだけありがたく頂戴し、

コーラは、快復してからお料理に使わせていただいた。

「病気のときのコーラ」は、おまじない的な民間療法なのかと思っていたのだけれど、

医師もすすめる病気の時の飲み物だというのだから驚きだ。

私は病気のときの水分補給はポカリスエットというイメージがあるため、

フランスで購入しようとしたのだけれど、

当時は、これがなかなか手に入れることができなかった。

日本の物を扱うお店には粉末状のそれが置いてあったりもしたのだけれど、

驚くような値が付けられており購入する気にはなれず、

結果、砂糖と塩とレモン果汁で手作りすることとなった。

おかげで、今では急な体調不良でポカリスエットの買い置きがなくても、

自分好みの塩梅でスポーツドリンクを作ることはできるけれど、

目と鼻の先のコンビニで手軽に購入できるのは、やはり、ありがたい。

コーラも色々なお顔をお持ちのようだ。

そのようなことを思い出しながら、小さなハッピーを握りしめ帰宅した。

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夏の優しい香りのまとい方。

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先日、営業でいらした方から名刺をいただいた。

名刺を差し出されたとき、

今にも消え入りそうなほど控えめだったけれど、優しい香りがふわりと鼻をくすぐった。

内容そっちのけで申し訳なかったかしらと後で思ったけれど、

その、ほんの一瞬だけの香りがあまりにも素敵な香りだったため

名刺香か何かですか?と尋ねてみると、「はい」と少しはにかんだような笑顔で答えられた。

営業という職業柄、色々と気を遣われているのだろうなと短いやり取りから感じた。

私の周りでも、香水よりも扱いやすく、思いがけず香りで迷惑をかけることも少ないため、

身だしなみのひとつとして、

におい袋や練り香水、名刺香、文香といったものを使うようになったという人が増えている。

 

におい袋とは、古くから日本で親しまれてきた香料入りの袋のこと。

火を焚かなくても楽しむことができ、

お洋服を液体で汚してしまう心配もない。

また、肌が弱くても楽しむことができる上に、

衣類や持ち物を香らせたり、防虫剤として使用することもできる優れものだ。

この手の香りものと言えば、鮮やかな生地で作られた巾着袋いっぱいに

香料が詰め込まれたものをイメージするけれど、

お手紙に忍ばせる文香は、栞タイプのものや、

薄く伸ばしたパイ生地を型抜きしたような可愛らしいものがあり、

お手紙に、ちょっとした遊び心と優しい香りを添えることができるアイテムだ。

名刺香は、シートタイプになっているものや

小さなポチ袋に香料が忍ばせてあるものなど種類も豊富で、

名刺入れに忍ばせておくだけで、ほんのりと香りを添えることができる。

これらは全て、お洋服のポケットや鞄、クローゼットの中などで使うこともできるため、

香水は苦手だけれども身だしなみとして香りをまといたいときに重宝する。

 

平安時代の貴族は香りを自宅で楽しむだけでなく、

お香を贈りあったり、香りを当てる遊び、聞香(もんこう)を楽しんだりしていた。

香りは女性や貴族だけのものかと思いきや、

武士の方々も目上の方への配慮として身だしなみにも気を配り、香り袋を使用していたと言う。

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香りは人の記憶に寄り添う大切なもので、

時に人からの印象までも大きく左右することもあるアイテムです。

華やかな西洋の香水も素敵ですが、

湿度が高く、汗ばむ日本の夏に西洋の香りは、少々重く感じられることもあります。

このような機会に優しい香りをまとって

あなたの印象を素敵に優しく、爽やかに演出してみてはいかがでしょうか。

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土用丑の日のお楽しみは、鰻だけではありません。今年は桃湯、と洒落込んで。

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今年の夏は土用丑の日が2回ありますね。

その1回目は、今月7月25日で「一の丑」と呼ばれ、

2回目、8月6日の土用丑の日は「二の丑」と呼ばれます。

「土用丑の日」に鰻を食べるようになった訳や土用丑の日の回数、

土用丑の日に食べると良いのは鰻だけではないというお話は、

過去にさせていただきましたので、

今年は夏の土用丑の日と言えば「桃湯」というお話でも、と思っております。

お時間がありましたら、ちらりと覗いていってくださいませ。

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夏の土用丑の日といえば、鰻を食べる日として知られています。

しかし、江戸時代では鰻以外にも夏の土用丑の日には、

桃の葉をたっぷりと使った「桃湯」を楽しんでいたといいます。

土用丑の日に鰻を食べるようになった理由は諸説あるのですが、

その中のひとつに暑さで体力を消耗する夏のこの時季には

鰻で栄養を補給し、災厄を除けようとしておりました。

桃は災厄除け、魔除けの力があると言われていることに加え、

捨てる所がないと言われるくらいに様々な効果、効能をもった優れた植物。

全てが上手く噛み合い、土用丑の日の桃湯が風習となったようです。

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現代でも、桃の葉エキスはボディーソープや、ボディーローション、化粧水などの

スキンケアアイテムに使われていることからも分かるように、

桃の中でもお肌に良い効果をもたらしてくれる部位が桃の葉です。

桃の葉にはタンニンという成分が含まれているのですけれど、

炎症を抑えたり、解熱などに効果があると言われています。

先人たちが、このような効果を知っていたのかどうかは分かりませんが、

日に焼けた夏のお肌や虫刺され、あせもなどのお肌の症状を緩和してくれる

夏に心強い成分を、しっかりと利用していたようです。

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このようなことを見聞きしますと、冬至の日のゆず湯の様に

自宅の湯船でフレッシュな桃湯と洒落込んでみたくなったのですが、

これが簡単ではなかったのです。

桃湯の作り方は桃の葉を煮詰めて煮汁を入浴剤として湯船に入れるだけなので、

とても簡単なのですが、生の桃の葉が40枚ほど必要なのだそう。

自宅に桃の木があれば可能ですが、

現代人にはなかなかハードルが高い雅なお風呂でございます。

ですが、今年の私は文明の利器を利用して桃湯を楽しもうと思っております。

先日、便利な桃の葉エキスがたっぷり入っているという謳い文句に乗せられて

既に桃の入浴剤を購入済みなのです。

桃の葉を摘むことも、煮出す必要もなく、お手軽です。

鰻が苦手な方や鰻以外の土用丑の食材が手に入らなかった方など、

今年の土用丑は「桃湯」で災厄を除けて、

身体丸ごと艶やかに過ごすのはいかがでしょうか。

先人たちから引き継いだ季節ならではモノゴトも、楽しみ方は無限大。

現代ならではのお手軽さも楽しく利用しながら、

今年の土用丑も楽しんでまいりましょ。

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トマトやグレープフルーツで胃腸を整えてみませんか?二日酔いを払いのけてみませんか?

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夏ならではのイベントを楽しんでいらっしゃいますでしょうか。

育ち盛り真っ只中のお子さんがいらっしゃるご家庭では、

プールに海にBBQにキャンプにと大忙し、ということもあるのでしょうね。

楽しいことが多い一方で、大人の胃腸は調子を崩しやすい季節でもあります。

幸せのレシピ集では、お酒を召し上がる機会がある方のために、

その季節に合った、二日酔いを改善するレスキュー食材をご紹介しております。

過去には、柿、甘酒、しじみ汁、ルイボスティーやスパイス白湯などを使った

二日酔い緩和対策にも触れました。

二日酔いとまではいかなくても、

お酒を召し上がった翌日に意識して口にすると、胃腸を労わることができる食材です。

今回、ご紹介する食材も、ご自分の為に、ご家族の為に、頭の片隅に忍ばせておいてはいかがでしょう。

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|トマト

まずは、お手軽なトマトジュースやトマトサラダはいかがでしょう。

二日酔いの一般的な症状と言えば、胃がむかむかしたり、吐き気や頭痛などが挙げられますが、

これは、アルコールが肝臓で分解される際に発生する有害物質、アセトアルデヒドが原因です。

症状を緩和させるためには、

この有害物質を抑えてアルコールを体の外へ出してしまう必要があります。

トマトに含まれているリコピンは、この有害物質の発生を抑える働きがあるだけでなく、

体内の余分なものを排出することに長けているカリウムも豊富に含まれています。

カリウムは浮腫み解消にも効果を発揮する成分ですので、

お酒を飲んだ翌日のお顔の浮腫み、体の浮腫みが気になる女性にもオススメです。

他にもトマトには解毒作用がある成分や、

お酒で負担をかけてしまった肝臓を労わってくれるクエン酸、

体から失われた水分やミネラルも補うことができます。

二日酔いの症状だけに対して効果があると言うだけではなく、その他のケアも同時に行える食材です。

お嫌いでなければ、お酒を召し上がった翌日の朝はトマトジュースやトマトサラダを

召し上がってみてはいかがでしょう。

お酒の席も楽しみたいけれど翌日のコンディションも気になるという時には、

お酒を召し上がる際、トマトを使ったカクテルなどトマトを一緒に摂取すると

血液中のアルコール濃度が下がり、お酒の代謝も活性化するのだとか。

私は、浮腫みやすい体質なので、

食事会の翌日に予定があり、どうしても、お顔や体を浮腫ませたくない時には

食事会の前半のうちにフレッシュなトマトを使った何か、を口にしておきます。

ちょっとした事なのですが、体は素直に反応してくれます。

お酒の席でトマトを使ったカクテルや、トマトサラダなどを楽しまれるのも、

ちょっとしたケアのひとつになるのではないでしょうか。

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|グレープフルーツ

トマトが苦手だと言う方もいらっしゃいますよね。

その場合は、グレープフルーツを使って二日酔いを緩和させたり、

胃腸を整えたりしてみてはいかがでしょう。

グレープフルーツと言えば、少し苦みのある柑橘フルーツですが、

この苦み成分(ナリンギン)は、胆汁の分泌を促し、

体内にある余分なものを分解してくれます。

また、グレープフルーツにはビタミンCが豊富に含まれていますが、

このビタミンCも二日酔いの一般的な症状を引き起こす有害物質、アセトアルデヒドの分解を促進する作用があるのだそう。

フレッシュなグレープフルーツで二日酔いや胃腸の不調を整えつつ

私たちの生命維持に欠かすことができない酵素を同時に補うのも良いですし、

果汁100%のグレープフルーツジュースで同時に水分補給するのも良いのではないでしょうか。

 

お好きな食材、苦手な食材などがあっても大丈夫です。

体を健やかにするための食材はひとつではありません。

これからも、その季節に合った食材で出来るケアを

様々な視点からお話しさせていただきたいと思っております。

ご自分に合った日常食材、ご家庭に合った日常食材を

美味しく、上手に使いながら体を整えるコツとして活用していただけたなら幸せです。

本日も、最後までお付き合いいただいた皆さん、ありがとうございます。

今日もあなたによって良き風が吹きますように☆彡

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少しずつ、この世から姿を消しつつある風物詩。

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目を細めながら感じる夏の日差しと暑さは、人の好奇心を身体ごと掻き立てる。

うかうかしていたら、今年の夏もあっという間に過ぎ去ってしまいそうだ。

私はサーファーではないけれど、季節の波、人生のには上手に乗っていきたい、

そのようなことを思いつつ観光地を歩いた。

途中、キラッと光る氷の上に並べられた、竹串に刺してある冷やしキュウリが目に入る。

どんな高級なお料理よりも、その時の私にはご馳走に見えた。

キンキンに冷やされているキュウリを美味しそうだと感じた自分に、

身体も夏を感じているのだと知る。

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しばらく歩くと、今度は夏の風物詩のひとつ、ラムネが目に飛び込んできた。

台の上に乗せられた大きな手洗の中に敷き詰められた氷に

ねじ込むようにして冷やされていたラムネの瓶。

その表面に浮かぶ水滴には太陽が反射していて、

夏を切り取ったような光景がそこにあった。

吸い込まれるようにして1本購入し、お店の軒先に並べられたベンチに腰掛けた。

ベンチの側に、

「飲料水の栓、蓋、と言えばキャップやプルタブが主流だけれども

ビー玉で栓をしようと思ったのはどうしてなのか。」

というような内容の読み物が置いてあり、私はラムネ片手に流し読んだ。

そこには、ラムネが初めて開発されたのは、

今から150年ほど前のイギリスだと記されていた。

灯台下暗しということなのだろうか。

私のイギリスの友人たちは、

日本のビー玉入りのラムネを始めて見たと言って虜になる人が多かった。

そして、どうしてビー玉で栓をしたのか?という本題だけれども、

当時の栓にはコルクが使用されていたのだそう。

しかし、コルク栓では、いつの間にか炭酸が抜けてしまうという問題があったようだ。

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そこで、当時のあるコルク会社が、ビー玉で栓をする瓶を生み出したという。

これは炭酸ガスの圧力を利用してビー玉を圧着する仕組みの瓶。

確かに、ガラスで作られたビー玉で栓をすれば炭酸が抜ける心配はない。

だけれども、当時はとても高価だったガラスを、

容器と栓の両方に使うという点がネックだったよう。

それならばと、これを回避するための策として、

瓶とビー玉は回収して再利用することを前提にして作られたと言います。

この瓶を作るのは、私たちが思っている以上に技術を要するため、

今でも回収システムが不可欠なのだそう。

ですから、ラムネを流通させようとすれば使い捨て可能な瓶を使うことになるため、

現在は、飲み口部分がプラスティック製のラムネが増えているのだとか。

飲み口部分がプラスティック製なのには更にもうひとつ理由が。

ラムネを飲み終えた子どもたちが、

舌を飲み口から瓶の中に入れて空気を吸い上げるようにして遊んでいたら、

舌が瓶から抜けなくなり問題になったことがあるのだそう。

このような事例があると、

企業側としては安全性を優先せざるを得なくなった結果、

使い捨ての瓶が使用され始めたとも。

色々な物の見方や考え方、配慮があるため、

良い悪いと言う判断は簡単ではないのだけれど、

実は本物の瓶とビー玉が使われたラムネは、

少しずつこの世から姿を消しつつあるという現実があるのだ。

 

ラムネはオールガラスに限る、と思っているわけではないのだけれど、

無くなることが分かってしまうと少しばかり淋しくも感じるのだから不思議だ。

どのようなもモノゴトも、いつまでも変わらずに在るとは限らない。

飲み口部分までガラスで出来ていて、

瓶を持ち帰ることができない一期一会のラムネに出会えた際には

ひんやりとしたガラスの飲み口とビー玉を、

夏と一緒に、目で、手で、耳でも楽しんでみてはいかがでしょうか。

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小さなオトモダチの透明コーラマジックショー。

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昨年の今頃だったかしら。

友人宅にお呼ばれしたのです。

そこには小さなオトモダチもいたのですけれど、

私がテーブルに着くや否や、

「透明のコーラ、飲みたい?ね、飲みたい?ね、飲む?」とプレッシャーをかけてきました。

「いただきます」いや、「いただかせて下さいませ」としか答えようがないような状況に

笑いながら透明のコーラを飲みたいと答えると、

冷蔵庫から小さな体でコーラと小さめの牛乳パックを両腕で抱えながら持ってきました。

私の目の前のグラスをヒョイっと持ち上げながら「タネもシカケもありません」。

突然、小さなオトモダチによるマジックショーが始まったのです。

とんでもない物を飲まされそうな空気に若干ハラハラしつつ

ケセラセラと腹をくくってマジックショーを見守ることにしました。

 

しゅわわわーっと爽やかな音を立てながら、透明のグラスにコーラが注がれます。

「ここ、ちゃんと見て」と注意喚起を促しながら、今度はそこに牛乳を注ぎます。

コーラから、しゅわわわーっと炭酸ガスの泡が溢れ出し、

コーラはカフェラテのような柔らかい色合いの飲み物に姿を変えたのです。

グラスとテーブルはビチャビチャになり、

いつ、この目の前のものを飲めと言われるのだろうかと私はハラハラです。

それから数分するとコーラの下には沈殿物が溜まり、

その上部にはグラスの向こう側が見えるくらいには透明化した、

薄い黄色のセロファンをまとったようなコーラが登場しました。

「すごい!コーラが透明になったね」と拍手した私のリアクションに気分を良くしたのか、

小さなオトモダチは泡でびちゃびちゃになったグラスを

「どうぞ、飲んで」と私の前に差し出し、キッチンの方へ消えていきました。

グラスの底には、見た目に少々問題がある沈殿物が沈んでおり、

飲むことを躊躇っていると、「飲まないの?」とオトモダチ。

わたくし、意を決して飲みましたとも。

透明な部分のお味は、美味しいと言えるようなものではなかったものの

マズイと言うほどのことも無く、

炭酸が抜けて味が薄まったコーラといったお味でした。

だけれども、今後はご遠慮させていただきたいお味でございます。

 

後で調べてみたのですが、

これは、牛乳に含まれる「たんぱく質」と、コーラに含まれている「酸」に理由がありました。

「たんぱく質」と「酸」が化学変化を起こし、

たんぱく質が酸によって固まりグラスの下に沈んでしまうのです。

この科学反応を美味しくイメージできるのは、

高たんぱくで低脂肪のヘルシーなカッテージチーズでしょうか。

カッテージチーズは、牛乳にお酢やレモン果汁を加えれば、

自宅でも簡単に作ることができますが、

コーラと牛乳のマジックと同じように、たんぱく質と酸による化学反応を利用して作られます。

 

この小さなオトモダチは、実験のような遊びが大好きなのです。

わたくし、過去にはガムとチョコレートを一緒に食べさせられたこともありまして、

密かに、このお友達から差し出される「たべもの」にはドキドキしております。

お子さんがいらっしゃるご家庭では、

夏の自由研究に「透明コーラ」と「カッテージチーズ作り」はいかがでしょうか。

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