私はアトピーもちなので、色々な事に注意する癖がついている。
大変だとか面倒だとかの思考は、とうの昔に飛び越えてしまっているようで、それを不便だと思ってはいない。
ただ、旬のお野菜をたっぷり摂った方がいいという事は、子供の頃から耳にしていたので
出来る範囲内で旬の物を多く口にしたいと思っている。
だけれども、最近は果物やお野菜の旬が分かりにくいのだ。
知っていたはずの旬も、年中見かけたり口にしたりできるものだから曖昧になってきている。
できる限り、その土地のものを旬のうちに味わいたい。
技術の進歩はある視点から見ると時に人間を後退させ、とびきりの贅沢を奪うこともあるのかもしれない。
もちろん、いつでも美味しいものを皆が食べる事ができるという、また違う贅沢と引き換えに。
それは、ある種の等価交換なのかなどと考えていたらイチゴを食べたくなった。
思考癖を終了させてバッグにお財布を押し込み、近くのスーパーへイチゴを買いに行った。
クリスマスでイチゴの消費量が上がることもあり、冬が旬のように思ってしまいそうになるけれど、
イチゴの旬は春先だったことを思い出す。
そして、イチゴはスイカなどと一緒で、本来は野菜だということも久しぶりに思い出した。
イチゴは多年草の植物で草なので、果物ではなく実は野菜として分類される。
そして、このイチゴ。
実は私たちが種だと思いがちな黒い粒々が果実だということをご存知だろうか。
あの黒い粒々の中にイチゴの種が入っているのだ。
じゃぁ、私たちが果肉だと思って頬張っている真っ赤でジューシーな部分は何なのか。
あの真っ赤でジューシーな部分は、イチゴの茎なのだそう。
美味しいと言いながら茎を果実だと思って頬張っているなんて、ちょっと面白い。
そして、少し前の種の話に戻るのだけれども、黒い粒々の中の種から芽が出たらどうなるか。
イチゴはとてもデリケートで手のかかる植物なので、小さな種から育てるのは、とても大変なことなのだそう。
パクパクっと食べることができるイチゴだけれど、
次に召し上がる機会がありましたら、果実である粒々を観察してみてはいかがでしょうか。