今年は、「かぶ」を口にする機会が多い。
秋が深まってきた頃に手を伸ばした小かぶに始まり、大かぶ、赤かぶと楽しんでいる。
そして現在、我が家の野菜室には聖護院かぶらが、その時を待ち構えている。
生で食べても火を通しても甘くてジューシーな「かぶ」は、口にした瞬間にどこかしら、人の気持ちを穏やかするような気がしている。
そして、わしゃーっと伸びたしなやかな茎と、柔らかい葉までもが様々な調理に使うことができる上に、栄養豊富だ。
しかも、私たちが「かぶ」と呼んで親しんでいるこのお野菜、
日本書紀には「菘(すずな)」の名で登場し、七草のひとつとしても古から親しまれているものである。
幸せのレシピ集では、時々、季節のお野菜やフルーツにも触れております。
どのような食材も、私たちにとってはパワーフードなのですが、お野菜は、旬を迎えますと栄養価がグンと上がり、美味しさも増します。
今回は、今が旬である「かぶ」にフォーカスします。
柊希の脳内整理も兼ねておりますが、ご興味ありましたら、ちらりとのぞいていって下さいませ。
「かぶ」と言えば、葉っぱが付いたままの姿で売られていることが多いですが、
丸い実は淡色野菜として、葉っぱは緑黄色野菜として扱われており、
ひとつのお野菜で淡色野菜と緑黄色野菜の栄養摂取できるという特徴があります。
ですから、この双方の栄養を余すことなく、美味しくいただきたいのですが、購入したときの状態のまま保存してしまいますと、
丸い実の部分の水分を葉っぱが吸い上げて実の部分の瑞々しさが失われてしまいます。
購入後、すぐに使わない場合は、実と葉っぱを切り離して保存しておくと良いようです。
前置きが長くなりましたが、本日の本題である栄養面です。
非常に豊富な栄養が含まれている「かぶ」ですが、全てをおさらいしますと特徴が掴み難いかと思いますので、
この時季の私たちの体に必要な栄養素に注目したいと思います。
1番の特徴は、「かぶ」の実に含まれている消化酵素のアミラーゼです。
七草のひとつにも挙げられているくらいですからイメージしやすいかと思いますが、
「かぶ」には消化と栄養の吸収を手助けし、胃腸を整えてくれる栄養素が含まれています。
ただ、この消化酵素は熱に弱いため、「かぶ」で胃腸を整えたい場合は、加熱しすぎないように注意する必要があります。
とは言っても、「かぶ」は加熱しても美味しい食材ですし、他の栄養素はしっかりと摂ることができますので、
胃腸を整えることを意識したい場合には、生のままでサラダなどに混ぜ込むと良いということを覚えておきますと、栄養面での使い分けが楽になるのではないかと思います。
そして、緑黄色野菜の栄養素を豊富に含んでいる茎や葉っぱ部分ですが、
ここには、βカロテンやカルシウム、カリウム、ビタミンCなどが、たっぷりと含まれています。
β-カロテンは小松菜に匹敵するほどだと言われ、カルシウムは小松菜以上なのだとか。
更に、カリウムは、体内の余分な塩分を体外へ運び出す手助けをしてくれる栄養素でお馴染みですし、
ビタミンCはケールにも劣らないほど含まれているという専門家もいらっしゃいます。
また、葉っぱには、ちょっとした辛みが感じられますが、あの辛味成分は、殺菌や細胞を錆びつかせる活性酸素を取り除く手助けもできるのだとか。
丸い実の部分で胃腸を健やかに整え、
茎や葉っぱの部分で美容と健康の底上げができるお野菜が「かぶ」です。
この時季は胃腸を酷使しやすいので、七草粥までノンストップで走らずに、
七草のひとつでもある「かぶ(菘・すずな)」を、小まめに摂取して胃腸を労わっておくのも手ではないでしょうか。
お薬などに頼ることもあるかと思いますが、できるだけ自然のもので健やかに整えられたなら、体の負担も少なく済むように思います。
今日、私たちが口にしたものは3か月先の体を作っていると言われております。
楽しく、美味しく、健やかにまいりましょうね。
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