ある休日、数件のプライベートメールへの返信作業をしていた。
頻繁にやり取りをするわけではないのだけれど、
お互いに時間ができると、ひと通り、思いつくまま気ままに近況を報告し合う友がいる。
すぐに返信がこなくても互いに慌てることはなく、
便りがないのは元気な証拠という感覚で、互いに忙しく頑張っているのだろうな、と思っている。
だからメールの最後には「返信不要」の文字が書き添えられていたり、書き添えたりもする。
決して本気で返信は要らないと思っているのではなく、「急ぎではないよ」のようなものだろうか。
ラインなどのやり取りでは相手がメッセージを確認したことは、賛否両論ある「既読」の文字で確認できるため、
わざわざ返信させるまでもないような状況であれば、「返信不要」を使うのだけれども、
女性の皆さんは「返信不要」の言葉を使われることはありますでしょうか?
この「返信不要」の言葉、
私は過去に、そう簡単に使ってはいけないのだということを知るような出来事がありました。
何時ぞやか、仕事の打ち上げのようなシーンで、
たまたま、女性だけで食事をすることがあったのだけれども、
その席で、女性はメールに「返信不要」という言葉は使わないと聞いて、軽く驚いたことがあったのです。
彼女たち曰く、百歩譲って仕事が絡む場合は理解できるけれど、
プライベートなメールに「返信不要」などと書かれていたら、
返信をしたくても、してはいけないように感じて困るのだと。
そのような考えは私の中には無かったけれど、それも一理ある。
もしかしたら友人たちを困らせてしまっていたのだろうか?と少々不安になった私は、
その夜、「返信不要」のやり取りを交わす友人たちに慌てて尋ねたことがあった。
類は友を呼ぶとは本当に良くできた言葉で、
返ってくる言葉は「返信不要とあったとしても自分が返信したいと思えば返信するし、
返信する時間などがなければ、相手の言葉に甘える」というものがほとんだった。
だけれども一人だけ、
打ち上げの席で聞いたことと同じことを話してくれた友人がいたのだ。
幸いにも私が意図していた気持ちは理解してくれていたのだけれども、
理解しているからこそ指摘出来ずに
何とも言い難い歯痒い思いをさせてしまったのだろうなと、
私はその夜、心を込めて何度も「ごめんね」を伝えた。
そして、「使う場合は慎重に使おう」と心に誓った。
それ以降、友人たちのメールの文末に返信不要の文字を目にするたびに、
自分が「返信不要」と使うたびに、私は、この日の出来事を思い出す。
最近、この時の話を友人にしてみたのけれども、全く覚えていないというではないか。
さらに驚いたことに、「時と場合によってだけど、私も返信不要を使うよ」とあっさりと返ってきた。
十数年の時を経て行き場を失った私のあの日の誓いよ。
今は何処へ……。
といった気分だったけれど、これでお互い様の半分こだ。
このようなことを思い出しながら、「変わりない?生存確認」と送ってきた友人に
「生きています。」から始まるお返事を、カチカチとキーボードを鳴らしながら書く(打つ)のだった。
言葉は人と同じで自由で不自由で、やはり愛おしい。
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【みんなが笑顔で過ごせるように、自分にできることを考えてみませんか。】