友人が炊飯器調理をするととても楽で助かるけれど、手抜きをしているようで罪悪感が拭いきれないといった。
炊飯器は、見方を変えれば初心者でも手軽に扱える圧力鍋のようなものだ。
ご飯を炊く以外の使いをしたらダメだというルールは無い。
寧ろ最近の炊飯器は、ご飯を炊く以外の機能をアピールしているものが多い。
道具を上手く使うことで美味しい料理と限りある時間を生み出し、それによって心身が潤うというのだから罪悪感を抱く必要は無いのでは?と私は思うのだけれど、友人は自分自身を納得させられる説明が欲しかったのだろうと思う。
私の「私も調理器具として炊飯器を使っている」という話ではそれに足りなかったようで、それからしばらくの間、懺悔にも聞こえる文言を口にした。
ひと通り話を聴いていると、「この前は、野菜を炒めることすらせずにカレーまで炊飯器で作ってしまった」と言うものだから、カレーは炊飯器調理の方が健康にいいと返すと、友人が欲している説明に近かったのか、顔色がパッと明るくなった。
今年の夏頃だったと記憶しているのですが、このような出来事があったので、今回は「野菜を炒めずに作るカレーは体に良い」という話題を少し、と思っております。
ご興味ありましたら、温かいお飲み物片手に、ちらりとのぞいていってくださいませ。
アクリルアミドという成分があります。
これは、食材を120度以上の高温で調理をすると食材に含まれている成分同士が化学反応を起こした状態の成分の名前です。
そして、この成分は発がん性のリスクが無いとは言い切ることができない有害物質だと言われています。
少々歯切れの悪い物言いになっているのには理由がありまして、発がん性物質であることに間違いはないのだけれど、人に関して見てみるとアクリルアミドががんの原因になっているとは言えないのだそう。
しかし、私たちの体にとって不要なものなので、現段階では、摂取することは可能な限り減らしておく方がよい、という結論が出ているのです。
子どもの頃に、「食材の焦げた部分は食べないで」と言われた記憶を持っている方も多いのではないでしょうか。
焦げは、食材を高温で調理し続けた結果でもあるので、私たちは無意識に体に不要なものを避けていたりもするのです。
危うきに近寄らず、といったところでしょうか。
ただ、この120度というのはすぐに達してしまう温度ですので、焦げを食べていなくても日常の食事で少しずつ摂取しています。
どうすれば防ぐことができるのか。
お野菜やお肉などを焦がさないことはもちろんなのですが、
アクリルアミドは十分な水分と一緒に調理をすることで化学反応を防ぐことができるそうなので、
茹でたり、煮たり、蒸したりといった調理法を使ったり、炒めものや揚げ物も長時間炒めたり揚げたりしなくてもいいように工夫をするといいと言われています。
ここで、冒頭で触れた炊飯器でカレーを作って若干凹んでいた友人の話に戻るのですが、野菜を炒めずに炊飯器でカレーを作り、発がん性物質ができてしまうのを防いだわけですから、二重丸、いや、花まるメニューだったと思うのです。
このような美容や健康に繋がるお話に触れる際に、いつもお伝えしていることなのですが、今回の話題も、お野菜を炒めて作るカレーがダメというお話ではありません。
ただ、健やかさは日々の積み重ねでもありますので、普段よりも少し意識して気遣うことで未来の自分や家族の体を健やかに保つことに繋がるとも思うのです。
時短調理に対しても様々な印象を抱く方がいらっしゃいますが、それは極自然なこと。
何をどう選ぶかは自分次第なので、あまり先入観を持たずトライしたり知ってみる中で、自分に合うものを選び取ったり、その時々で使い分けたりできると、心地よく楽しみながら過ごすことができるのではないかと思います。
今回は調理方法の話題だったのですが、友人との会話の中に登場した炊飯器調理に関する注意事項も念のため、書き添えさせていただきます。
カレーやシチューのルーはドロッとしたペースト状になることから、炊飯器メーカーによっては、炊飯器の故障や火傷などの怪我の恐れがあるので禁止事項に挙げています。
他にも、ご飯を炊く以外の用途に炊飯器を使用する際の細かい注意事項がメーカーから出ています。
既に炊飯器調理を行っている方や、ご興味があってこれからトライしたいという方、いらっしゃると思うのですが、この機会にご自宅の炊飯器の取り扱い説明書を確認し、安全に使用してくださいませ。
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