最近の私の嬉しいことのひとつに「サラダが美味しいこと」がある。
サラダが好きで毎晩欠かさずテンコ盛りでいただくのだけれど、
寒い冬は、常温のお野菜だとしても体の冷えが気になって少しばかり遠慮がちだった。
それが、体の冷えを気にせずモリモリっと楽しめる幸せ。
今日はキュウリが美味しいな~、
おっ、このトマト甘~い、
わっ、ルッコラの味が濃くて最高、
スモークサーモンとの相性もいいじゃない、などと心の中で噛みしめている。
このような時、パートナーの話に相槌を打ちつつも
心は目の前のお野菜に鷲掴みにされているというのは、ここだけのお話。
サラダと言えば、ドレッシングを使うことが多いかと思うのですが、
皆さんはドレッシングの語源をご存知でしょうか?
言葉のイメージからピンッときた方もいらっしゃるかもしれませんが、
ドレッシングの語源は英語の「Dress(ドレス)」からきています。
もちろん、このDressはお洋服のドレスで着飾るという意味もあります。
某企業の何時ぞやかのテレビCМで「野菜にドレスを着せましょう。」という
フレーズを目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
野菜にお洋服を着せて彩るという発想から
「ドレッシング」と呼ばれるようになったのだそう。
そのドレッシングの種類には、
フレンチドレッシング、イタリアンドレッシングというものがありますよね。
この流れから和風素材で作られているドレッシングを
和風ドレッシングなどと呼ぶことがあると思います。
ですから私はある時フランス人の知人に、
一般的に広まっている「フレンチドレッシング」はいつ頃からフランスにあるの?
とサラダを作りながら素朴な疑問を投げかけてみたのです。
その時に返ってきた答えは、
「あれはフランスのものじゃないわ、アメリカ生まれよ」でした。
あの時の私は狐につままれたような顔をしていたのでしょうね。
「なんて顔してるの?」と笑われた記憶があります。
後にイタリアンドレッシングもイタリア生まれではなく
アメリカ生まれだという事も知りました。
もちろん、両方とも各国のイメージに合わせて作られたという説もあるのですが、
アメリカ生まれだという事に変わりはありません。
そして、フレンチドレッシングには、このような説もあるのだそう。
アメリカにフレンチさんという野菜嫌いの男性がおりました。
彼は、ほとんど野菜を食べなかったため、
体に必要なビタミン類の栄養素が不足し壊血病を起こしかけていたのだそう。
※壊血病というのは、ビタミンCが不足し皮膚からの出血が増えたり、貧血を起こしたり、衰弱するなどの症状が現れる病気です。
心配した彼の奥さんは、何とかして彼に野菜を食べさせたいという思いから
彼が嫌いな美味しく野菜を食べられるようなドレッシングを作りました。
そのドレッシングが「フレンチドレッシング」と呼ばれるようになったのだとか。
フレンチはフレンチでも、フレンチ違いですね。
私は人の名前だなんて想像もしていませんでした。
日本でも名前が定着しているドレッシングが幾つもありますが、
その多くのドレッシングの発祥はアメリカが多いようなのです。
これは、私が何となく尋ねた事から
自分の思い込みを知った出来事のひとつです。
語源というものの中には想像だにしなかったことが隠れているようです。
もし、フレンチドレッシングを使う機会がありましたら、
フレンチ夫妻のお話を思い出してみてくださいませ。
そして、春野菜が美味しく夏野菜の旨味も増してくる季節です。
季節のお野菜からフレッシュなビタミンをたっぷり補給してくださいませ。