キッチンに立ち、ボウルに入れたベビーリーフをじゃばじゃばと水洗い。
食感と彩りを加えたくなり、冷蔵庫にあったラディッシュをスライスし、プチトマトは半分にカット。
更に水菜のシャキシャキの食感とほんの少しの辛みをベビーリーフと混ぜ合わせ、
素揚げした、ちりめんじゃこをクルトン代わりに散りばめて
その日の我が家のサラダが完成した。
水菜は、京菜(きょうな)、千筋菜(せんすじな)、柊菜(ひいらな)と呼ばれることもある
アブラナ科のお野菜。
扱いやすくクセがないお野菜ということもあり、お鍋の具材として使われることが多い。
私は、水溶性のビタミンCが豊富という特徴と食感を丸ごといただきたいため、
サラダに混ぜ合わせることが多い。
その細々とした容姿から栄養豊富という言葉は連想し難いのだけれど、
肌荒れや疲労を回復させたり、ミネラルも豊富なため髪の毛や骨の健康にも良いお野菜だ。
他にも体内でビタミンAに変化する性質から粘膜を健やかに保つ効果があると言われている。
また、茎の部分いに少しだけ感じる辛味はワサビに含まれている辛味成分と同じで、
免疫力を上げて抗がん作用、血栓予防、殺菌作用があったりと大活躍だ。
本来、水菜の旬は冬なのだけれども
今は年中手に取ることができるお野菜のひとつ。
先日、日光浴のお話をさせていただいたときにビタミンAのことに触れたのだけれども、
紫外線をたっぷり浴びる夏のレスキューベジタブルとして
いい仕事をしてくれるように思う。
その、完成したサラダに合わせて和風のドレッシングを作っていたのだけれど、
オイルの表面が光を反射し虹色に光っている様に先日の光景が重なった。
それは、カラフルなネオンが賑やかな音と共に
薄暗い空間に映えるアミューズメントパーク施設内を縦断したときのこと。
立秋も過ぎたというのに、この暑さだからだろうか。
屋外で遊ぶよりも室内で遊ぶ方が安心、安全。そのようなことなのかもしれない。
そこに集う子どもたちの多さと、年齢層の幅に少しだけ驚いたのだ。
近い将来、熱中症や脱水症状、
ヒアリなどの危険外来生物や竜巻やゲリラ豪雨といった異常気象を理由に、
「夏は外で遊ぶと危険」という常識が確立し、
このような施設内で過ごす子どもたちが更に増えてくのかしら。
そのようなことを思いながら、
まるで大友克洋氏のSFコミックの世界を連想させるような、
近未来的雰囲気に仕上げられた、その空間のクオリティーの高さにも感動しつつ、
私は目的地へと向かった。
世の中の見え方や常識も、
ドレッシングオイルの表面で反射する光やカラフルなネオンと同じように、
変わりゆくもの、変わらぬもの、姿を変えながら在り続けるもので作られているのかもしれない。